GOOD DESIGN AWARD

閉じる
キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
小学校 [稲敷市立新利根小学校]
事業主体名
稲敷市
分類
公共用の建築・施設
受賞企業
株式会社山下設計 (東京都)
受賞番号
15G101038
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

児童数の減少に伴う学校再編により、三つの市区の学校を一つに統合した新設校である。 従来の閉じられた学校図書館を、学校の中心に据え、子ども達が気軽に立ち寄れるオープンな構成とした。「図書館が学校生活の中心にある」ことで、多様な授業運営や、子ども同士の学年を超えた交流や知的好奇心を誘発する。 2階建ての校舎は南北面に教室を配置する中廊下型を基本に、その中廊下を大きく広げ、上下階をつなぐ中庭や大階段、図書館を含むメディアセンター、オープンスペースを配置し、様々な学習・交流の場が連続する、明るく見通しのよい空間とした。 また、特別支援を含む全ての普通教室を2階にまとめ、学校全体の一体感を高めた。

ディレクター

株式会社山下設計 原田 聡、山本泰介 +千葉大学教授 柳澤 要

デザイナー

株式会社山下設計 篠﨑亮平

篠﨑亮平

詳細情報

http://www.inashiki.ed.jp/hp/shintone-ps/

利用開始
2014年9月1日
販売地域

日本国内向け

設置場所

茨城県稲敷市柴崎7218-4他

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

開かれた図書館を中心に、さまざまな学習・交流の場が連続し、子ども達の主体的な活動が生まれる小学校

背景

稲敷市は茨城県南部に位置する、霞ヶ浦と利根川に囲まれた水郷地域である。本計画は、少子化に伴う学校再編により、約140年の歴史を持つ3つの小学校を一つに統合するものである。ここでは異なる地区から集まる子ども達や先生、地域の人々にとって、新しいコミュニティの核となる学校が求められた。また、コミュニケーションのための様々な場所をつくることで、子ども達が集団の中で主体的に学ぶことができる学校を目指した。

デザイナーの想い

読書は人々の生活を豊かにする。特に小学生にとっては、自分の興味を発見し、課題を解決していく力や想像力を養ううえで、重要だ。そのため、学校図書館は全ての子ども達に開かれていて、快適な場所でなくてはならない。 本計画では、開放的でありながら、友達とこっそり読書ができる秘密基地のようなユニットや、畳の読書スペースなど、多様な読書環境を用意することで、本が身近になり、交流を深めるきっかけとしたいと考えた。

企画・開発の意義

今日の小学校図書館の多くは、「日常的に施錠されており、子供たちが自由に使えず、色あせた古い蔵書ばかりで、授業で活用するには難しいことが多い」(国立国会図書館月報より)。本計画では、図書館に自由にアクセスできるよう開放し、学校生活の中心とすることで、特別教室と連携した多様な授業展開や、子供の知的好奇心の触発、グループでの本を囲んだ交流が生まれる。また全方位的に視線が通る構成により各活動が体感できる。

創意工夫

外部に面さない建物の中心に図書館を配置するにあたり、図書館の階高を周囲より半層高くすることで、ハイサイドからの安定した自然光と、上階との視線のつながりを確保し、明るく見通しの良い空間とした。また、造作書架の背板は設けず、子どもの視線が通るデザインとした。 子ども達が日常的に本に触れる機会が増えるよう、図書館内外に、普通教室フロアへの生活階段を複数配置している。 図書館に対し、理科、図工、家庭、音楽、コンピュータのすべての特別教室が顔を出し、調べ学習などの連携利用を促進する構成とした。図書館と特別教室の間には、仕上げや形状の異なる、大階段を含めた大小のオープンスペースを設けた。これらは教室の間仕切を開放することで、一体的な利用が可能であり、様々なカリキュラムに対応できる。

仕様

敷地面積:17,825.05㎡ 建築面積:4,650.88㎡  延床面積:6,918.43㎡ 階数:地上2階 最高高さ:12.865m(体育館) 構造:校舎 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造/体育館 鉄筋コンクリート造一部 鉄骨+木の混構造

どこで購入できるか、
どこで見られるか

茨城県稲敷市柴崎7218-4他
稲敷市立新利根小学校

審査委員の評価

学校というビルディングタイプは、様々な建築計画的な実験が試みられてきたが、これは図書館を軸に全体を再構成しており、まだデザイン開発の可能性に余地があることを感じさせる。閉ざされた図書館を反転して開くことで、アクティビティの中心に据えながら、断面のデザインも工夫している。子供の減少に伴う学校再編という現代の日本の課題を契機に試みられたものだが、図書館を中心とした空間のあり方は、他の複合施設でも展開可能なアイデアだろう。

担当審査委員| 千葉 学   五十嵐 太郎   石川 初   日野 雅司   山梨 知彦  

ページトップへ