GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
組立式和室 [組立和室「くみたて2015」]
事業主体名
海野建設株式会社+北海道大学大学院工学研究院建築史意匠学研究室
分類
店舗内装設計・インテリア・公共空間
受賞企業
海野建設株式会社 (宮崎県)
office teo (兵庫県)
北海道大学 大学院工学研究院建築史意匠学研究室 (北海道)
受賞番号
15G100964
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

「くみたて2015」は、1~2人程度で工具を使わず約15分で誰でも簡単に組立て可能な、2畳サイズの木製組立式和室である。まず基本フレームを組立て、床板と畳を敷き、次に障子、床の間、壁、軒等の建具をはめ込む。フレーム同士の連結により、大きな空間をつくることも可能。また、様々な用途の建物内や屋外に設置でき、多様な使い方ができる。開発者より基本フレームと設計済みの建具を販売する、あるいは基本フレームのみを販売し、ユーザーが地域木材を用いたオリジナルの建具を製作することも可能。その地域の特色を持った様々なバリエーションの「くみたて2015」がつくられ、日本の和室空間が普及していくことを目指す。

プロデューサー

海野建設株式会社+北海道大学大学院工学研究院建築史意匠学研究室

ディレクター

株式会社内田洋行+office teo

デザイナー

海野建設株式会社(宮崎):海野洋光+北海道大学大学院工学研究院建築史意匠学研究室(北海道):小澤丈夫、三浦太一、角哲

左より、海野洋光、小澤丈夫、三浦太一、角哲

詳細情報

http://kumitatewashitsu.web.fc2.com/

発売
2015年4月1日
販売地域

国内・海外共通仕様

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

地域木材の需要拡大と建具職人の技術を用いた、どこでも誰でも手軽に設置できる和室の発展と普及の仕組

背景

森林資源が豊富な日本だが、生活様式の変化に伴う木造建築、和室の減少が林業の衰退を招いていると言って久しい。最近、B材C材と呼ばれる価値の低い材が木材価格の主流となり、価値のあるA材の取引量が減少し、適正な森林経営を圧迫している。日本の伝統的空間に触れる機会を増やすこと、伝統的な優れた技術をもつ職人がA材を扱うことで、木材の価格維持につながる。価値のある木材利用の機会を創出することが求められている。

デザイナーの想い

日常生活の中で日本の伝統的な和の空間に触れる機会が減少している。木に囲まれた古くから伝わる室礼を絶やさず魅力を広く伝えるために、家族の団らんや仕事場の休憩スペース、公民館でのイベントや海外からの訪問客を接待するお茶会等、「くみたて2015」を手軽に利用し、豊かで薫りある多様な日本の伝統空間を多くの人に体感してほしい。いざ、大規模な災害が発生した際には、避難所でのやすらぎ空間として使用してほしい。

企画・開発の意義

基本フレームに建具をはめ込む構成により、空間のカスタマイズが可能になり、作り手・使い手両者の創造性を刺激する。手軽に組立て可能なため、気軽に日本の伝統空間を五感で体感できる。これにより、多くの人に日本の伝統空間の魅力を伝え、その継承と普及を見込む。また、地域木材の良さや職人の技術を人々が認識することによって、木材の利用を促進し、地域の活性化につなげる。

創意工夫

【基本フレームデザイン】汎用品の畳サイズ(880×880mm)を基に、基本フレームの平面サイズを決定。居住性を確保しながら、できるだけ脚立等を使用せずに簡易に組立て可能な高さとした。柱は強度を保ちながら可能な限り細く(60×60mm)した。汎用品のベット金物を部分加工して用い、容易に組立てることを可能にした。【建具デザイン】付書院、障子、床の間、違棚、躙口など和室の室礼を自由に組合せ、和室の魅力を楽しむ。軽量でビスによる簡易な方法で取付け可能な軒建具は、障子にも転用できる。壁建具を片面貼りにする等、可能な限り軽量化を図り、全ての建具の大きさを揃えた。その結果、容易に梱包し、軽トラックやバンによる輸送が可能となった。【試作/検討/改良】北方圏やアジアへの展開を視野に、異なる気候条件にある札幌と日向において製作と木材の変形確認を行い、両都市間で実際に輸送を行い、運搬方法を検討した。

仕様

[幅×奥行き×高さ]1,880mm×1,880mm×2,230mm [重量]基本フレーム:27.8kg、建具(壁、天井、縁側、全10種類):2.8〜13.1kg [材料]杉(宮崎県産)

どこで購入できるか、
どこで見られるか

株式会社内田洋行、海野建設株式会社
組立和室「くみたて2015」
組立和室「くみたて2015」on Facebook

審査委員の評価

鴨長明の「方丈庵」を思い立させる組み立て式移動可能建築。考えてみると、地べたに張り付く不動産を土地から引きはがし、可搬にすることは、日本の神輿を見ても、アメリカンなキャンピングカーを見ても人間の根源的欲求の一つなのかもしれない。建築的な様相を保ったまま可搬にするのが日本の伝統とすれば、これはそんな伝統の琴線に触れる魅力を持ったデザインとなっていて、僕らをひきつけてくれた。

担当審査委員| 千葉 学   五十嵐 太郎   石川 初   日野 雅司   山梨 知彦  

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