GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
講堂 [東京経済大学 進一層館]
事業主体名
学校法人東京経済大学
分類
公共用の建築・施設
受賞企業
株式会社佐藤総合計画 (東京都)
受賞番号
15G101045
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

1968年に竣工した鬼頭梓の設計による図書館を講堂へと改修した。地上1階地下2階の建物で、1階は約40m角の無柱空間となっており、四周がガラス張りで森に向かって開いている。既存の開放的な大空間を活かし、ガラスの箱でできたホールを挿入した。ホールはガラス越しにホワイエやギャラリーと連続し、一体的な利用ができるだけでなく、ステージ越しに森が望めるため、森を背景とした演奏会や講演も可能である。ホールを囲むガラスは、緩やかなジグザグの形状に角度をつけて並べられており、適切な反響が得られるよう配慮するとともに、森の風景を乱反射させ、建物全体に緑を取り入れている。

プロデューサー

東京経済大学

ディレクター

鉾岩崇 株式会社佐藤総合計画

デザイナー

石原誠、三井貴文 株式会社佐藤総合計画

詳細情報

http://www.tku.ac.jp/

利用開始
2014年10月
販売地域

日本国内向け

設置場所

東京都国分寺市南町1-7-34

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

武蔵野の森に包まれた無柱空間に挿入されたガラス張りのホール

背景

本キャンパスでは2008年から「森のキャンパス」づくりの再整備が行なわれ、2013年に新たな図書館が完成した。これにより、本図書館は一部の書庫機能を除き、その役割を終えたが、この建築が優れた近代建築である点と長年に渡り学生や教職員に親しまれてきた点を重視し、用途を講堂に変えて改修することとなった。大学の歴史を継承する施設として、大学の創始者の名を冠し、「大倉喜八郎進一層館」として生まれ変わった。

デザイナーの想い

歴史的価値の高い日本国内の近代建築の解体が相次ぐ中、本応募対象では、図書館という役割を終えてしまったにも関わらず、講堂へと用途を変えて利用し続けることを選択した。さらに「大倉喜八郎進一層館」という名称により新たな価値を与え、歴史的な建築物が大学の象徴としての役割を担うことを目指した。

企画・開発の意義

既存建物1階は、無柱の大空間が開架閲覧室となっており、南側斜面に向かって開き、武蔵野の森に囲まれた良質な環境となっていた。ホールをガラス張りとすることで、この空間の特徴を維持し、建物内部の一体的な連続感と、建物と森との連続感を生み出した。長年親しまれてきた図書館が「森のキャンパス」を象徴する建物として生まれ変わったのである。

創意工夫

ガラス張りのホールを実現するため、音響面での入念な検討に基づき、ガラス面に角度をつけてジグザグの形状とした。このことにより、講演や室内楽程度の演奏会への対応が可能となり、様々な機会に利用できる。また、ホールとガラスで仕切られたホワイエの一角には、展示スペースを設け、創始者の生い立ちや大学の歴史を知ることができる。展示スペースやその他の新たな諸室は、大空間の中に入れ子状に配置し、建物全体の連続感を損なわないよう配慮した。地下には、同窓会組織のオフィスやラウンジ、学生の自習室なども併設しており、学生や教職員だけでなく卒業生にとっても親しまれる施設となった。

仕様

階数:地上2階/地下2階 構造:RC造 建築面積:1,675.00㎡(506.69坪) 延床面積:3,888.00㎡(1,176.12坪)

審査委員の評価

鬼頭梓の手による図書館を、別の組織設計事務所が講堂へと改修した計画。別の組織ながら、オリジナルへのリスペクトが感じられ、さらにそれにとどまらず透明感のあるガラスの使い方をはじめとする随所での細やかな配慮により、非常に魅力的な講堂によみがえらせている点に好感が持てる。やや大胆とも思える透明感のある講堂ではあるが、大学での利用と周辺のコンテクストを考えると、むしろ自然に思われる、確かな手腕を感じさせる作品である。

担当審査委員| 千葉 学   五十嵐 太郎   石川 初   日野 雅司   山梨 知彦  

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