GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
農家の宿 [森の家]
事業主体名
森の家 佐藤春樹
分類
住宅・住空間
受賞企業
井上貴詞建築設計事務所 (山形県)
受賞番号
15G090817
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

山形県内でも奥深い地域にある築150年以上の古民家を、伝承野菜農家「森の家」の自宅兼宿としてリノベーション。「森の家」は室町時代から代々続く伝承野菜の里芋「甚五右ヱ門芋」を大切につくり続けている。ここでは現代的な農家民宿として、食や農に関心を寄せる人たちが宿泊者として訪れ、主人とも親しい地元の若手農家や鮎獲り名人または地域のおばあちゃんたちとその季節ごとの食をいただきながら交流することができる。また地域の寄り合いや行事のほか、食や手仕事を学ぶワークショップの会場としても使われている。

プロデューサー

森の家 佐藤春樹

ディレクター

佐藤春樹、佐藤衣利子

デザイナー

井上貴詞

詳細情報

http://www.morinoie.com/

利用開始
2014年4月
設置場所

山形県最上郡真室川町大沢2052

仕様

木造平屋建て 176.82㎡

受賞対象の詳細

背景

「甚五右ヱ門芋」をはじめ、近年山形県内では地域に古くから伝わる伝承野菜に大きな関心が集まっており、食と農をめぐる取り組みが盛んに行なわれている。「森の家」の20代目となる若き跡取りも、数年前に就農して以降、一度は途絶えかかった甚五右ヱ門芋の復活から作付け面積の拡大、全国的な販路の拡大など精力的に伝承野菜づくりに取り組み、また地域を巻き込んだ農業イベントなどを行なってきた。

デザインコンセプト

食と農/地域の内と外をつなぐ、伝承野菜農家のあらたな交流拠点づくり。

企画・開発の意義

築150年以上の古民家を再生することで地域に価値ある建物を残すだけでなく、伝承野菜農家の若い夫婦が現代的な古民家暮らしを実践する場とし地域に開くこと、また農家民宿の新しいかたちとして、地域の内外から訪れる宿泊者が地元の食や手仕事に触れながら、地元の若手農家や地域のおばあちゃんたちとも交流できる場を提供すること。

創意工夫

農業の傍ら施主自らセルフビルドを取り入れながら、元々はなかった部屋の仕切りや新建材など余分なものを少しずつ解体していき、本来の柱や梁、土壁などを取り戻す作業をおこなった。 玄関部分にはかつてあった広い土間スペースを復活させ、屋根裏の茅葺きや梁組が見えるようにし、農作業や地域の寄り合いなどもできるような空間にした。元の茶の間と台所は吹き抜けのある二間続きのキッチン+ダイニングとし、部屋の中心には屋根裏から出てきた古材を使ったダイニングテーブルを置き大勢で食卓を囲めるようにした。その隣りにある囲炉裏の間は従来通り畳敷きの部屋とし宿泊者がゆっくり休める部屋にした。 復活した土間スペースには土間に埋め込まれた「わらぶち石」(ワラ細工の材料となる稲ワラを木槌で叩いて軟らかくする際の台座石)がそのまま残され、改修後実際にその石を使ってワラを叩き、ワラ細工をつくるワークショップも行なっている。

デザイナーの想い

古民家再生というとどうしても敷居が高いイメージがあり特に若い世代には身近でない印象があるが、ここでは施主である若い夫婦自らそうした先入観にとらわれず、また農業という枠にもとらわれない様々な活動を地域ぐるみで展開しており、そうした自由な発想で、現代農家の新たな暮らしの実践の場としても、地域内外の人たちが気軽に訪れて交流できる拠点としても、幅広く対応できる大きな器のような場所になればと考えた。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

山形県最上郡真室川町
森の家

審査委員の評価

本対象は、築150年以上の古民家を改修した自宅兼ゲストハウスである。地域の価値ある建物を残すだけでなく、地域の内外から訪れる宿泊者が地域の食や手仕事に触れながら、地元の若手農家や地域のおばあちゃんたちと交流できる場を作りだした。古民家再生は決して目新しいことではないが、このプロジェクトは地域の生産や生活と連動した計画によって、多くの人に豊かな経験を作り出した。

担当審査委員| 古谷 誠章   篠原 聡子   中村 拓志   松村 秀一  

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