GOOD DESIGN AWARD

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CC

2016

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
住宅 [武蔵境の家]
事業主体名
堀泰彰
分類
住宅・住空間
受賞企業
ディンプル建築設計事務所 (東京都)
受賞番号
16G100812
受賞概要
2016年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

築62年の再建築不可物件のリノベーション。 武蔵野の住宅街の真ん中に取り残された土地と古家。建ぺい率は40%の比較的ゆったりした建ち方をしていた。そんな建物の内部空間もおおらかな空間として、庭の木々の表情や季節の移ろいを感じられる家を計画した。 既存建物の襖と壁で区切られていた壁や天井・床は解体して、フルスケルトンの状態へ戻した。次世代省エネレベルの断熱材を充填し、サッシュも入れ替えながら、家全体を緩やかにつながるワンルーム空間としている。 また、生活の中で一番身近で、LDKの中心に位置するキッチンを家族や友人達が版築の技法でつくることで、製作者の手仕事による痕跡を残せる場所となった。

プロデューサー

堀 泰彰

デザイナー

堀 泰彰

詳細情報

http://www.dimple-architects.com/house/renovation/musashisakai-2/

竣工
2015年11月
仕様

主体構造//木造2階建て 敷地面積//134㎡ 建築面積//51.74㎡ 延床面積//77.08㎡

受賞対象の詳細

背景

空き屋が問題視されてきた昨今、空き家そのものだけの問題では無く、地域内での景観の悪化、治安の悪化等社会的な問題を抱えている。 そんな中、再建築不可という建てかえが不可能な敷地条件でのリノベーション計画をスタートした。 既存ストックを活用し、その場所の新たな可能性の気づきや使い方をデザインしたいと考えた。

デザインコンセプト

ネガティブな敷地条件を、リノベーションすることで反転する。

企画・開発の意義

古家をリノベーションをしようとするとき、「残す価値」を見出せるかどうかが最も大切で、特に戸建リノベーションはその判断が難しい。 今回は残す価値を「再建築不可」という敷地条件に見出した。土地が道路に面していないため、細い路地を抜けて玄関にアプローチする。周りは住宅の壁に囲まれていて、見方を変えればプライベートコートのあるコートハウスのよう。 その建物に手を加えることで、全体の価値を高めたいと考えた。

創意工夫

建物の建ち方として、四周を全て隣家に囲われている為、庭に対して常にカーテンを閉めきって生活する状況を避けるため、周辺の状況と住戸内での室内環境をコントロールする光や通風を読み取って、開口部の位置や大きさと開き方を検討することが最重要であった。 その上で建物を中心に東西南北の庭に対して、日射状況、庭を見る高さや樹木の将来の成長までを加味した植栽計画を施した。 そうした計画によって、周辺からの視線を気にすること無く開放的で緑豊かな場所ができあがった。室内も元々の柱や梁は残しながら、床や壁を抜いてスケルトンに戻して再構築 することで外部と呼応する空間となった。

デザイナーの想い

改修の工事費だけの話をすると、場合によっては新築の方が安いケースもある。「残す価値がある」という積極的な理由をどう見出すか。 敷地それぞれに固有の性質があり、それらを丁寧に再度読み取ってあげることで、今まで見えてこなかった価値の発見があり、そこを空間や生活で具現化することで場所と新しいつながりが持てるのではないだろうか。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

ディンプル建築設計事務所
武蔵境の家

審査委員の評価

このプロジェクトは戸建て住宅のリノベーションであるが、既存住宅が必ずしも「残すべき価値」が自明ではない点が特徴的である。再建不可能な敷地である、ということからリノベーションを選択せざるをえない状況からスタートしてはいるが、地域と建築の境界を丁寧に読み解くことで、残すべき価値を発見している。これからのリノベーションデザインへ求められる姿勢が端的に表れている。

担当審査委員| 手塚 由比   石川 初   長坂 常   日野 雅司   松村 秀一   Gary Chang  

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