GOOD DESIGN AWARD

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CC

2017

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
永代墓 [長徳寺永代墓「ハクラ」]
事業主体名
真宗大谷派 松霊山 長徳寺
分類
公共用の建築・施設
受賞企業
真宗大谷派 松霊山 長徳寺 (新潟県)
吉原写真館 (新潟県)
東京藝術大学美術学部建築科ヨコミゾマコト研究室 (東京都)
受賞番号
17G121094
受賞概要
2017年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

新潟県新発田市、真宗大谷派松霊山長徳寺の境内につくられた永代墓。長徳寺は天正13年(1585)に開山され、新発田城からまっすぐ延びる小路の終端に位置する。境内の中心部に位置する白勢家の墓碑と駐車場の間にできた細長い隙間を計画地として選定した。永代墓は参拝室/納骨室/安置室の3室で構成されている。境内に開いた参拝室は細長く先のすぼまった形状をしており、モニュメンタルな形態の墓とは異なる無限遠の弔いの空間をつくり出している。

ディレクター

吉原悠博

デザイナー

ヨコミゾマコト、坂東幸輔、冨永美保、小林良平、小林明澄、原田健介、田坂創一、杉山由香

(左上から)ヨコミゾマコト、坂東幸輔、冨永美保、小林良平、小林明澄、原田健介、田坂創一、杉山由香

詳細情報

http://eitai.jp

利用開始
2015年8月30日
販売地域

日本国内向け

設置場所

新潟県新発田市大栄町2-7-22

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

スケールレス、ディティールレス、マテリアルレスによる深遠なる無限性の表現

背景

内部空間は仏教の基本的な考えである「空」から着想を得ている。「空」とは、実体性を欠いていることを意味している。すべてのものは無常であり、縁起つまり関係性によってのみ存在するとしている。「実」としてのモニュメンタルな墓碑ではなく、白く抽象的な空間の中に身を置いて故人を偲ぶことで、実体のない心、参拝者と故人の縁、参拝者自身の存在そのものに素直に向き合うことができる空間体験を伴う永代墓を実現している。外観は、参道からみると永代墓自体が背後の住居や駐車場を隠し、白勢家の墓碑の背景(ホリゾント)となるよう、幅や高さを細かく調整している。外部仕上げは、境内の歴史的な建造物との調和に配慮し、コンクリート打ち放しの上、パテ摺りフッ素樹脂塗装クリアとし、あたかも昔からそこに建っていたかのような素材感を醸し出している。

デザイナーの想い

抽象性の高い内部空間とするために、スケールレス、ディティールレス、マテリアルレスにこだわった計画としている。上空から見ると、細長い二等辺三角形のボリュームが並置されている。一方に参拝室と納骨室、もう一方が安置室である。参拝室、納骨室からなるボリュームの入口は小路に向いて開いており、正面から見ると、奥に行くほど幅も高さも狭まっていくパースペクティブを強調した空間としている。参拝室、納骨室は強化ガラス1枚で仕切られることで、内外の空間を連続させている。内部の最奧部は丸みを帯びた形状とし、輪郭をぼかすことで空間の終端をわからなくするとともに、床、壁、天井は全て白塗装とし、抽象的で深遠な無限性を表現している。可能な限り薄くした参拝室入口の壁の小口や、パラペットを無くし躯体防水とした屋根など、建築として現れてしまう具体性を最小限に抑え、境内における永代墓自体の存在も、抽象的なものとなるよう心がけた。

仕様

建築面積25.59m²、階数:地上1階、構造:鉄筋コンクリート造、主要仕上材:コンクリート打ち放しの上、パテ摺りフッ素樹脂塗装クリア

どこで購入できるか、
どこで見られるか

新潟県新発市大栄町2-7-22
長徳寺永代墓「ハクラ」ウェブサイト
東京藝術大学建築科環境設計第2研究室ウェブサイト
東京藝術大学美術学部建築科 大学院美術研究科建築専攻ウェブサイト

審査委員の評価

地方都市の寺の境内につくられた永代墓である。墓碑と駐車場を隔てるようなコンクリート塀のような佇まいのシンプルな箱の中に「無限遠の弔いの空間」が内包されている。参拝室でのパースペクティブを強調し極度に抽象性の高い空間では、奥の細く狭まったところで部屋のコーナーを丸くすることによって消点をなくしており、参拝する人が心の中で無限の空間に入り込み、タイムスリップして故人と出会う姿を想定している。

担当審査委員| 五十嵐 太郎   浅子 佳英   遠山 正道   星野 裕司   安田 幸一  

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