GOOD DESIGN AWARD

キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
路面電車停留場 [函館市電(市営交通)函館駅前停留場]
事業主体名
函館市
分類
公共用の建築・施設
受賞企業
函館市 (北海道)
株式会社ワークヴィジョンズ (東京都)
パシフィック コンサルタンツ株式会社 (東京都)
有限会社オーノJAPAN (東京都)
公立はこだて未来大学 情報アーキテクチャ学科 (北海道)
港工業株式会社 (北海道)
株式会社小鹿組 (北海道)
受賞番号
15G101000
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

函館駅前停留場は、函館の玄関口である駅前通入口に位置する路面電車の停留場である。幅員1.7mかつ道路上に位置し、夜間工事という厳しい条件のため、上屋は極力薄くした厚さ9mmの湾曲鉄板ユニットを工場で製作し、現場では設置・連結のみという工法をとった。入口部分は屋根を高くした軽快なデザインで、入りやすく開放感のあるデザインを目指した。また、夜間にも安心して人が滞留でき、道路上からも停留場が視認しやすいような建築意匠に調和した温かみのある照明計画としている。プラットホームには、ぬくもりが感じられる木製の大きな手すりを設け、手すりの一部をベンチとすることで、高齢者の方々にも優しいデザインとしている。

プロデューサー

株式会社 ワークヴィジョンズ 西村浩

ディレクター

株式会社 ワークヴィジョンズ 西村浩

デザイナー

株式会社ワークヴィジョンズ 西村浩、帆足達矢 パシフィックコンサルタンツ株式会社 西上律治 有限会社オーノJAPAN 大野博史 公立はこだて未来大学情報アーキテクチャ学科教授 木村健一

西村浩 帆足達矢 西上律治 大野博史 木村健一

利用開始
2014年11月26日
販売地域

日本国内向け

設置場所

函館市若松町16番地先

仕様

プラットホーム延長:30m プラットホーム幅員:1.7m(上下線共に) 構造:鉄骨造 地上1階(主要構造:鉄板 t=9mm)

受賞対象の詳細

背景

函館市では、今後の人口減少時代や平成27年度末の北海道新幹線開業を見据えて、市民のみならず函館を訪れるすべての人に魅力あるまちづくりを進めていく必要があることから、新たな中心市街地活性化基本計画を平成25年3月に策定した。この施策の1つには函館駅前通と大門グリーンプラザを新たに策定したトータルデザインに基づき整備することとしており、目に見える第1弾として函館駅前停留場を新たに改修した。

デザインコンセプト

厚さ9mmの湾曲鉄板ユニットによる「海風を受ける船の帆」のような軽快かつ入りやすい開放感を目指した。

企画・開発の意義

函館は、かつて造船・北洋漁業・青函連絡船等が経済牽引役として全盛時代を迎えた街である。今回の函館駅前停留場は、函館の顔に相応しいデザインとして、上屋の壁・屋根材は厚さ9mmの鉄板を曲げ加工した後に溶接する等、特殊な加工・溶接技術を要する仕事は造船の街であったからこそ可能となった。地元の技術を活かしそれを継承していくことで、広く市民に愛される公共交通としてのデザインを目指した。

創意工夫

函館駅前停留場の上屋架構は、壁・屋根共に厚さ9mmの鉄板によって構成されており、鉄板を湾曲させ幾何学的剛性を高めることで鉛直荷重を支持し、風・地震等の水平外力に抵抗する形式としている。この円弧状に架構された壁と屋根の鉄板を、突き合わせ溶接で一体化した湾曲鉄板ユニットと、ガラスを交互に連続させることで全体を構成しており、湾曲鉄板ユニットの曲面は、そのままデザインとなり、鋼重量が少なくて済むため、経済性に優れている。一体化された湾曲鉄板ユニットは工場で製作後、現場で設置・連結しており、最後にガラスを内側から設置することで施工を簡素化し、可能な限りの工期短縮や車両等の交通規制を少なくしている。函館駅前停留場は、架構をユニット化し、統一されたモジュールで量産できるようにしたことで、今後整備予定の8つの停留場についても、ユニット数を変えるだけで簡易に設計・施工が可能な仕組みも考えている。

デザイナーの想い

函館の元町・西部地区などは繊細なデザインが特徴的であり、函館駅前停留場においてもシンプルかつ繊細な連続する曲面で表情をつくりだすことを目指した。湾曲する構造が「海風を受ける船の帆」をイメージさせ、函館の港町らしさが感じられるデザインである。色彩は、周辺環境と調和をはかり、現在函館市電にて運行している主要路面電車のカラーと合わせたアイボリーとし、函館の歴史や技術を継承した新しいデザインを目指した。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

函館市若松町16番地先

審査委員の評価

函館は多くの地方都市で見られる「駅前空洞化」問題が、より先鋭化した地域であり、駅から中心市街地をつなぐ路面電車は、函館全体のアーバンデザインにおける中心的な役割を担うと思います。その停車場のデザインとして、この地域の造船技術をベースとしたスチールワークを用いることは、デザインの地産地消として非常に意義深いプロジェクトです。 加えてこのデザインが、今後複数の停車場へ展開することを考慮している点も、高く評価出来る点だと思います。

担当審査委員| 千葉 学   五十嵐 太郎   石川 初   日野 雅司   山梨 知彦  

ページトップへ