GOOD DESIGN AWARD

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CC

2017

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
実験研究室のリノベーション [ラボラトリーHi2]
事業主体名
東京大学大学院理学系研究科物理有機化学磯部研究室
分類
店舗内装設計・インテリア・公共空間
受賞企業
株式会社建築築事務所 (東京都)
東京大学大学院理学系研究科物理有機化学磯部研究室 (東京都)
受賞番号
17G121135
受賞概要
2017年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

有機化合物を扱う実験研究室では巨大な『局所排気装置』が必要なのだが、不透明なそれと膨大な機器の配置を整理できず、薄暗く機器で溢れた環境が一般的な実験研究室だ。理想的な安心安全な実験環境は、局所排気装置、実験台、分析機器が視覚的にも動線的にもシームレスにつながることだ。今回の設計では実験研究室の肝となる局所排気装置から設計に着手。性能だけでなく労働基準監督署への様々な手続きも含め視認性90%以上の排気装置を実現した。照明は光天井を採用し、光天井内に排気ダクトや空調設備を設計。局所排気装置、実験台、分析機器専用の棚を視線的にも動線的にもシームレスにつなぐことが実現できた実験研究室である。

プロデューサー

東京大学大学院 理学系研究科 教授 磯部寛之

ディレクター

株式会社建築築事務所 望月公紀、市川竜吾

デザイナー

株式会社建築築事務所 望月公紀、市川竜吾

詳細情報

http://archichi.jp

利用開始
2016年12月1日
販売地域

国内・海外共通仕様

設置場所

東京大学化学西館5F

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

局所排気装置、実験台、分析機器の棚とを視覚的動線的にシームレスに繋げた理想的な実験環境を実現した設計

背景

実験研究室が抱える大きな問題は2つある。1つは、既存建物の構造にある。設備の重荷に耐えるために「土間」であることが多く、床下に配線配管できない。そのため天井から無作為に垂れ下がる配線や配管が、場当たり的に置かれた複雑な機器を取り巻いて空間を圧迫し、決して快適な環境とは言えないのが現状だ。もう一つの問題が、研究者と実験目的を共有し、その達成のために高度に専門化した最先端研究を理解しコミュニュケーションを図り、最適な空間を提案できる建築家がいないことであり、結局は建築の専門ではない研究者自らが研究環境をつくっているのが現状である。そこで、設計者がかつて化学研究に携わっていた経験を活かし、一歩踏み込んだ密な情報交換を研究者と行うところから設計を始め、構造および設備が凝縮された天井伏と設置される実験機器とを、研究内容を考慮しながらシンプルな建築的手法でつなぐ方法を模索することが始まった。

デザイナーの想い

多くの研究者の意識は、実験機器に対する意識は高いが、実験研究空間への意識が低いのが現状である。研究者は一日の大半を実験研究室で過ごす。それゆえ、こういった実験研究空間を一つでも多く実現することで、研究者の社会に広く実験研究室を設計するという文化が広まり、新たな日本発のイノベーションが生まれることに微力ながら貢献できることを願っている。

仕様

5F実験研究室_343m2

どこで購入できるか、
どこで見られるか

東京大学化学西館5F
建築築事務所

審査委員の評価

有機化合物を扱う実験研究室の提案である。薄暗い中で機器が床に散乱し、ドラフトチャンバーが無造作に天井を這い回るいわゆる研究室のイメージが一新されたデザインである。空気環境や光環境を一から見直し、局所排気装置、光天井、実験台、分析機器専用の棚を視線的にも動線的にも整理した画期的な空間である。昨今大学では、学生の事故が頻発しており、その防止という観点からもこの成果は高く評価される。

担当審査委員| 五十嵐 太郎   浅子 佳英   遠山 正道   星野 裕司   安田 幸一  

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