GOOD DESIGN AWARD

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2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

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受賞対象名
マイクロニードル技術 [生体溶解型マイクロニードル技術]
事業主体名
コスメディ製薬株式会社
分類
素材・部材/生産・開発・製造技術/製造法
受賞企業
コスメディ製薬株式会社 (京都府)
受賞番号
15G070638
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

本技術は、ヒアルロン酸などの水溶性高分子を目に見えないほど微細な針状に加工する技術。 微細に加工された針をマイクロニードルと呼び、これを剣山状に並べたシートを皮膚に直接貼ることで使用する。 従来、注射以外で経皮投与が困難であった高分子薬剤が皮膚へ貼るだけで注入可能となった。具体的には、薬剤成分等を内部に含んだマイクロニードルのシートを皮膚に貼ることで、マイクロニードルが皮膚に挿入され、皮膚内の水分で溶け出し、注射のように直接皮膚内に薬剤成分を届けることができる。現在は、化粧品として既に製品化し販売している。医療分野でも、インフルエンザワクチン等製品化に向けて研究開発を進めている。

プロデューサー

神山 文男、権 英淑

詳細情報

http://cosmed-pharm.co.jp/kenkyukaihatu/microneedle.htm

利用開始
2008年9月
仕様

ヒアルロン酸などの水溶性高分子を主成分としている数百μmの微細な針を剣山状に並べたシート。針の形状は、円錐型、コニーデ型。

受賞対象の詳細

背景

経皮吸収治療システムは皮膚を通じて薬物投与方法で、内服薬のように、肝臓などに負担をかけず、注射針のような侵入に伴う痛みが無く、副作用を軽減できるなど多くの利便性がある。ただ、皮膚吸収が難しく、投与できる薬剤が限定されていた。その欠点を克服する方法としてマイクロニードルが研究開発されてきたが、実用化には至っていなかった。

デザインコンセプト

皮膚内溶解物質特にヒアルロン酸等元々ヒト体内物質でマイクロニードル開発し、安全、効果的な製品の提供。

企画・開発の意義

本技術により、従来注射によってしか投与が難しかった様々な薬剤の新たな投与方法になることで、薬剤投与が簡便になる、自己投与も容易となる、痛みが無い、保管輸送の簡便化など様々なメリットを提供できる。特に、医療従事者が少ない発展途上国の医療体制向上に大きな貢献が可能となる。

創意工夫

マイクロニードルは、シリコンや金属など材料として作ることが主流で、米国などを中心に長年研究開発が行われてきた。ただ、皮膚の中で折れることで体内へ残留するリスクがあることや大量生産が困難であるなどの欠点を有し、実用化、製品化が実現できていなかった。そこで、皮膚の中にも存在するヒアルロン酸やコラーゲンを主素材に用いることで、これらの従来の問題を解決できるのではないかと考え、開発を行った。異なるディメンジョンの試作品を重なって、皮膚への注入部位を厳密コントロールするため、皮膚の浅い部位にはコニーデ型、皮膚の深部へは円錐型のニードル形状を生み出した。製造法も無菌的鋳型製法により世界で初めて工業的生産法を確立した。

デザイナーの想い

マイクロニードルは、開発当時シリコンや金属の材質が主流で安全性にリスクを感じた。そのため、ヒアルロン酸等皮膚本来の成分に着目して試作を開始した。ヒアルロン酸は美容注射が行われているが、本技術で”貼る注射”の感覚で日常ケアが可能となると考え、針を超微細化し、まず化粧品に応用した。医療分野では、パンデミック時に大規模ワクチン接種が可能になる等人類のQOL向上に大きな貢献が可能だと考えている。

審査委員の評価

高い技術に裏打ちされ、また新しいドラッグデリバリーの方法としても期待の持てる案件である。これにより軟膏や貼付剤よりも優れた薬剤等送達効果が期待でき、その意味でもデザイン性に画期性がある。相応のポテンシャルはあるものの、現時点では医療用途としての薬事承認はなく、すなわちコンセプト検証が医療用途では終了していない。このため、今回は製品化されている美容用途に限り評価に値すると判断し、今後医療用途としての実現の際には再度そのデザイン性を評価したいと考える。

担当審査委員| 小林 昭世   内田 毅彦   内田 まほろ   緒方 壽人   村上 存  

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