GOOD DESIGN AWARD

閉じる
キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2017

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
図書館・ギャラリー [市立米沢図書館・よねざわ市民ギャラリー]
事業主体名
米沢市
分類
公共用の建築・施設
受賞企業
株式会社山下設計 (東京都)
受賞番号
17G121067
受賞概要
2017年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

図書館とギャラリーという文化の力を、中心市街地の活性化へ活かす試みである。豪雪地帯であり小スケールの中心市街地といった敷地特性を、デザインの与条件として取り込み、街の広場という特性を持つ新たな図書館の在り方を、同心円状の空間構成の中に結実させた。 静かな場=図書館を2階へ、開かれた場=ギャラリーを1階へ配置し、街との繋がりを確保した。また、同心円状に配置した壁柱が、「プライベート⇔広場」「開⇔閉」といった階層性を生み出し、階段状の断面構成が、本と光に包まれた「本の広場」を実現する。そして、壁柱の外側を100mm厚の木パネルで包みこみ、雪景色の中でも、明るく暖かい広場のような図書館を実現した。

ディレクター

安田俊也

デザイナー

安田俊也、赤澤大介

詳細情報

http://www.library.yonezawa.yamagata.jp/naseba/

利用開始
2016年7月1日
設置場所

山形県米沢市

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

「本の広場」を中心に据えた同心円状の空間構成が、人・歴史・街をつなぎ、未来を拓く

背景

中心市街地の空洞化と再生、これは地方都市共通の課題である。市は図書館・ギャラリーという文化の力で中心部の再生を図る方法を選択した。 市には上杉藩以来、学問を街づくりの中心に据えてきた伝統がある。図書館には蔵書30万冊の中に藩伝来の貴重資料も約3万点含まれる。市民の創作意欲は旺盛で敷地周辺には、まちなかギャラリーという小規模な展示空間が点在する。 つまり、本施設が完成する前から、見えない図書館+ギャラリーは街中に存在していた。それは、地域の歴史・文化を守り育てる場であるという図書館の本質的意味と繋がり合う。「本の広場」を中心に据えた同心円状の空間構成が生れた背景である。 長い歴史の中で蒐集された資料が地層の様に堆積する「本の広場」は、全てが雪に覆われた長く厳しい冬でも、人々が集い交流できる広場である。この様な空間が街の中心にあることで、人・歴史・街をつなぎ、未来を拓きたいと考えた。

デザイナーの想い

「本の広場」は縦横27m、高13m、4層にわたり本に囲まれた空間だ。内部をRC打放しとしたのは蓄熱体として利用する為である。溜めた熱を守る為に厚100mmの杉材で外断熱を施した。高い窓は降り積もった雪の上から自然光を空間の中心まで導く。これらは深く雪に閉ざされた季節に、雪道をわざわざ通うだけの求心力と、ゆっくりと過ごすことのできる快適さを持った図書館を実現したいという思いを形にした結果である。高い天井には閲覧室に広場的な開放感を与え、通常図書館ではあまり重視されない交流の場としての性格を付与する狙いもある。階段状の断面形状はさらに幾つかの与条件を複合的に検討した結果だ。内部空間に多様な読書環境を生み出すこと、周囲に残る小スケールの街並みとの調和、屋根に積もった積雪の落下のリスク低減、積雪時でも可能な自然光の導入などだ。同時に木の外装と組合せて雪国ならではのデザインを模索した結果でもある。

仕様

Total floor area  6,193.27㎡

審査委員の評価

街並みに対しては道路側の高さを抑え、威圧感を与えないよう配慮しているが、内部に入り、二階に上がると、閉架図書も見せることで、約14mの本棚の壁に囲まれたキューブ状の部屋が出迎える。思わず天井を見上げる、迫力をもった建物の中心部だ。これは知を可視化するシンボリックな空間である。なお、一階はフレキシブルに可動壁を設置できる市民のためのギャラリーとし、高い稼働率で活用されていることも特筆される。

担当審査委員| 五十嵐 太郎   浅子 佳英   遠山 正道   星野 裕司   安田 幸一  

ページトップへ