GOOD DESIGN AWARD

閉じる
キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2017

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
障がい者福祉施設 [熱海ふれあい作業所]
事業主体名
NPO法人熱海ふれあい作業所
分類
公共用の建築・施設
受賞企業
NPO法人熱海ふれあい作業所 (静岡県)
MNoKa Architects (神奈川県)
株式会社宮田構造設計事務所 (東京都)
受賞番号
17G121091
受賞概要
2017年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

障がい者福祉施設は閉鎖的な印象で内部の活動が想像しづらい現状がある。かつての「措置を行うために必要とされている機能」を単に配置するような施設的なつくられかたに原因があるのではないか。現状の支援サービスの中心にある「食」をテーマに意図を明確にし、つくりなおす。提供しやすい本格的な厨房カウンター、熱海の景観の一部にいるような気持ちよく食すための吹抜けや大きな窓。自然をダイナミックに感じる展望カフェのように改修した。日本全国のプレハブ箱もの施設をカスタマイズすることへの可能性を感じつつ、つくりながら「ひらく」ための取組みを仕掛け、NPO法人にとって改修工事という大勝負を最大化する事を目的としている。

プロデューサー

NPO法人熱海ふれあい作業所 荻沢洋子

ディレクター

MNoKa Architects 牧野宏一

デザイナー

MNoKa Architects 牧野宏一

詳細情報

http://atamifureai.com

利用開始
2016年11月27日
設置場所

静岡県熱海市網代529-84

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

閉鎖的な印象の障がい者施設を展望カフェのようにつくりなおす【プレハブをカスタマイズする】

背景

敷地は熱海らしい海と山の風景に囲まれている。障がい者施設を取巻く法律が改正されたこと、利用者が増えたこともあって既存の建物と使い方が大きくすれ違っていた。身体・知的・精神の3障がいを受け入れる施設でありながら、主要な更衣と食堂の機能は現場仮設事務所のような施設の2階にあり、危険で使いづらかった。35人分の調理スペースは4帖程。ミニキッチンには寸胴が転んでしまいそうな置型のコンロが並んでいた。積載荷重の増加により床の揺れを不快に感じたり、エアコンは壊れて断熱も効いてない感じがあった。しかし、漁港から大きな魚をもらったり、地元の新鮮な野菜を頂くことが日常で、食材はとても豊かだった。まともに3食摂れない家庭環境であったり、暑くて寒い外での作業があるからこそ利用者はここでの「食」をたのしみとしサービスの根幹をなしていた。「食」することの快適性と、きちんとしたサービス提供が可能な建物が望まれていた。

デザイナーの想い

閉鎖的な印象の施設を刷新するため、できるだけ展望カフェのスペースが建物を専有するように改修している。「食」のための机と椅子が事務スペースになったり、更衣室や相談室を出来る限り薄く設計している。箱型プレハブに対し、水平・垂直方向に大きく開口部を設けており、吹抜けは、外階段を内部階段とすること、引算の手法による耐震化を図っている。窓からは立体的に海や山の風景を展望でき、周囲のゆったりとした景色を取り込んでいる。また、現場で手加工の可能な木部材で既存軽量鉄骨を補強したり、ユニットパネルを横断する大きな開口部、耐候性、止水性を向上させるために、既存外壁パネルの上からルーフィングや外壁を追加施工しており、ローコストの範疇でプレハブの性能を補完するためのカスタマイズを行っている。日本全国に同様なプレハブ施設は非常にたくさん存在しているが、今回の取り組みがひとつの参考事例となる事を期待する。

仕様

敷地面積:1254.14㎡ 建築面積:243.29㎡ 延床面積:347.32㎡ 構造:軽量鉄骨造/メーカープレハブ工法の改修工事 階数:2階建て

どこで購入できるか、
どこで見られるか

静岡県熱海市網代529-84
ふれあいラジオ 雨上がりのにじ
熱海ふれあい作業所ブログ R135からのけしき

審査委員の評価

プレハブのリノベーションである。食を中心に空間を再編しながら、閉鎖的な現場事務所のような障害者の作業所を展望カフェ的な場に変容させたものだ。外階段しかなかった施設に対し、吹き抜けをもうけることで、内部に安全な階段を導入しつつ、空間を明るくし、同時に耐震性を高めている。すなわち、特殊施設の実験的なデザインというよりも、どこにでもあるプレハブ建築ゆえに、こうした操作は汎用性をもち、高く評価される。

担当審査委員| 五十嵐 太郎   浅子 佳英   遠山 正道   星野 裕司   安田 幸一  

ページトップへ