GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ものづくりデザイン賞

受賞対象名
ビジネスモデル [播州刃物]
事業主体名
小野金物卸商業協同組合
分類
ビジネスモデル
受賞企業
小野金物卸商業協同組合 (兵庫県)
合同会社シーラカンス食堂 (兵庫県)
受賞番号
15G131195
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

兵庫県小野市三木市いわゆる播州地域で製造された様々な種類の刃物のブランド。鎌類は奈良時代から日用刃物は江戸時代から伝統技術が継承され続けているもので、一定のクオリティ以上のものだけを厳選している。播州刃物の取組は鍛冶屋の後継者をつくり育てるという唯一のビジョンのために動いており、そのために価格改正、時代に合った新しい販路開拓、産地内と業界の意識改革、職人の利益率アップ。これらに重点を置き取り組んでいる。特に鍛冶屋(職人)の意識改革は重要であり、後継者を受け入れる気持ち、体制、将来への希望。これらを見出し、実行していく必要がある。

プロデューサー

合同会社シーラカンス食堂 小林新也

ディレクター

小林新也

デザイナー

小林新也

詳細情報

http://kanamono.onocci.or.jp

プロジェクトスタート
2013年6月5日
販売地域

国内・海外共通仕様

仕様

兵庫小野市三木市いわゆる播州地域の伝統を受け継ぐ鍛冶屋がつくる刃物をブランディングし販路開拓を行っている取り組み。価格改正をし、後継者問題を解決するための取り組み。

受賞対象の詳細

背景

鍛冶屋は一子相伝でこれまで伝統技術を守り磨き上げてきました。しかし、現在ほとんどの70~80代の職人に弟子がいません。様々な刃物の分野が同じよう風前の灯火状態。近年では高齢化で廃業し、残った鍛冶屋へその仕事が流れ込み仕事が倍増。これにより歳を重ねるごとに忙しくなるという状況が生まれ、ますます忙しくても後継者が生まれない。後継者を育成するには資金的にも時間的にも余裕がないととても厳しいのです。

デザインコンセプト

鍛冶屋の利益率を上げ、継続可能な産地とブランドづくり。

企画・開発の意義

伝統的な刃物づくりの未来への継承の実現。道具というものづくりにおいて重要なものづくりを絶やさない状況を悪化させない。安いと売れるという争いが絶えなかった業界内の常識を変え、産地や作り手が誇りを持てるような状況にすることが重要と考え、この取り組みでは上代をこれまでの2倍3倍という値段設定にした。継続可能な産地のあり方について業界の問屋や鍛冶屋が真剣に考えるように意識改革を目指した。

創意工夫

パッケージを商品のそもそも持つ価値に見合うように桐箱に変更。知識が必要な難しい刃物の印象からビジュアルだけで用途が見えるようにし、新規販路時のバイヤーの入口ともなるわかりやすさにこだわり刃物と切る対象物の写真を並べてブランドイメージをデザイン。またこのブランドイメージがこれまで産地という概念や目線がなかった播州地域に刃物産地というイメージをつくり、同時に播州刃物という地域名を入れた名前に統一しました。販路開拓を行う上で大切にしてるのは産地の状況に共感をしてくれる協力的なディストリビューターとパートナーになり、刃物の購入後のメンテナンスの経路や要望の受け入れを同時に開拓している。商品の新しいデザインは使い手の要望によって自然発生してきている。

デザイナーの想い

すでにたくさんの種類の商品がデザインされているのはどれもお客様の要望に応えてきたという伝統と努力の結晶です。しかし、本人や業界の人がその価値を忘れ、売れないのは商品が古臭いからと決めつけています。伝統ある日本のものづくり、特に道具と呼べるものづくりはすでに素晴らしくデザインされたものが多いです。しかし、密に産地と関わることで商品ではない部分をデザインする必要性はたくさん見えてきます。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

AM+ / BIKINI BERLIN
播州刃物公式webストア

審査委員の評価

日本の伝統工芸の多くが、職人の減少により文化継承の困難に直面している中で、「播州刃物」は常識を覆す挑戦をいくつも実践し、伝統工芸を未来につなぐための有効なアプローチを示している。注目すべきは、安いと売れるという定説を否定し、価格を数倍にあげることで、技術の担い手である鍛冶屋にきちんと利益が残る構造をつくったことである。それにより、後継者の獲得を実現している。また、刃物の品質だけでなくパッケージにも注目して桐箱に変更し、販路を世界に広げ、バラバラだった職人を「播州刃物」という統一ブランドでネットワークすることで、価格を上げても売上が減らないよう「競争優位性」のデザインがされている点も素晴らしい。とかく、ものの品質にばかり意識がいき変化が生まれにくい伝統工芸において、新しい挑戦することの重要性を教えてくれる貴重な取り組みだといえる。

担当審査委員| 日高 一樹   青山 和浩   櫛 勝彦   林 千晶  

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