GOOD DESIGN AWARD

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CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
再生可能エネルギーの利活用 [離島発 風と水素による 循環型社会構築実証プロジェクト]
事業主体名
戸田建設株式会社
分類
社会基盤システム/インフラストラクチャー
受賞企業
株式会社エトルデザイン (東京都)
受賞番号
16G141113
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

長崎県五島市にある椛島。本プロジェクトは、2010年よりこの離島を舞台とした環境省による浮体式洋上風力発電の実証事業において取り組んだものです。現場を牽引したのは戸田建設を中心とした企業グループ。様々な分野の専門家が結集し、日本初となる浮体式洋上風力発電施設を設置。島が必要とする電力を供給することに成功しました。言うなれば再生可能エネルギーの地産地消。さらに余剰電力を使いきるべく、水素を製造し貯蔵。それを燃料とする水素燃料電池船を開発。「海の風」から生まれた「電気」によって地域に電力を供給し、生活の源である船に「水素燃料」を提供するというエネルギー循環型社会のシステムをつくりあげました。

プロデューサー

戸田建設株式会社 価値創造推進室エネルギーユニット部長 佐藤郁

ディレクター

九州大学+海洋エンジニアリング株式会社+(国研)海上技術安全研究所+長崎総合科学大学+(一財)日本海事協会+株式会社日立製作所+岩谷産業株式会社+ヤマハ発動機株式会社+株式会社フラットフィールド

デザイナー

株式会社エトルデザイン 代表取締役 高山正樹、取締役 岡由実子

詳細情報

http://www.city.goto.nagasaki.jp/contents/special/index039.php

利用開始
2015年8月
販売地域

日本国内向け

設置場所

長崎県五島市

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

見て伝わる。離島発の風と水素による循環型社会構築。再生可能エネルギーを使い切るエネルギーの地産地消。

背景

海洋国家である日本。地球温暖化対策として再生可能エネルギーの普及が急がれている現在、荒天に強く水深の深い場所でも設置できる浮体式洋上風力発電に大きな期待が寄せられています。離島のエネルギーを風車一基でまかなった上で、海と風によって生まれた電気エネルギーを海に恩返しできるよう、水素製造プラント、燃料電池船を開発。再生可能エネルギーによる離島発の循環型社会の見本となるシステムを目指しました。

デザイナーの想い

プロジェクトの総体をひとつのデザインとして、海で生み出したものを海で役立てる「海への恩返し」の思いがあります。大切な漁場でもある海上に巨大な風車を設置できたのは島の人々の協力があったからこそ。水素燃料電池船の製造もその想いから端を発しています。風車につけた「はえんかぜ」という名は地元の言葉で「南東の風」「幸せを運ぶ風」という意味を持っています。私たちはその風がやがて世界中に届くことを夢見ています。

企画・開発の意義

事業としての特徴は、離島を舞台として選んでいながら、将来的には日本全体、世界全体で利用できる循環型社会のシステムを構築したこと。類似の実証事業と異なるのは、発電した電力をすべて無駄なく使っている点です。余剰電力は、燃やしても二酸化炭素を排出しない水素の製造に使用。自然の力を利用して、完全にクリーンな地球に優しいエネルギーを生産しています。

創意工夫

複雑な技術とシステムの全体像を、島の人々や見学に訪れる人々にいかにわかりやすく視覚化してデザインするか。風車の模型や古民家を改装したインフォメーションセンター(Kaba Cafe)では、風車そのものを表現することを意図し、水素製造プラントや燃料電池船では、離島の海と山の中で「見て伝わるデザイン」、システムの視覚化と伝達を重視してデザインしました。水素コンテナユニットは、法的離隔距離を確保した上で見学しやすい配置を計画。各ユニットには担当した企業のロゴとともに水素を表わす色である「赤」と五島椿の「紅白」をイメージしたカラーリングを施し、海上からも一目でわかる視認性の良いデザインとしました。燃料電池船は、漁船型のヤマハFG-40HPをベースに建造。外観デザインは、水素の「赤」をモチーフにレースカーのように海上を勢いよく走る姿を表現。誰もが「水素の船」とわかるようなデザインを心がけました。

仕様

環境省による浮体式洋上風力発電実証事業において、最大出力2000kWの風車によって発電した電力のうち、隣接する椛島で使い切れない分を余剰電力として利用し、コンテナ型小型プラントで水素を製造・貯蔵し、運搬して利活用するシステムおよび、圧縮した水素を充填して動く日本初の小型燃料電池船を開発、離島海域で運航するしくみをつくりあげ、再生可能エネルギーを地産地消するシステムを構築した。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

長崎県五島市
長崎県五島市公式サイト まるごとう はえんかぜ 〜幸せエネルギー〜

審査委員の評価

日本の海洋地形にあった浮体式風力で離島の電力を全てまかない、さらに余った電気で水素を作り、その水素で燃料電池船を運航するなど、無駄なく美しい循環型のシステムデザインが実現している。環境負荷の少ないエネルギーシステムを、未来の夢としてではなく、技術革新と併せ、ビジネスとして可視化している点も評価された。

担当審査委員| 青山 和浩   上田 壮一   ナカムラ ケンタ   閑歳 孝子  

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