GOOD DESIGN AWARD

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CC

2015

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
漆器 [めぐる]
事業主体名
株式会社明天
分類
キッチン用品
受賞企業
株式会社明天 (福島県)
受賞番号
15G030200
受賞概要
2015年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

『めぐる』は、漆器本来の心地よい肌触りや口当たり、そして抱き上げたくなる優しいかたちを追求した商品です。会津漆器の腕利きの職人たちとダイアログ・イン・ザ・ダークの目を使わないアテンドたちがコラボレーションしました。両者が熱く対話を積み重ねながら、約1年をかけてじっくり商品開発しました。視覚障がい者が持つ秘めたる力を最大限に引き出した取り組みから生まれた、伝統文化を更に極めた「インクルーシブデザイン」の商品です。

プロデューサー

ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン 代表 志村真介、志村季世恵

ディレクター

株式会社明天 代表取締役 貝沼 航+有限会社ペーパーバック 代表 則武 弥

デザイナー

ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン アテンド 川端美樹、足利幸子、大胡田亜矢子 + 会津漆器職人 石原晋(木地師)、荒井勝祐(木地師)、吉田徹(塗師)、冨樫孝男(塗師)

ダイアログ・イン・ザ・ダークのアテンドたち

詳細情報

http://meguru-urushi.com/

発売
2015年7月2日
価格

7,560 ~ 37,800円

販売地域

国内・海外共通仕様

仕様

『めぐる』は、“手から離したくない”究極の手触りを追求した会津漆器。飯椀・汁椀・菜盛り椀からなる「三つ組の入れ子椀」で構成。安心して持つことのできる「水平(黒)」と優しい丸みのある「日月(赤)」の2種類。<大>口径12.8cm×高さ7.2cm <中>口径11.5cm×高さ5.8cm <小>口径10.3cm×高さ5.0cm <重ねた高さ>9.0cm

受賞対象の詳細

背景

400年の伝統ある会津漆器とダイアログ・イン・ザ・ダークがコラボレーションした商品です。ダイアログ・イン・ザ・ダークは、暗闇のソーシャルエンターテイメント。参加者は完全に光を遮断した空間の中へグループで入り、暗闇のエキスパートであるアテンド(視覚障がい者)のサポートのもと様々なシーンを体験し、人のあたたかさを思い出します。これまで世界で800万人以上、日本でも16万人以上が体験しています。

デザインコンセプト

禅宗の僧侶が修行で使う「応量器」にヒントを得て、飯椀・汁椀・菜盛り椀からなる「三つ組の椀」で構成。

企画・開発の意義

「応量器(おうりょうき)」には、命の重さ、心の深さ、天地への感謝を学ぶためのデザインが施されています。赤ちゃんの時は小さな椀から使い始め、成長と共に使われるお椀も増えていく。そして将来、人生のお守りのような器と共に新しい家庭を作る。そんな長い物語に寄り添う器となることを願っています。私たちがデザインしたのは、漆器という器が寄り添う「引き継がれていく丁寧な暮らし」そのものです。

創意工夫

「水平(黒)」は「器の腰に水平のラインがあることで、私たちは器の正しい傾きが分かり中身をこぼしにくくなる」というアテンドの声から、「日月(赤)」は「ずっと手の中に包んでおきたい」というアテンドの感性から、それぞれ生まれました。 親から子へ、そして孫へ。いのちが巡るように『めぐる』は旅をします。漆器の良さは、長年使って少し疲れても、塗り直しをすれば新品同様に生まれ変わること。割れや欠けも修理が可能です。そのために必要なのが、原料である漆。しかし今、国産の漆は全流通量の2%程度になってしまい危機的な状況にあります。そこで、『めぐる』の売上の一部は、「NPO法人はるなか・漆部会」による会津での漆の植栽活動へ寄付されます。そこで育てられた木から採られた漆で、将来、このお椀の塗り直しを依頼していただくことができます。そして、その修理の仕事は、産地の若手職人たちの仕事づくりに繋がっていきます。

デザイナーの想い

いい漆を使い、きちんと手間と時間をかけて作った漆器は、人の肌と同じ心地良さを持っています。 そして、毎日使うとどんどん色艶が増していく、育っていく器です。 永く使っていく暮らしの道具だからこそ、触り心地の良さが愛着に変わります。 私たちは、視覚障がい者の方々の力を借りて、この漆の器が本来持っている一番いい力を真っ直ぐに引き出しました。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

専用ウェブサイト等にて販売
めぐる専用ウェブサイト

審査委員の評価

400年の伝統を持つ会津漆器の新しい試みである。漆独特の人肌のような滑らかさに注目し、触り心地を起点とした開発手法は特筆に価する。視覚障害者と職人が協業し、触覚で形をさぐるアプローチに、つい視覚優位で進めている日常のデザイン手法の再考を迫られる。椀の水平の角を基準に使い、手や体の角度を制御しているという指摘は、誰もが意識せず行っている体の動きであるが故に、目から鱗が落ちる思いであった。

担当審査委員| 鈴木 元   川島 蓉子   倉本 仁   佐藤 弘喜   Ulrich Schraudolph  

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