GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
書店の新しいビジネスモデル [本屋B&B]
事業主体名
株式会社レーベン+株式会社博報堂ケトル
分類
ビジネスモデル
受賞企業
株式会社レーベン (東京都)
株式会社博報堂ケトル (東京都)
受賞番号
15G131194
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

本屋 B&B は、下北沢の駅前にある、 30 坪の小さな新刊書店です。新刊が自動的に送られてくる配本というシステムは採用せず、自分たちが売りたいと思う本だけを一冊ずつ選んで注文し、棚に並べて、販売しています。また、著者や編集者を招いたトークイベントを毎日欠かさず開催したり、ビールをはじめとする飲み物を販売したり、本棚をはじめとする家具を販売したりしています。他にも、雑貨など本以外のものを売ったり、語学教室をやったり、本に関するテレビ番組や雑誌の企画に携わったり、リトルプレスの出版をしたりなど、書店という場の特性を最大限に生かして、本を売ることとの相乗効果が見込める様々な試みを行っています。

プロデューサー

株式会社レーベン numabooks 内沼晋太郎+株式会社博報堂ケトル 嶋浩一郎,原利彦

詳細情報

http://bookandbeer.com

オープン
2012年7月20日
設置場所

東京都世田谷区北沢2-12-4 2F

仕様

新刊書店。小田急線・井の頭線下北沢駅徒歩1分。約100平方メートル。

受賞対象の詳細

背景

新刊書店の売上はここ十数年減少傾向にあり、再販制と委託制という特殊な条件の下、従来のビジネスモデルのまま小さな賃貸物件を借りて、取次に高い保証金を払って新規で開業するのは、ほぼ無謀といわれる状況です。そこで、人々の日常の中にあり、知識や情報がリアルに集積している、書店という場が本来持っている魅力をあらためて捉え直し、そのメディアとしての価値を最大限に生かす、新たな事例をつくりたいと考えました。

デザインコンセプト

これからの街の本屋

企画・開発の意義

日常のふとした瞬間に5分立ち寄っただけで、知的好奇心を刺激される新たな発見や、人生を変えるような豊かな物語との出会いがある書店という場を、これからも街の中に存続させるための新たなモデルとなること。街が築いてきた文化的な蓄積の恩恵を受ける一方で、独自の発信力・求心力を磨くことで街に対して様々な還元をしていけるような、街の知における渦の中心のような場として書店を位置づけたいという思いを込めています。

創意工夫

狭い店内にも、できるだけ広い世界をつくるべく、一冊一冊の品揃えを吟味したうえで、周辺に並べる本との関係性の中に文脈の広がりをつくるような棚づくりを心掛けています。特に、短期的な効率を重視する他店では削られてしまうような海外文学、人文・社会科学、自然科学などのジャンルや、大きな流通に乗らないリトルプレスなどに力を入れています。また、著者や翻訳者、編集者などを招いたトークイベントをオープン以来欠かさず毎日開催し、ライブのコンテンツを生み出し続けることで、遠くからも人が訪れ、近隣からも「今日は何がやっているのかな」と気にしていただけるような魅力を保つよう心がけています。また、ヴィンテージ家具を取り扱う企業との協業により、什器として使用する書棚や机などを同時に商品として販売することで、開業のコストを抑えられただけでなく、販売した什器が定期的に入れ替わることで空間の鮮度が保たれています。

デザイナーの想い

全国各地に訪れて書店を見て回る機会が多く、そのビジネスの厳しさを感じるようになり、なんとか新たなビジネスモデルをつくれないかと考えました。本が好きで、書店に育ててもらった個人として、全国から少しずつ書店が廃業したり、元気がなくなってきたりしている現状がさびしく感じられたからです。これからもなんとか存続できる形を模索し続け、良い部分があれば全国の書店さんに真似していただきたいという気持ちがあります。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

本屋B&B
本屋B&B

審査委員の評価

本屋「B&B」は、大人が想像の旅にでる場所だ。ちょっと立ち寄っただけで、ワクワクする知識や、人生を変えてしまうような豊かな物語との出会いがある。30坪という小さな空間ではあるが、毎日ように著者や専門家が招かれ、海外文学、人文・社会科学、自然科学など、様々なテーマについて議論が交わされ、知恵の化学反応が生まれている。本はいつの時代にも、知恵を継承する偉大な手法であった。それを売るだけが本屋の役割ではないことを、B&Bは示している。本屋が、本を通じて、後世に伝えたい知恵を集め、深め、未来へ繋いていく大切な役割を担っていることに気付かせてくれる、貴重な取組みだ。

担当審査委員| 日高 一樹   青山 和浩   櫛 勝彦   林 千晶  

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