GOOD DESIGN AWARD

キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
コミュニケーションの場を生み出す活動 [カレーキャラバン]
事業主体名
カレーキャラバン
分類
地域・コミュニティづくり/社会貢献活動
受賞企業
カレーキャラバン (神奈川県)
受賞番号
15G141215
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

カレーキャラバンは、全国各地のまちへ出かけ、その場所で調達した食材と、その場所に居合わせた人びとの知恵をまぜあわせ、カレーをつくる。その日、その場かぎりのカレーをつくり、みんなで食べる。カレーキャラバンは、人とのつながり方、かかわり方を知る手がかりになる。少し大げさに言えば、これからの私たちの暮らし方、生き方のヒントを得るきっかけになる。まちの一角で鍋を炊くと、人が集まってくる。一緒に鍋をかきまぜながら、話をする。まちのことを知り、近くにいる人びととの紐帯の強さや協力することの意味について考え、分かち合うことの喜びをあらためて実感する。コミュニケーションを「味わう」場所づくりである。

プロデューサー

加藤文俊、木村健世、木村亜維子

(左から)加藤文俊・木村亜維子・木村健世

詳細情報

http://curry-caravan.net/

開始
2012年3月17日
価格

0円 (まちでつくるカレーは、つねにフリーで提供している。)

販売地域

国内・海外共通仕様

仕様

基本的な什器、調理器具、スパイスケースを持って全国各地のまちを巡り、カレーをつくる。食材は原則として現地調達。場づくりに必要な空間および什器は、その都度交渉しながら調整している。逗留先への距離・滞在期間に応じて交通手段は変えるが、可能な限り車を使って移動する。

受賞対象の詳細

背景

東京都墨田区で実施したアートプロジェクト(東京文化発信プロジェクト)の「墨東大学」プロジェクト(2010)の一環として開かれた「墨大カレー考」がきっかけとなって、全国のまちを巡る「カレーキャラバン」へと展開した。以降、1か月に1回のペースで実施している。

デザインコンセプト

「カレーをつくることは、まちを知ることである」という想いでキャラバンを続けている。

企画・開発の意義

現代における生活空間の多くは「公(パブリック)」か「私(プライベート)」か、いずれかに分けられている。かつては、地域コミュニティに偏在していた「共(コモン)」の領域を、一時的・即興的に取り戻すことで、人との出会いやコミュニケーションを生み出したい。カレーキャラバンは、まちかどで鍋を炊くことによって、「公」と「私」の境界線を曖昧にし、コミュニケーションの場をつくる試みである。

創意工夫

カレーキャラバンは、私たちの生活空間に「共(コモン)」の領域を取り戻すための活動である。なにより、カレーキャラバンを「全体として」デザインすることが重要だと考えている。たんなるカレーづくりではなく、準備から実施にいたるプロセスや、現場での人とのかかわり方、実施後の関係性の維持・強化など、コミュニケーションという観点から場づくりをとらえている。そのため、什器や調理器具の整備、グッズ、オリジナルキャラクター、記録映像、ウェブ、書籍、トークイベント、論文(学会発表)など、多面的にカレーキャラバンの活動を日常生活にとけ込ませる工夫を続けてきた。また、“キャラバン”を継続するためのチームのあり方、時間のマネジメント、モビリティを高める装備の考案など、まちを巡りながら、つねに経験のレパートリーを充実させていくことを課題としながら活動している。

デザイナーの想い

社会活動を企画・実践していく際には、収益性をもとめる「ビジネスモデル」の設計を目指すことが多いが、カレーキャラバンはその対極にある「赤字モデル」ともいうべきスタイルを標榜している。出かけた先でつくったカレーは、無料で配り、みんなで一緒に食べる。それは「炊き出し」でも「ボランティア」でもない、「供出する精神」に支えられた、コミュニケーションの価値を際立たせる「方法」である。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

基本的な考え方や実践は、書籍『つながるカレー』(フィルムアート社, 2014)で紹介している。
カレーキャラバン(オフィシャルサイト)
カレーキャラバン(Facebook)
クローブ犬は考える(メンバーによるブログ/所感)

審査委員の評価

昔はそんな光景があったような気がする。食材を持ち寄って一緒につくり、なべを囲んで楽しい話をしながら食べて笑う。資本主義社会の仕組みは合理的なルールを作り上げ、経済も消費も当たり前のように私たちの生活をコントロールしている。しかし、楽しく生きるとは?豊かな時間の使い方とは?人との気持ちよい交わりとは?そんな疑問も同時に我々に降りかかってくる。このカレーキャラバンはその命題に対し、参加者と一緒に「カレーを作る」という一連の行為のなかから未来に向かう思考や方法を模索し、一緒に感じ、産み出そうという人とのつながり方である。失われつつあるコモン領域の重要性を思い起こさせてくれる。

担当審査委員| 横川 正紀   色部 義昭   上田 壮一   南雲 勝志   山崎 亮  

ページトップへ