GOOD DESIGN AWARD

キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ベスト100

受賞対象名
高齢者集合住宅 [上機嫌]
事業主体名
株式会社富士メディカルサービス
分類
住宅・住空間
受賞企業
岩堀未来建築設計事務所 (東京都)
株式会社空間システム研究所 (東京都)
受賞番号
15G090932
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

当施設は必要とされる高齢者住宅のプロトタイプとなるよう、「地域に馴染んだ」「訪れやすい」「適正な規模の」「暖かく、心地よい」施設を目指して計画されました。建築は風景に溶け込むよう平屋で計画され、住宅の延長である在来木造工法を徹底的に突き詰めた構造体は、合理的でありながら暖かい雰囲気を持った木造空間を実現しています。また外壁と屋根は外断熱とダブルスキン構造として室内環境の安定化も図っています。その環境の中に住戸に取り囲まれるようにデイサービス、リビング、ダイニング、談話コーナー、回廊、中庭、が配置され大屋根の下に住人に開放された心地よいコミュニティー空間が展開されています。(写真撮影 新建築社)

プロデューサー

株式会社空間システム研究所 代表取締役 笹 敦

ディレクター

岩堀未来建築設計事務所 代表 岩堀未来

デザイナー

岩堀未来、笹 敦、日比生寛史

岩堀未来 笹敦 日比生寛史

利用開始
2014年4月
設置場所

山梨県甲斐市下今井2977

仕様

木造平屋 延床面積801.41㎡

受賞対象の詳細

背景

近年、高齢者の為の建築は時代の要請もあり、飛躍的に増加しています。しかしながら未だ建築のスタイルは確立されておらず、プレハブの流用による仮設的な建築物や、一方では大規模な高級施設が多く見受けられ、本当に施設を必要としている人々のニーズに合う建築が非常に少ないのが現状です。当施設は企画の段階より、本来あるべきデイサービスと高齢者住宅について、運営者との打ち合せを重ねながら計画されました。

デザインコンセプト

自然環境・周辺地域・利用者・居住者のつながりを創り出す、開放的な「透る空間=透間(とおりま)」

企画・開発の意義

当施設のデザインに求められるのは、地域の伝統やコミュニティーを継承し、現代の技術により更に質の高い心地よい空間を創造することだと考えました。地域の特性を生かしつつ美しい風景に溶け込むようにコミュニティーのきっかけとなる様々な空間を配置する事により、清潔でありながらもどこか懐かしい、「心地よい場」が生まれ、そのことによりここで生活する高齢者の方々が活気ある楽しい生活を送れれば良いと考えます。

創意工夫

「透間」は、様々なかたちを持った場が連なるひとつながりの空間です。外壁や中庭に開けられた大開口部を通して、光、風、音、香り、視線、が透り、周囲の自然環境や周辺地域を感じ取ることができます。また生活する人達の気配を互いに感じることができます。 「透間」全体を覆う屋根は、2×12材(成294mm、幅38mm)という繊細な木材を細かいピッチで並べたジョイストスラブで、内部にこの木構造体を表しています。このジョイストスラブの屋根は、「透間」全体に一体感、親しみのあるスケール感、温もりのある材質感、を醸し出しています。 屋根と外壁は外断熱工法とし通気層を設けたダブルスキンです。この工法により平面的に広がる屋根からの熱輻射を抑え、「透間」全体に爽やかな空気感をつくり出しています。ストラクチャーとテクスチャーとシェルターの相乗効果を図り、「透間」に特別な質や開放感を与えることを意図しています。

デザイナーの想い

建築は形と空間を伴います。目新しい形や空間を持つ建築は目立ちやすいがその消費のスピードも速い。現代で問われているのは、もっと普遍的な光、風、熱、視線、音、気配など目に見えないエレメントのバランスと豊かな変化を敏感に感じとれるような開放的な空間をシンプルに創造することです。その過程を通して生まれる新しい空間の質や生活のあり方、人との関わり方を創造することが現代の建築家の使命であると考えています。

審査委員の評価

木造の高齢者施設のデザインは、ともすると木を強調しすぎたり、過度に伝統的な形態におもねったりしてしまいがちであるが、この施設は質の高いモダンな空間を、優しさと温かみのある木のデザインによって実現している。

担当審査委員| 古谷 誠章   篠原 聡子   中村 拓志   松村 秀一  

ページトップへ