GOOD DESIGN AWARD

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特別賞
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CC

2017

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
地域産業の協働モデル [天竜材を使用した木製杭による地盤改良工法]
事業主体名
幸和ハウジング株式会社
分類
ビジネスモデル
受賞企業
幸和ハウジング株式会社 (静岡県)
受賞番号
17G151281
受賞概要
2017年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

足場や土留めに活用されていた小径材は燃料用途しかなく山の経済は切迫する。一方遠州は地盤が弱い為地盤改良率は高く、支持層が深い為改良工法は限られる。そこで天竜の森の未活用材で住宅用木製杭を地元企業が集まり開発した。木杭は古来からあり今も土留工事に活用される。但し杉故に防腐処理を施す必要はある。柱状改良にある産廃や土壌汚染もなく、地下水脈中でも施工が可能なため遠州の地盤に適している。コストは柱状改良の2割安を実現。圧入工法により騒音はなく、液状化に抗する可能性も高まる。将来の建替時の撤去も容易である。地域の企業が製造や施工を担い地域の山の問題の解決と地域の暮らしを守る。地域が活性化する工法である。

プロデューサー

代表取締役 淺岡則彦

ディレクター

幸和ハウジング株式会社+株式会社フジイチ+兼松サステック株式会社

デザイナー

開発プロジェクトチーム(伊藤直弥・柴田久美子)

利用開始
2017年3月
価格

565,000円/式

販売地域

日本国内向け

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

遠州の未活用資源を使い、地元会社が製造・施工し、遠州に住む人々の暮らしを守る遠州に適した地盤改良工法

背景

過去建築土木足場や土留杭で活用されてきた樹木上部の3番玉4番玉や小径間伐材は現在バイオマス燃料しか用途はなく、その価格は8千円/tしかならない。一方天竜川扇状地の遠州は地盤が弱く地盤改良率は50%に及ぶ。住宅用地盤改良には鉄管を杭として打つ鋼管杭 直径40cm程度の穴を深く掘りセメント固化剤で土を固める柱状改良 表層1m程度を鋤取り土とセメントを配合し表層を固める表層改良が主流であるが、軟弱層が地下深い浜松では表層改良はほとんどなく、支持層が深い事で鋼管杭が使用できない地域は多い。唯一柱状改良が残るが産廃処理や周辺土壌汚染など問題は残る。木製杭は過去から現在までビルや河川護岸工事に活用されている。水中に没した方が防腐上好ましい事で地下水脈が多い遠州の地には最適な工法である。古来からある木杭のポテンシャルを見直し、用途を失った天竜の山の資源を活用した遠州の地に適した地盤改良工法が開発できた。

デザイナーの想い

新築計画は地盤に強度が有る事を前提に進められ、契約後に地盤調査が行われる。地盤改良の発生比率は50%に及び100万円以上の予算変更を余儀なくされ、理想の家の一部を諦めざるを得なくなる。地盤改良は資金負担だけでなく植物の育成に不適な庭や有害物質の懸念等の心配事は多い。地中深くから地表まで硬く固まった改良土壌は次世代の住宅建設の阻害ともなる。地盤改良はまだまだ解決すべき問題が多い。森林と市街地が同一の市内にあり、その暮らしが密着している遠州に於いて、地域の重要な産業である林業が抱える様々な問題点と、下流域に暮らす人々が抱える地盤の問題点を、地域の誇る木材資源で解決する工法が出来れば双方の幸せは実現し永続的な解決策となりえる。この山に放置される木材資源を里の地盤に打ち込む仕組は将来に亘る地域の幸せの礎となる。家の耐久性能を遥かに超えた未来にはこの山からきた木杭は謙虚にもまた遠州の土に戻っていく。

仕様

直径120mm~140mm

どこで購入できるか、
どこで見られるか

幸和ハウジング株式会社支店 営業所

審査委員の評価

経済価値を作りにくい小径間伐材の課題、浜松地域の地盤特性の弱みを組み合わせ、木杭という用途のアイデアと樹脂含浸技術の工夫によって優れたビジネスモデルとなっている。木杭は地中では劣化が少ない、汚染の心配がない、セメントと異なり引き抜きが可能などの強みが合致して、複数の課題を同時に解決し、その先に地域の活性化を起こした成果はレベルが高い。良い仕組みのデザインは、複数の独立した問題をアイデアで繋ぎ合わせ、それぞれの問題の強みが弱みの要素を保管し合うことでWin-Winの関係に変化する。Win-Winが循環するサイクルであれば大きな解決を生む仕組みとなり、クリエイティブなデザインが施された典型となる。その際、弱みを強みに変わるように適正な技術を採用することが、強いシステムの鍵となる。幸和ハウジングと地域の取組は、まさにその好例といえる。

担当審査委員| 廣田 尚子   青山 和浩   小林 茂   ナカムラ ケンタ   林 千晶  

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