GOOD DESIGN AWARD

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CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
管理事務所 [所沢聖地霊園 管理事務所]
事業主体名
一般財団法人所沢聖地霊園
分類
公共用の建築・施設
受賞企業
一般財団法人所沢聖地霊園 (埼玉県)
株式会社日建設計 (東京都)
受賞番号
16G110966
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

所沢聖地霊園は武蔵野の豊かな自然を背景に、40年の歴史を持つ公園墓地である。広大で平坦な敷地は美しく整備され、開園当時からの“明るい静けさ”を保っている。 事務・休憩・礼拝の機能を併せ持つ管理棟は、今日まで増改築を繰り返してきたが、老朽・狭隘化に伴い場所を同じくして建替えることとなった。 ここでは管理機能の一部を2階に設け、残りを最大限平屋とすることで墓参者のバリアフリーと鐘楼堂の広場を確保しながら公園墓地の風景と調和する、地形のような建築とした。 また、中央部をクレヴァス(中庭)と洞窟(ピロティ)で削り取り、故人との対話の場へ向け心の支度を整えるより静かで象徴的なシークエンスとした。

プロデューサー

一般財団法人所沢聖地霊園 理事長 鈴木政彦

ディレクター

株式会社日建設計 設計部門 設計部 主管 浦俊弥

デザイナー

渡部環境設計事務所 渡部良平

浦俊弥 + 渡部良平

利用開始
2015年9月
販売地域

日本国内向け

設置場所

埼玉県所沢市北原町980

仕様

地上2階 鉄筋コンクリート造 延床面積1,361.57㎡ 霊園事務所・休憩所・食事室・礼拝堂 屋上緑化

受賞対象の詳細

背景

開園以来築40年を迎えた礼拝堂と管理事務所は老朽化・狭隘化が進んでいた。また「公園墓地」のコンセプト通り、お墓参りをより快適で身近な存在とする為にお客様の声を活かしたサービスの向上が急務であった。2013年にDocomomoに選定された池原義郎氏設計の「礼拝堂・納骨堂」は園のシンボルとして残すこととし、管理事務所を新しく建替えることとなった。

デザインコンセプト

公園墓地に融け込む地形のような建築。 地形の中央は静寂に包まれた “明るい静けさ”を持っている。

企画・開発の意義

所沢聖地霊園の歴史は日本の高度経済成長と共に始まる。開園40年の節目を迎え、時代は縮小化・情報化・共有化社会に転換し、量より質へと価値が移行する。「終活」のように家族と埋葬に対する考え方も変わり様々な埋葬の形が生まれつつある。一方でいつの時代も変わらない大切なものがある。所沢聖地霊園に残る「武蔵野の原風景」と「公園のような墓地」を、時代を超えて人々の記憶となる「墓」と共に継承することを考えた。

創意工夫

所沢聖地霊園には「武蔵野の原風景」と「公園のような墓地」の他、建築家池原義郎氏の設計による「礼拝堂・納骨堂」が開園時からのシンボルとして残っている。新しい管理事務所に必要とされた様々な機能を複合的に成り立たせつつも、「建築」然とすることなくこれらと一体となる「風景」となることを目指した。 具体的には、作り手(=設計・施工・生産)の都合で出来てしまうモヂュールや矩形といった形を出来るだけ排除すると同時に工業製品を極力見せないディテールとして「建築物」から遠ざけようとした。一方、40年前と変わらない職人の手加工が顕れる部分については「礼拝堂・納骨堂」のデザインヴォキャブラリーを記号的に引用しながら積極的に見せることで40年の時を超え風景として繋がっていくことを目指した。 上記の達成のために短工期の中で施工は困難を極めることになったが、施工者・職人の創意工夫により実現することが出来た。

デザイナーの想い

このプロジェクトにおいてはクライアントと共に並走しながら、近代が遺した物の価値と、未来に向けてこの場所に何が相応しいか、人々に何を提供するべきかを深く考える機会となった。 近代化を終えて成熟化する日本社会の中でクライアントの役割も大きく変わりつつあり、同時に建築家の求められる役割も変わってきていることに建築がより良い社会をつくる可能性の萌芽を感じている。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

埼玉県所沢市北原町980

審査委員の評価

霊園の管理棟である。可能な限り低層の建築とし、屋上緑化することで地形のような建築として風景に溶け込ませている。霊園は、自らの関係する墓だけでなく、他の墓も含めた死者の集う場であることが、家族の気持ちの癒しにとっても大切なことだが、管理棟はその中で現実に引き戻されてしまう場になりがちだ。その意味でも、このように建築を消してしまうという判断は的を得たものである。

担当審査委員| 千葉 学   中村 拓志   星野 裕司   Lee Siang Tai  

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