GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
図書館 [聖籠町立図書館]
事業主体名
聖籠町
分類
公共用の建築・施設
受賞企業
株式会社佐藤総合計画 (東京都)
受賞番号
15G101017
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

小さな町のコミュニティスペースとなる図書館を計画した。建物を覆う屋根は、低く抑えた南側で利用者を迎え入れる一方、北側は冬の北風を受け流すようにせり上がる。この2枚に挟まれたスリットから柔らかな光と爽やかな風を取り入れる。  高さが変化する内部空間では、中央のストリートに沿って会議室、おはなし室などの「ハウス」が点在し、その周りに閲覧席、展示壁、書籍がテーマごとに並び、「ハウス」を中心とした光(照明)・色(サイン)の群れが商店街のような賑わいを生み出す。「ハウス」は周囲に点在するビニールハウスのような形状、民家のようなスケールと質感により、この地の原風景になぞらえた「本のまち」をつくり出す。

プロデューサー

聖籠町

ディレクター

渡辺猛 株式会社佐藤総合計画

デザイナー

三井貴文、天野健太、吉田朋史 株式会社佐藤総合計画 酒匂克之 丘の上事務所 前田豊、大場智博 氏デザイン

詳細情報

http://www.lib-seiro.jp/

利用開始
2014年6月
販売地域

日本国内向け

設置場所

新潟県北蒲原郡聖籠町大字諏訪山1560-1

仕様

敷地面積:15,448.77㎡ 建築面積:3,003.61㎡ 延床面積:2,606.32㎡ 階数:地上1階 構造:鉄骨造 軒高:10.400m 最高高さ:7.100m

受賞対象の詳細

背景

聖籠町は、新潟市の東に隣接する人口約1万4千人の小さな町である。冬場には北西の日本海から冷たい風が吹きつける厳しい気候の中で、コンパクトな地域コミュニティを維持しているが、町の中には鉄道の駅がなく、中心市街地のようなものも見当たらない。そういった町の中で、町の個性を引き立たせ、図書館の中に詰め込むことにより、人々が気軽に訪れることができ、コミュニティの核となることを目指した。

デザインコンセプト

本と人、人と人が気軽に出会い、交流できる「大屋根の下の本のまち」

企画・開発の意義

大きなワンフロアの図書館とすることにより、利用者・管理者の双方にとって使いやすい施設とした。その上で、閲覧空間を「まち」になぞらえることにより、変化に富んだ空間を生み出し、利用者に様々な居場所を提供している。さらに、従来の図書の分類・配架方法ではなく、「ハウス」を拠りどころとして、分かりやすいサインや書架照明とともにテーマ毎に配架することで、より本に親しみやすい図書館を実現した。

創意工夫

建物全体の印象を決定付ける「大屋根」については、南北の2枚が風の中で羽ばたく翼のような、町のシンボルに相応しい特徴のある形状とした。内部では、3次元曲面を形成する屋根の架構を表しつつ、有機的な質感を持った仕上げの中で、天井高の変化や光のスリットが感じられ、大屋根に包まれた雰囲気を生み出した。さらに「本のまち」を実現するため、動線となる部分と滞留する部分で異なる床仕上げを用いており、ストリート、広場、路地を展開させている。書架のストリート側は一段低くなっており、見通しを良くするとともに、本の表紙をディスプレイし、実際の本もサインとして活用できる計画とした。大屋根の下に点在する「ハウス」だけでなく、家具、サインなどにも、様々なスケールの家型や三角形のモチーフを用いることで、堅く静かな印象になりがちの図書館を明るく親しみやすい空間にし、風の中に佇む「本のまち」の雰囲気を演出している。

デザイナーの想い

市町村合併の中で「まち」という単位の地域コミュニティが失われつつある中、この「聖籠町立図書館」は、町のどこからでも歩いて来られるような、町の全員が集まれるようなスケール感を持っている。この「本のまち」には、聖籠町のものを全て詰め込みたいという想いを込めて設計した。オリジナルの配架や展示ができる書架や展示壁を盛り込み、町の特産であるぶどうをモチーフとした照明を点在させたことも、その表れである。

審査委員の評価

コンパクトであるのみならず、町のスケールに合わせた平面計画、外観、アプローチの計画がなされた気持ちの良さそうな図書館である。 町の人々相互の、そして本との出会いを目指したワンフロアの平面計画と、さらにその上に架けられた大きなこう配屋根が内外の空間の最大の特徴となっている。それにとどまることなく、書籍の分類・配架法式にも手を加え、この図書館の利用形態に相応しい計画となっている点も好感が持てる。

担当審査委員| 千葉 学   五十嵐 太郎   石川 初   日野 雅司   山梨 知彦  

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