GOOD DESIGN AWARD

キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン特別賞[地域づくり]

受賞対象名
入居者向け食堂サービス [トーコーキッチン]
事業主体名
有限会社東郊住宅社
分類
ソフトウェア・サービス・システム/インターフェイス
受賞企業
有限会社東郊住宅社 (神奈川県)
受賞番号
16G131078
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

トーコーキッチンは、東郊住宅社が淵野辺駅周辺で管理する1600室の賃貸物件で採用しているカードキーでのみ開くドアが設置された食堂で、カードキー所有者(管理物件入居者・管理物件オーナー・協力関係会社・当社社員)とその同行者が利用対象となる「入居者向け食堂」である。入居者サービスの一環として自社で運営し、入居者に利便性と健康的な食生活を提供することを第一の目的とする。メニューは朝食100円、昼食・夕食500円の手づくり日替わり定食を中心に、いずれもリーズナブルな価格に設定。地場食品の採用、近隣商店からの仕入れ、入居者の雇用、畑を持つ物件オーナーから寄せられる旬の味覚のお裾分けなども可能な限り行う。

プロデューサー

有限会社東郊住宅社 池田峰

ディレクター

有限会社東郊住宅社 池田峰

デザイナー

有限会社東郊住宅社 池田峰+特定非営利活動法人モクチン企画 連勇太朗、川瀬英嗣

有限会社東郊住宅社 池田峰

詳細情報

http://www.fuchinobe-chintai.jp/toko_kitchen.html

利用開始
2015年12月27日
設置場所

神奈川県相模原市中央区淵野辺3-6-5 デュオスタジオ1F

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

「カードキー」と「食」を媒介に、入居者とアナログ的にもっと深くもっと密に関わるコミュニケーション媒体

背景

近年、大学進学に伴う部屋探しの際に、食事付き学生マンションを検討する男子学生家族の増加傾向が見られた。その背景を「少子化と不景気による希望条件の変化」「安全面だけでなく、食事面での安心確保への需要」と分析し、一般賃貸物件への入居促進に結びつく本質的な対策の必要性を感じた。そのキーワードは「食」であり、それは同様に近年増加傾向にあるシングルマザーや単身高齢の入居者へも有効な訴求要素となると発想した。

デザイナーの想い

追求したのは「東郊住宅社の管理姿勢の具現化」であり、得たいのは「より多くの東郊住宅社ファン」です。当社管理姿勢を誰よりも雄弁に語るこの食堂で人生の一コマを共有させてもらい、いつの日か「淵野辺に住んでよかった」「昔、淵野辺に住んでいたときに、こんな食堂あってね」と愛着を持って振り返ってもらえたらうれしいです。これからも琴線に触れる、アナログのざらざらなコミュニケーションを大切にしていきたく思います。

企画・開発の意義

一般的に、契約後は接触機会を持たない傾向が見られる入居者と不動産屋の関係だが、入居者に安心・安全・快適な賃貸生活を継続して送ってもらうためには、日常的なコミュニケーションが重要と考える。そこで、「契約してからがお付き合いの始まり」という当社管理姿勢の具現化および「淵野辺での賃貸生活は楽しい」「コミュニケーションをとると一層楽しくなる」という価値を提案・提供すべく、入居者向け食堂サービスを開始した。

創意工夫

管理物件入居者という有限の市場、利用者が得る特別感と連帯感、店の雰囲気、意匠、収支、入居促進、広告宣伝効果、まちとのつながり方などの観点から、「利用対象者の範囲」「食事の料金」が重要素であると考え、利用対象者はカードキー所有者とその同行者に制限し、料金は一人暮らしの大学生の1日の可処分金額を参考に設定した。ただし、利用者の制限に関しては特例を設け、カードキーを持たない一般者も初回は入店可能とし、「次回からはまちで東郊住宅社のカードキーを持っている人を探して、一緒に来てくださいね。同行者ならば、何人でも何回でも利用可能ですから」と案内する。また、「入居者×不動産会社社員」としてではなく、「一人の人間×一人の人間」として関係を深めるためのコミュニケーション媒体としての活用を期待し、社員は食事無料とした。さらに、店内ではスタッフが利用者となるべく多くの接点を持てるようなオペレーションを採用した。

仕様

入居者サービス:無形 食堂:鉄筋コンクリート造5階建1階部分店舗(61.5㎡/18.6坪)を賃貸

どこで購入できるか、
どこで見られるか

神奈川県相模原市中央区淵野辺3-6-5 デュオスタジオ1F トーコーキッチン
トーコーキッチン(Facebook)
トーコーキッチン(Twitter)
東郊住宅社ウェブサイト

審査委員の評価

「トーコーキッチン」はコミュニティ形成の観点から、他のユニットの審査員からも高く評価された。一社が管理する異なる賃貸物件同士をつなぐ入居者専用の食堂というアイデアは、物件の商業的価値を高めるだけではなく、機会がなければ疎遠になりがちな現代の集合住宅の生活者に対してコミュニティ意識を持ち、コミュニケーションを取るきっかけを与えるという公共的な価値も認められる。今後の集合住宅デザインの一つの型を提供するのではないだろうか。

担当審査委員| 鹿野 護   石戸 奈々子   ドミニク・チェン   マシュー・フォレスト  

ページトップへ