GOOD DESIGN AWARD

キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ベスト100

受賞対象名
里山と一体となった農地付木造賃貸集合住宅 [tetto]
事業主体名
宮野敏男
分類
住宅・住空間
受賞企業
宮野敏男 (神奈川県)
株式会社プリズミック (東京都)
株式会社SALHAUS (東京都)
受賞番号
15G090918
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

東京郊外に計画した木造集合住宅。8戸の賃貸住戸と集会所からなる。居住者は、建築だけでなく敷地内の畑や休憩小屋など、周辺環境全体を生活の場として共有する。集会所は町内会長であるオーナーが地域の集まりなどに使用し、居住者が地域社会と関わりを持つきっかけとなる。「tetto」はイタリア語で屋根を意味する。専有・共有の屋外の居場所がふんだんに設けられていて、軒を大きく張り出した木造の大屋根がそれらを覆う。その下で展開される生活の様子が、居住者全員で共有できる風景(コモン・ランドスケープ)となる。木造集合住宅のイメージをポジティブなものに転換し、郊外ならではのおおらかな生活の場をつくることを目指した。

プロデューサー

株式会社プリズミック 早川佳希、木村映美

デザイナー

株式会社SALHAUS 安原幹、日野雅司、栃澤麻利

左より、安原幹、日野雅司、栃澤麻利

利用開始
2015年3月
販売地域

日本国内向け

設置場所

神奈川県川崎市麻生区

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

郊外生活を指向する人々のための、 里山と一体となった農地付き木造賃貸集合住宅

背景

駅から数分の徒歩圏内でありながら、豊かな自然が残る里山。ここで小規模農業を行うオーナーが、空き屋となった生家を集合住宅に建て替えることになった。建設可能範囲はもともと宅地であった部分に限られるが、全体敷地は4000㎡に及ぶ。オーナーの要望は、木造とすること、既存の休憩・集会所機能を残すこと、敷地全体をつかった特徴的な集合住宅とすること、の三点。希望者には畑を貸し出すというアイデアも持っていた。

デザイナーの想い

配置・平面計画からディテールに至る設計を通じ、室内/屋外、占有部/共用部、建築/ランドスケープといった通常は切り分けられる領域がなめらかに連続する開放的な住環境のデザインを心掛けた。閉じられた住戸ユニットの集積ではなく、恵まれた周辺環境を享受するための居場所として住戸や共用部を設計することで、居住者が「快適さ」を共有して生活する、新しい集まり方の可能性を開くことができたと考えている。

企画・開発の意義

働き方が多様化した今日、都心からの距離に拘らずより豊かな環境での生活を求める人々が増えてきている。本件は若い夫婦や子育て世代を対象とし、恵まれた周辺環境を最大限に生かした、賃貸床面積では計れない価値を居住者に提供する。開放的で相互に関係を持ちやすい住戸計画や、集会所や畑等を共有する仕組みを持つことで、賃貸住宅でありながら居住者同士、居住者と地域社会とが自然な結びつきを持てる住環境の実現を目指した。

創意工夫

建物を二棟に分割し、互いに向かい合う配置計画とした。がけ下にある南棟の1階はRC造の集会所とし、宅地の中心として位置づけた。その他の賃貸部分は在来木造の長屋形式で計画した。建物ボリュームを小さな単位に分節し雁行させながら配置したのは、建築と周辺環境の接点を増やすためである。内部においては、隣り合う住戸同士が複雑にかみ合うメゾネットとし、南面する広い間口のリビングと、様々な方向への眺望を全住戸に確保した。二つの住棟の間は、道であり広場でもある共用スペースである。そこに面して、集会所、各住戸のアプローチ、専有庭、ルーフテラスなど屋外の居場所を立体的にちりばめた。外構においては、床のレベル差や木製フレーム、RCのベンチ等がつくる複数の領域を重ね合わせることで、共用部と占有部が相互に浸透するよう計画した。各住戸は互いに適度な距離間を持ちながら、ゆるやかに関係づけられる。

仕様

賃貸8戸+集会所/木造一部RC造/敷地面積742.62m2/延床面積/467.70m2

どこで購入できるか、
どこで見られるか

株式会社プリズミック
http://www.prismic.co.jp/

審査委員の評価

集合住宅に里山を取り込み、農業を営むオーナーによる手足をとっての農業指導のもとに、住民が作物の栽培が可能な畑を設けるなど、新たな郊外居住の可能性を切り開く優れたアイディアである。

担当審査委員| 古谷 誠章   篠原 聡子   中村 拓志   松村 秀一  

ページトップへ