GOOD DESIGN AWARD

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CC

2018

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ベスト100

受賞対象名
事務所兼用住宅 [上池台の住宅 いけのうえのスタンド]
事業主体名
落合正行、落合麻衣
分類
戸建て住宅
受賞企業
落合正行+PEA…/落合建築設計事務所 (東京都)
受賞番号
18G100836
受賞概要
2018年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

東京都大田区の住宅地に建つ、設計者夫婦と愛犬が暮らす住居と設計事務所からなる事務所兼用住宅。1階の通りに面して設けられた小屋型のヴォリュームは住宅に挿入されたパブリックスペースであり、週末にはコーヒースタンドや盆栽教室、マルシェ、出張本屋を招く等、住まい手自ら街に仕掛け、近隣住民との緩やかなつながりを創出する。通りの向こうから視線が抜けるよう透過性ある開口部とし、前面には水場を設けカウンター越しに対話ができたり、内外続き土間によって軒下空間を一体的に利用できるよう設計した。気軽に立ち寄ってもらいたいという考えから「スタンド(立ち寄り所)」と名付け、住まいの一部を街に開く取り組みを継続している。

プロデューサー

日本大学理工学部まちづくり工学科 落合正行

ディレクター

PEA…/落合建築設計事務所 落合麻衣

デザイナー

日本大学理工学部まちづくり工学科 落合正行+PEA…/落合建築設計事務所 杉本将平

左:落合正行 中:落合麻衣 右:杉本将平 看板犬:とうふ君

詳細情報

http://pea-d3.com

利用開始
2016年11月
販売地域

日本国内向け

設置場所

東京都大田区上池台

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

住まいの一部を街に開き、住まい手と地域住民と緩やかにつながる都市型住宅。

背景

都市部において土地の細分化が引き起こす問題の一つに、狭小地による住環境の悪化が挙げられる。間口が狭く、1階に駐車場と玄関、水廻り、2階にLDK、3階に寝室という、建売住宅に代表されるプランの流通によって、こうした住宅地のグランドレベル(1階)では、狭小地ゆえに十分な外部空間がとれないことに加え、生活空間が2階以上につくられ、昼夜問わず人の気配が感じられない乏しい生活景を生み出すに至った。さらに、防火や防犯といった建築そのものの高性能化によって都市部の住宅は一層閉ざされる方向にあり、希薄化する都市部コミュニティの問題をも助長させる。本来生活の中から生まれる活動が街から見え、街に溢れ出すことで、生活景そのものが住宅地の魅力に結びつく。「上池台の住宅 いけのうえのスタンド」は、都市部住宅地のグランドレベルに着目し、竣工後の住まい手自らの活動も含め、都市住宅のあり方を見直すことを目的とした。

デザイナーの想い

この住宅の設計では、街とどう距離をはかるかを考えた。狭小地ゆえに隣地に迫るように計画しなければ、十分な広さの床面積が確保できず、そのために生じる防火や防音に対する外壁や開口部の機能向上、さらには防犯面への配慮等から、周囲(街)に対し閉ざされた住宅になりがちである。また、住人でもある私たち夫婦はDINKs世帯ということもあり、子育て世代とは異なり意識的に他者との関係を求めない限り、近隣との接点はほとんどなく、内的側面が一層そうさせる。こうした中で、この住宅にとって街とどう距離をはかるかが、計画の段階から重要であった。その結果、1階ではスタンドを介して住人と他者との直接関係を、2階では縁側を介して街の気配を取り込む間接関係を、そして3階では高台である場所の特徴を生かして景色を取り込む関係を、階層ごとに街との距離をデザインするに至った。都市部にいながら街との緩やかな関係を築いていきたい。

仕様

敷地面積:50.93㎡ /建築面積:29.11㎡ /延床面積:82.78㎡ /主体構造・工法:鉄骨造 /階数:地上3階建て

どこで購入できるか、
どこで見られるか

PEA…/落合建築設計事務所
いけのうえのスタンド Facebookページ

審査委員の評価

従前の働き方が見直される中、職住一体にすることで住宅を「住み開く」意欲的な試み。住宅における「みせ」部分を「スタンド」と名付け、自ら定期的にイベントを開催しながら近隣とのつながりを作り出している点は高く評価できる。また特筆すべきは、隣地との関係である。旗竿敷地である隣地の竿地部分を地域に開放された外部空間だと捉え、隣家との合意の上でベンチを設けている。住宅密集地で各敷地内に残された小さな隙間は、供与しあうことさえできれば有効なパブリックスペースとなりうる。このような境界のあり方が増えていくことで、都市における屋外パブリックスペースのありかたは大きく変わるのではないかと期待させるものである。

担当審査委員| 仲 俊治   小見 康夫   手塚 由比   栃澤 麻利  

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