GOOD DESIGN AWARD

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CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
携帯電話サービス [mineo「フリータンク」]
事業主体名
株式会社ケイ・オプティコム
分類
ソフトウェア・サービス・システム/インターフェイス
受賞企業
株式会社ケイ・オプティコム (大阪府)
受賞番号
16G131064
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

MVNO事業者mineoの「フリータンク」とは、ユーザー全員が利用できる言わばパケットの貯蔵庫。そこに貯まったパケットは、ユーザー全員の共有財産として自由にやりとりができる画期的なサービスです。例えば、その月にパケットが余りそうな人はフリータンクにパケットを入れ、逆に足りそうにない人はフリータンクからパケットを引き出せます。その際、自分の気持ちをコメントとして残すコミュニケーティブなアーキテクチャになっています。見ず知らずのmineoユーザー同士がいつのまにか助け合う仲間になる。ユーザーの善意を信じ、ひと昔前は当たり前だった互助の精神を、MVNOサービスの中で実現するデザインです。

プロデューサー

株式会社ケイ・オプティコム モバイル事業戦略グループ 津田和佳、森隆規、高橋裕樹、酒井将弘

ディレクター

株式会社電通 堀内弘誓、石原知一、野上亮、金木竜太郎、前川赳和、植田亘

デザイナー

株式会社電通 堀内弘誓

詳細情報

https://king.mineo.jp/freetank/about

利用開始
2015年12月17日
価格

0円 (mineoユーザーであれば無料で利用できます。)

販売地域

日本国内向け

仕様

・全mineoユーザーがフリータンクにパケットを出し入れして共有でき、助け合える。 ・利用は無料で、マイネ王のメンバー登録とmineoアカウントとの連携が必要。 ・入れるのは、10MB単位、いつでも、回数や容量の制限なし、コメント任意。 ・引き出しは、10MB単位、毎月21日~末日、毎月2回まで、合計1,000MBまで、コメント必須。 ・マイネ王の「フリータンクの履歴」で利用履歴を共有。

受賞対象の詳細

背景

近年、日本ではMVNOが乱立し、その競争はますます激化しています。価格競争が進む一方で、サービスの差別化は困難になりました。またブランドへの愛着は持たれにくく、ユーザーを繋ぎとめ続けることが難しくなっています。そこでMVNO参入としては後発のmineoは、他者とは全く違うアプローチで、ユーザーからの愛着を得るためのイノベーティブなアイデアを実行しました。

デザインコンセプト

ユーザーの善意を信じ「ユーザーのパケットを共有財産化」し、ユーザー同士が助け合える環境をつくること。

企画・開発の意義

フリータンクによりユーザー同士が助け合いのコミュニケーションをとる事により、mineo共同体の感覚を持ってもらうこと。mineoブランドに深い愛着を持ってもらい、より良い事業に発展させる「仲間」になってもらうこと。

創意工夫

フリータンク開始に先駆け2015年1月に開設されたmineoのコミュニティサイト「マイネ王」では、ユーザーの声に真摯に耳を傾けコミュニケーションを重ね、地道に信頼関係を築いてきました。ユーザー同士の情報交換も盛んになり、困った時には助け合う互助のプラットホームとして成長。そうした土壌があってこそ「フリータンク」の成功があります。フリータンクでもパケットの出し入れを単に数字の増減で終わらせず「コミュニティのお世話になる」感覚を醸成するため、コメントを残すことを条件とするコミュニケーティブなアーキテクチャを採用。またフリータンク内パケット増減のみならずmineo全体のパケット総容量や、メンバー数、コメント数等mineoの活動全てをデータとして可視化する「マイネなう」コンテンツを設置し徹底した情報開示を行う環境を整備。ユーザーに向き合う姿勢を打ち出し信頼関係をより強固なものにしています。

デザイナーの想い

フリータンク内のパケットがすぐに枯渇する可能性もあったサービスですが、ユーザーの善意を信じサービスを開始したところ、パケットの「貯蓄」が日々増えていく、という想像を超えた現象が起きました。「お醤油が切れたらお隣さんに借りに行く」、ひと昔前は当たり前だった互助の精神をMVNOサービスの中でうまくデザインできたフリータンクは、シェアリングエコノミーの先駆けとなる事例であると考えます。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

mineoコミュニティサイト「マイネ王」
mineoコミュニティサイト「マイネ王」
フリータンク
フリータンクのようす

審査委員の評価

パケットをおすそわけするという日本的な共有文化に根付いたアイデアを一定以上のユーザー規模で実現している点が評価された。三大キャリアが市場を独占し、年々通信費が高騰していくというユーザーにとっては腹立たしい状況の中、MVNOを活用してユーザー同士が融通し合うという非合理的な贈与ネットワークに落とし込んでいる点は希望さえ感じさせる。一社会実験として終わらずにスケールさせる工夫が今後とも必要になると推測するが、過度に貢献ユーザーを持ち上げすぎず、同時に善意が応報を受けられるようにするという絶妙なチューニングに期待したい。

担当審査委員| 鹿野 護   石戸 奈々子   ドミニク・チェン   マシュー・フォレスト  

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