受賞ギャラリー
2017
グッドデザイン賞
分譲住宅
富山市愛宕町の住宅 ー共働き世帯のための2つの住まいー
受賞対象の詳細
応募対象は富山市中心部に程近い住宅地に建つ2棟の分譲住宅である。この2棟の住宅は、仕事と子育てを両立する共働き世帯の入居を想定した分譲住宅として計画した。北側A号地はテレワーカー(在宅勤務)を想定した住宅で1階に広いワークスペースを備えている。南側B号地はオンサイトワーカー(職場勤務)を想定した住宅である。共働き世帯を想定していることから、両住宅とも一般的な住宅に比べ、家族間のつながりが強く感じられるよう計画した。スキップフロアの空間構成により、上下階のつながりを意識した変化に富むプランニングを心がけ、住人が家族同士の繋がりを認識できる、住居全体が立体ワンルームのような住まいとなっている。
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プロデューサー
正栄産業株式会社 代表取締役 森藤 正浩
ディレクター
有限会社ランドサット 代表取締役 安田 利宏
デザイナー
有限会社ランドサット 代表取締役 安田 利宏

有限会社ランドサット 安田利宏
詳細情報
利用開始
2017/06
価格
4,000万円 〜 5,000万円 (A号地:5000万/B号地:4000万(土地+建物))
販売地域
国内
設置場所
富山市愛宕町
背景
政府の掲げる「一億総活躍社会の実現」の中心である「個人の自立性・主体性を尊重した多様な働き方の促進」は、少子高齢化が進行する日本において大変重要な政策である。特に地方都市では少子高齢化や人口減少が顕著であり、その対策は待った無しの状況だ。従来の共働きが多い県民性に加え、平成19年より「ワーク・ライフ・バランスに配慮した柔軟で多様な働き方」が富山県で促進されていることが、本計画を実現する上での土壌となっている。本事業者の正栄産業株式会社は、富山を商圏としている創業20年の住宅ビルダーである。今まで多くの企画住宅を提案する中で、「富山本来の住まい」を長年模索してきた。共働き世帯に特化した住宅の実現は、他社との差別化が図れるということに加え、地方都市・富山で長年活動してきた本事業者が、日本の社会問題を反映した本企画住宅の全国的に普及させる足がかりとなる。
経緯とその成果
[個人の居場所]と[家族のつながり]をもつ、共働き家族のための2種類の住まい
デザイナーの想い
「共働き世帯の住まい」の実現のため、住居全体をワンルームに近い構成とした。両住宅には、4層のスキップフロアで構成される上下階の繋がりがあり、家族同士の気配が常に感じられる。また、扉のないオープンな収納を設け、収納物の視認性を確保し、スムーズな収納環境を整えた。テレワーカー(在宅勤務)を想定したA号地は、地域との繋がりが強い敷地角近くにワークスペースを設け、2階にはリビングを核とする回遊性のある居住部分をレイアウトした。仕事場と生活の場に対する、繋がり(スキップフロアによる)と分節(階層分離)をバランスよく両立させている。オンサイトワーカー(職場勤務)を想定したB号地は、キッチンとリビングにレベル差を付けながら直線上に配し、視線の繋がりと変化のある空間性を生み出した。共働きで家族が共有する時間が少なくなる中、家事をしながらでも家族間の交流が育まれるよう配慮した。
仕様
地上2階建/木造/分譲住宅(2棟)/建築面積 A号地:82.4㎡,B号地:69.2㎡/延床面積 A号地:145.3㎡,B号地:117.6㎡
どこで購入できるか、
どこで見られるか
正栄産業株式会社
※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。
審査委員の評価
担当の審査委員
手塚 由比千葉 学栃澤 麻利Gary ChangShu-Chang Kung
評価コメント
近年の働き方の変化、家族像の変化などに呼応して、在宅勤務や職場勤務のための住宅を提案した分譲住宅である。従来の分譲住宅は、最大公約数とも言える標準的なプランばかりが提供されていたが、そのような状況を打破しようという野心的な提案で、分譲住宅の世界に大きな刺激を与えることが期待できる。またスキップフロアーによる豊かな空間のつながりや分節も画期的である。このような魅力的かつ現代的な住宅は、地域の活力にもなりうるだろう。
