GOOD DESIGN AWARD

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CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
集合住宅(賃貸住宅・リノベーション) [D house 権現町]
事業主体名
大和船舶土地株式会社
分類
住宅・住空間
受賞企業
大和船舶土地株式会社 (兵庫県)
有限会社ランドサット (大阪府)
神戸芸術工科大学 プロジェクトチーム (兵庫県)
受賞番号
16G100893
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

計画地のある神戸市須磨区権現町地区は、神戸市中心部から電車で20分ほどの下町である。本計画は築35年の木造長屋全4住戸うちの空家3住戸のリノベーションである。敷地前面に、長屋の住人しか使わない奥が袋小路の細い路地があり、内部の空間が路地に連続するように再構成した。1階は間仕切や建具を撤去し路地とつながった開放的なフロアとし、逆に2階は和室の続き間を、壁で仕切り2つの個室とした。1階奥の採光を確保するために、2階の一部を透明な床としている。その床の開口部で上下階がつながることで、2階個室「個」から開放的な1階、そして路地へと「街」につながる現代の長屋を作り上げた。

プロデューサー

大和船舶土地 代表取締役 鈴木祐一

ディレクター

神戸芸術工科大学プロジェクトチーム(川北健雄、花田佳明)+有限会社ランドサット 代表取締役 安田利宏

デザイナー

有限会社ランドサット 代表取締役 安田利宏

有限会社ランドサット 代表取締役 安田利宏

詳細情報

http://www.daiwasenpaku.co.jp/

利用開始
2015年7月1日
販売地域

日本国内向け

設置場所

兵庫県神戸市須磨区権現町

仕様

木造(築約35年)地上2階建  全4住戸のうち3住戸を賃貸住宅へリノベーション。専有面積 TYPE.1:53.8m², TYPE.2:53.8m², TYPE.3:53.8m²

受賞対象の詳細

背景

計画地周辺地区は高齢化が進んでいる地域である。様々な面で現代の需要に即してない長屋の改装は、賃貸住宅の更新を行うと同時に若い世代の入居を促し、住人の世代更新も図れると考えた。また計画地前の路地空間を魅力ある場所に作り替えることで、内部改装を最小限にしコスト抑制を図りながら、全体としてローコストで魅力的なリノベーションになると考えた。

デザインコンセプト

個室のある2階から開放的な1階、路地空間を通じて街へつながる、建物内外をつなげた長屋のリノベーション

企画・開発の意義

路地の存在を再構築し住居改装にその要素を組込むことで、結果的に工事費の抑制を狙った改修事例である。住居の大胆な再構築を行わずとも、外部空間の小さな特質を取上げてうまく内外を繋げることで、良質な住空間の再生が実現した。下町の賃貸住宅は低所得者層の入居者が多く、家賃収入も抑えられ改修への投資が困難だ。本事例のように、耐震改修を伴った住居更新が低コストで可能となれば、賃貸住宅の再生がより進むと考える。

創意工夫

移動空間・居住者動線だった前面の路地を、住居の魅力を高める要素とすることから計画を始めた。改修前のフェンスを撤去した跡に作った低いベンチは住人交流の場となる。居住者はこの低い立上がりがあることで心理的安心感を得られると同時に、今までフェンス越しの存在だった風情ある石積擁壁を、借景として室内から楽しめる。住戸界壁箇所の高い塀は、路地と建物間の外部にも住空間領域を広げると同時に、住宅地内で奥まった建築のアクセントになる。2階の和室の続き間は個室化し、一方1階は建具を撤去して1室とし、外部へ繋がる大空間とした。改修前暗かった1階奥は、南側の2階床を開け、採光が確保できる明るい空間になった。耐震要素の木質パネルは現し仕上とし、仕上の新旧が混在した暖かみある内観が実現した。結果、耐震改修を施しながら、大胆なプラン変更をせずとも、外部空間の存在意味を捉えなおすことで、魅力ある賃貸住戸の更新が実現した。

デザイナーの想い

視点を変えることで、魅力的な住戸改修が低予算で実現した。建物前面に特徴ある路地が存在したことで、本計画を特殊解のように捉えてしまうかもしれない。しかし周りを丁寧に観察すれば、どんな建築にも周辺に特徴ある外部空間が存在する。それらを住戸に取り組むことで、インテリアという枠の中にとらわれない、魅力ある住空間が創造できるということを、この計画を通して学んだ。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

大和船舶土地株式会社
大和船舶土地株式会社
有限会社ランドサット

審査委員の評価

築後35年の木賃アパートの再生事例。住戸毎に閉じがちだったアパートを、まちに対して開かれたおおらかな生活空間に仕立て直した点が最大の特徴で、建具の撤去、ベンチの敷設、床の開口確保等の必要最小限の工事で、この場の性格を大きく変え得た総合力が評価された。

担当審査委員| 手塚 由比   石川 初   長坂 常   日野 雅司   松村 秀一   Gary Chang  

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