GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン金賞

受賞対象名
道の駅 [道の駅FARMUS木島平]
事業主体名
木島平村
分類
公共用の建築・施設
受賞企業
一級建築士事務所スターパイロッツ (東京都)
長野県木島平村 (長野県)
受賞番号
15G101003
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

古い工場を改修し、「農の拠点施設」および道の駅として再生した計画。工場が持つ空間性や特殊な構造設備などをできるだけ残しながら、まるでビニールハウスのような小屋を工場内部へと貫入させることで、内部へ採光や通風を確保し、構造補強としても機能させている。 機能としては食品加工工場、マーケット、キッチンスタジオ、レストラン、カフェ、インキュベーターオフィスなどからなり、それらを特徴的な2つのホールが結びつけている。 新築では到底つくることのできない大空間と、まるで現代彫刻のように散らばるかつての工場設備は、古いものを大切にし、新しい価値を加えながら未来へ引き継ぐという木島平村の姿勢を引き継いでいる。

デザイナー

三浦丈典

詳細情報

http://www.farmus.jp/

竣工
2015年3月31日
販売地域

日本国内向け

設置場所

長野県下⾼井郡⽊島平村⼤字上木島38-1

仕様

敷地面積:18,221.11m2 建築⾯積:1,893.97m2 延床⾯積:1,877.79m2 構造規模:鉄骨造 地上1階建て

受賞対象の詳細

背景

農家の高齢化や輸入農作物の増加といった問題に対し、木島平村は農業の6次産業化を促進させるため2013年に「農の拠点整備事業基本計画」を策定した。さらにこの基本計画に基づき、閉鎖された旧デルモンテ工場の敷地及び工場建物を取得し、「農の拠点施設」として再生活用することを決めた。この施設は道の駅としても機能し、観光拠点であると同時に、村民の日常生活を向上させ、自己実現の舞台となることも目的とされている。

デザインコンセプト

新築ではつくりえない工場の空間性と、新しく加わった機能とが、互いに相乗効果を発揮するようなデザイン

企画・開発の意義

人間のためではなく、生産のためにつくられた空間がもつ特殊さを、新しい豊かさ、創造力をかき立てる舞台として再生させることに重きをおいた。役目を終えた既存ストックを活用し、市民に開かれた場所として再生させるということは、経済性や環境配慮といった側面だけではなく、古きを尊ぶ教育や、歴史性やストーリーをきっかけとした会話のきっかけづくりなど、多様な効果があり、今後の公共空間づくりのモデルケースとなる。

創意工夫

特に配慮したのは以下の3点 1. スケール感 工場の大空間に対し、小屋の小空間を対比させることで、外にいるようなのびやかさと、家のように落ち着いた親密さを同時に感じられるよう配慮した。雪深い土地にあって、室内にいながら家の内外を行ったり来たりするような体験が、新しい公共空間として効果的であると考えた。 2. 素材 工場の無骨な素材に対して、追加されるのは一般的な建築仕上材ではなく、敷地の外の農村風景から流れ込んできたようなものがよいと考えた。たとえば既存建物の外壁には田んぼのあぜ道の仕切りに使われる農業資材「あぜボード」を下見張りし、室内床壁にはフローリングの代わりに「麦わらボード」を採用した。 3. 家具・サイン 素材同様、ここにあるものが自然な家具、サインを考えた。スコップやバケツを利用したトイレサインや、農業用パレットを利用したソファなどが空間に彩りを与えている。

デザイナーの想い

すべてがコントロールできる新築工事や内装工事と違い、すでに雑多な状態である既存建物に対し、そこにさらに何かを加えた時に、それが雑多さを伴った新しい一貫性のようなものを持つべきと考えた。どんなものが来てもそれを拒絶せずに受け入れ、それによって損なわれない大らかなルールのようなものを空間の基本構成をすべきと考えた。そうすることでまるで都市空間のような開かれた建築ができると考えている。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

道の駅FARMUS木島平
ファームス木島平

審査委員の評価

古い工場や倉庫を改修し、施設として再利用する例は、今や決して珍しいものではなくなりました。しかしそういった事例では、屋内空間は上手く改修されているものの、建物そのものの佇まいまでは変えられないことが多いと思います。この長野県木島平村のリノベーションプロジェクトの新しさは、その建築のあり方、周辺地域との関係性が、挿入された家型の部屋により再編されている点だと思います。 また、設計者が自ら施設の出資者のひとりになり、この建築の未来にもコミットしている姿勢は、これからのデザイナーのあり方のひとつの手本のように思えます。

担当審査委員| 千葉 学   五十嵐 太郎   石川 初   日野 雅司   山梨 知彦  

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