GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
賃貸住宅(リノベーション) [都会で暮らす私のための小さくて大きな「秘密基地」]
事業主体名
大和船舶土地株式会社
分類
住宅・住空間
受賞企業
神戸芸術工科大学 プロジェクトチーム (兵庫県)
有限会社ランドサット (大阪府)
大和船舶土地株式会社 (兵庫県)
受賞番号
15G090821
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

神戸市兵庫区にあり、築後約40年が過ぎた中規模賃貸マンション全体の再生をめざす住戸改修である。既に応募者たちによって2室の改修が終わり(昨年度のグッドデザイン賞受賞)、それに続く3室目の計画だ。個性的デザインの住戸改修を継続することで、古いマンション全体を甦らせようという実験である。しかも神戸芸術工科大学の授業に組み込んで最優秀の学生案を元に設計を進め、実践的教育の機会とした。実現した住まいは、新築の画一的なワンルームマンションとは対極的な、小さな住戸をさらに細かく分節し、幼い頃に夢みた「秘密基地」のような雰囲気をもつ空間であり、若い世代のスケール感や生活感を反映した新しい住戸プランとなった。

プロデューサー

大和船舶土地株式会社 鈴木祐一

ディレクター

神戸芸術工科大学 プロジェクトチーム(久木楓、花田佳明、川北健雄)+有限会社ランドサット(安田利宏)

デザイナー

神戸芸術工科大学 プロジェクトチーム(久木楓、花田佳明、川北健雄)+有限会社ランドサット(安田利宏)

久木楓、花田佳明、川北健雄、安田利宏

詳細情報

http://www.daiwasenpaku.co.jp/

発売予定
2015年7月
販売地域

日本国内向け

設置場所

神戸市兵庫区水木通8-1-24

仕様

RC造地上5階建ビルの3階部分、賃貸住居(36.68㎡)のリノベーション

受賞対象の詳細

背景

神戸市兵庫区水木通は三宮などの中心街とは違い、スーパー、個人商店、マンション、戸建て住宅などが混在する下町だ。一方、地下鉄等の駅が近く、若い世代を中心にした住まいの需要が見込める地域でもある。そのような環境の中、この中規模集合住宅は空室を抱えたまま老朽化が進んでいた。そこで、若い世代の都市生活に対する多様な要望に応えようと、全て異なるデザインの住戸から成る集合住宅への再生計画を昨年度から開始した。

デザインコンセプト

リノベーションによって個性的デザインの住戸を継続的に実現することによる小規模賃貸マンションの再生。

企画・開発の意義

本プロジェクトでは、様々なスケールやプロポーションの小さな空間をたくさん用意することで、家族向けのnLDKでもなく単身者向けのワンルームでもない、新たな居心地や機能性をもつ住戸タイプを提案した。そして、そのような作業の積み重ねによるマンション全体の再生をめざしている。このような事業は、画一的な新築集合住宅では難しく、小規模投資を時間差をおいて行うことができるリノベーションならではの発想といえる。

創意工夫

小規模マンションの住戸改修では、壁を撤去してワンルーム化し、広さやフレキシビリティを確保する傾向にある。しかし本プロジェクトでは、それとは全く逆の方法、つまり多くの壁を設け、たくさんの小さな空間に分節する設計手法を試みた。そして、各空間に様々なスケールとプロポーションを与え、立体的にも積み上げ、それらが中央の湾曲した天井の高い空間を挟んで向かい合う構成とした。その結果、多くの人が幼い頃に夢見た秘密基地とでも言うような空間が生まれ、住むことの楽しさを再認識させる住戸となった。また、層状に重なり合う空間を介して、周囲の雑多な都市の風景と程よいつながりも獲得できた。 我々は、このような小さなスケールの多くの空間から成る構成は、独り暮らしであっても多くの友人を招くことができるなど、若い世代が望む生活像に合致していると予想しており、本プロジェクトが設定したターゲットへの有効な答えにだと考えている。

デザイナーの想い

まずは、マンションの小さな住戸であっても、新しい生活像を想像させてくれる新しい空間構成はまだまだあり得るということを示したかった。このプロジェクトの空間を体験した人は、「ここでならこれまでとは違う生活が始まりそうだ」と感じ、日々「あそこに早く帰りたい」と思うに違いない。また、そのような個別改修の積み重ねにより、古い建物が都市の中で再び存在意義を回復するということも、最終的には実証したい。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

神戸市兵庫区水木通8-1-24
大和船舶土地株式会社
有限会社ランドサット
神戸芸術工科大学 環境デザイン学科

審査委員の評価

築40年を過ぎた賃貸マンションの一室を改修したプロジェクトである。従来の集合住宅はnLDK型と呼ばれる個室とLDKの集合体として空間設計がなされてきたが、一人に一室を条件化したプランが住み手の数を限定し、少子化を誘導してきた。この計画では随所にロフトとも隠れ場所とも言えるプライベートなスペースが積層されており、住人が増えても吸収できるようなゲットー的な空間構成が実に多様で豊かな雑居性を作り出している。

担当審査委員| 古谷 誠章   篠原 聡子   中村 拓志   松村 秀一  

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