GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
河川堤防・河川緑地 [白川・緑の区間]
事業主体名
国土交通省九州地方整備局熊本河川国道事務所
分類
土木構造物
受賞企業
熊本大学(工学部社会環境工学科 景観デザイン研究室) (熊本県)
受賞番号
15G101007
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

阿蘇を水源とし有明海に注ぐ白川が熊本市中心市街地を流れる区間の河川改修事業です。この緑量豊かな河川景観は,「森の都くまもと」を代表するものとして市民に愛されて来ましたが,一方で洪水の危険性が高く,ここで水があふれると熊本の中心部が水浸しになるような状況でした。20年以上をかけて多くの市民と合意形成を行い,15mほど川幅を拡げたり,薄く低い堤防を築くことによって,洪水の危険性を大きく減少させる整備を行いました。また同時に,多くの樹木を残したり移植したりすることによる緑の保全や丁寧な石積みによる歴史的景観の継承,親水性豊かな水辺の創出など,貴重な自然を街中で堪能できる河川公園に生まれ変わりました

プロデューサー

国土交通省

ディレクター

熊本大学 教授 小林一郎+熊本記念植物採集会 今江正知+日本造園修景協会 岩永恭三+西日本科学技術研究所 福留脩文+公園財団 蓑茂寿太郎+白川市街部景観・利活用検討会

デザイナー

熊本大学 准教授 星野裕司/研究員 増山晃太/熊本大学景観デザイン研究室+熊本県造園建設業協会+西日本科学技術研究所+オリエンタルコンサルタンツ+建設技術研究所

利用開始
2015年4月25日
販売地域

日本国内向け

設置場所

左岸:熊本県熊本市中央区新屋敷1丁目地先 右岸:熊本県熊本市中央区水道町地先

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

長年の対話や市民の想いを形づくり,安全な暮らしを実現するとともに,川(自然)と街(人)を結ぶデザイン

背景

この区間の改修計画が最初に発表されたのは昭和61年でしたが,治水一辺倒の考え方で,「緑の区間」と称された豊かな緑をすべて伐採する計画であったため,多くの市民の反対にあいました。しかし事業の頓挫は,県都中心部の治水安全度を低い状態に置くため,大きな懸案事項でした。その後,環境も重視された河川法改正の後押しも受けながら,市民と行政の丁寧で持続的な話し合いの元で合意形成が行われ,事業の実施にいたりました

デザイナーの想い

近年,自然災害のリスクは大きく高まっており,防災整備は今後も必要です。しかしそれらは,その場所が持っている環境などの防災以外の価値と共存することが困難であり,そもそもハードな施設だけではすべての災害を防げません。防災整備に環境などの価値を包含することができれば,それが付加価値を持つだけではなく,豊かな暮らしを通して,自然への愛着を高め,人々の自然災害への意識を育むことも可能となると思います

企画・開発の意義

整備前は「森の都」の象徴でありつつも,鬱蒼とした木々によって薄暗く立ち寄りづらい場所であったため水辺を訪れる人はまばらでした。この整備を通して,市民に愛されてきた景観を保全しつつ,熊本の都市アイデンティティを向上させ,開放的な緑地,歩きやすいスムーズな動線,親しみやすい水辺を創出し,街中で貴重な自然を人々にとって身近なものとして生まれ変わらせること。つまり,防災整備がそれ以上の価値を持ちうること

創意工夫

この整備には「緑の保全」「歴史の継承」「親水性」の3つの柱があります。まず「緑の保全」については,木々を最大限保護できるように堤防のラインを決めつつ,河川拡幅によって失われる川岸に生えていた約130本の樹木を新しい緑地に移植しています。なかでも樹齢100年を超える2本の大楠は,近世から行われている立曳き工法によって市民との協働によって人力で移植しました。「歴史の継承」においては,新しくできる石積み護岸を布目崩しという伝統的な技法を用いて,スケールバランスなどにも配慮しながらつくっています。優れた石積み技術を伝承している熊本ならではの整備です。「親水性」については,両岸の新旧の石積みに沿って上下流につながる水辺の遊歩道を整備しています。水際では,近づいて眺めるだけでなく安心して川に触れることのできる楽しさと,生物が住む隙間,河床の地形が乱れないための環境的な機能を融合しています

仕様

600m

どこで購入できるか、
どこで見られるか

左岸:熊本県熊本市中央区新屋敷1丁目地先 右岸:熊本県熊本市中央区水道町地先
熊本大学景観デザイン研究室ホームページ

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