GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
竈の活用を通じたコミュニティ活性化活動 [竈プロジェクト]
事業主体名
国立大学法人 筑波大学
分類
地域・コミュニティづくり/社会貢献活動
受賞企業
国立大学法人筑波大学 (茨城県)
受賞番号
15G141257
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

「竈プロジェクト」は11チームある筑波大学創造的復興プロジェクトのひとつで、東日本大震災と竜巻、二つの災害に見舞われた、つくば市北条地区の復興を目的に2012年から活動をスタートした。竈で煮炊きすることで防災意識を高めつつ、食に集うコミュニティのレジリエンス強化を図る。竈の火を囲んで食事をする「かまどDAY」、土や藁を使った「土竈」の制作、自転車で移動する竈「RICYCLE(ライシクル)」など、竈の新しい在り方について考え、実践している。米は日本中どこにでもある。普遍性をもちつつ、地域の食文化に光をあてる活動を全国に広めていきたいと考えている。

プロデューサー

国立大学法人筑波大学 芸術系 准教授 原忠信

ディレクター

今実佐子、宮崎玲子、山口大空翔、伊藤香里、佐々木楓、高橋佳乃、丹治遥、角田真季、早川翔人、安田泰弘

デザイナー

大川真紀、遠藤茉弥、大野銀河、田辺淳一郎、渡辺雄太、菊地絢女、櫻井咲人、佐山円未、當田亜利、町長しおり、吉村勇紀、江橋佑奈、蔵本航、宮坂優希

詳細情報

https://www.facebook.com/CRhojo

利用開始
2013年10月26日

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

100年後も火を囲もう。大学生が中心となって竈を活用し、防災・食・コミュニティの意識を高める社会活動

背景

筑波山南麓に位置するつくば市北条地域は、筑波山の参道として、また農産物の集散地として栄えてきたが、鉄道の廃線や研究学園都市の発展から衰退の一途をたどっていた。そこに震災と竜巻で蔵の並ぶ商店街が大きな被害を受け、衰退が加速した。筑波大学では多領域と芸術の学生が協力して被災地の課題解決に取り組む「創造的復興プロジェクト」を2012年にスタートさせ、北条も活動の対象地となりこのプロジェクトが始動した。

デザイナーの想い

ご年配の方々は竈に対して「懐かしさ」を、子供達は見たことのない竈に「新しさ」を感じる。活動を通じて学んだ事は、竈の周りに自然と人が集まり、「食」という人間の最も根源的な体験を共有して世代を超えたコミュニケーションが生まれ、コミュニティが形成されることだ。RICYCLEを介して出会った人とも会話が生まれる。それが震災後の生き方について考えるきっかけになればと思う。

企画・開発の意義

竈で米を炊いた経験はあるだろうか? 竈の活用は、災害時の備えになり、普段何気なく使っているエネルギーについても考えるきっかけになる。竈飯は美味しく、共に食することであたたかく楽しい気持ちになる。地域の食材や食文化に対する意識も向上する。竈のつくり方も公開しているので、興味があれば誰でも挑戦できる。毎日竈でご飯を炊く必要はない。経験していれば、いざという時に役立ち、たくましく生きることができる。

創意工夫

活動という視点でみると、①竈を使えるようになる→②竈をつくる→③竈を活用した体験をデザインする、というふうにプロジェクトが広がってきた。一方、ものづくりの視点でみると、はじめはレンガでつくっていた竈を、誰でもどこでも簡単につくることができる「土竈」へと簡略化させてきた。「土竈」を固める型枠も、コンパネ→フレコンバッグ→ダンボールとやはり安価にシンプルになってきた。活動にとって竈は大切な要素だが、それを精緻化・高度化するのではなく、竈を媒介に起こる体験のデザインに注力している。 また、活動の中では地域にあるものを工夫して活かすローカルで循環型な視点を大切にしている。地域の農産物、古民家に使われずに残されていた竈、北条に集まるサイクリストたち、どれも地域資源と捉えている。竈自転車のアイデアはガソリンが無い時に困った経験のある被災地出身の学生のアイデアだった。

仕様

・土竈(ダンボール) W47×D43×H35cm 60kg ・RICYCLE(牽引型) W285×D85×H98cm ・RICYCLE(運搬型) W230×D58×H110cm

審査委員の評価

コンセプトも素晴らしいが、土を使って自分たちでつくる竈と、それを乗せる牽引車、そして人力で走る自転車との組合せは見ただけで感情を奮い立たせられるものがある。子供から大人まで竈を囲んで会話をしている姿が瞬時に想像できる。それは知らず知らずのうちに防災、食、コミュニティの意識を高める事になる。何事も義務感だけでは成立せず、一方で楽しさが必要不可欠であり、このシステムを見ると改めてツールやビジュアルのデザインの重要性を感じさせてくれる。そんな仕組みは全国どこでも通用する。発展させてひとつのビジネスモデルとしても成立しそうだ。

担当審査委員| 横川 正紀   色部 義昭   上田 壮一   南雲 勝志   山崎 亮  

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