GOOD DESIGN AWARD

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CC

2014

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
復元模型による被災地支援活動 [「失われた街」模型復元プロジェクト]
事業主体名
「失われた街」模型復元プロジェクト実行委員会
分類
都市づくり、地域づくり、コミュニティづくり
受賞企業
「失われた街」模型復元プロジェクト実行委員会 (兵庫県)
受賞番号
14G141182
受賞概要
2014年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

東日本大震災とそれにともなう大津波によって大きな被害を受け、失われてしまった岩手・宮城・福島の3県の街や村を、全国の建築学生のボランティアによって、縮尺1/500のジオラマ模型で復元します。また制作した復元模型を各被災地に一定期間展示し、住民とのワークショップを通して白い模型の上に記憶の旗を立て、着彩を施していくことによって、地域に育まれてきた街並みや環境、人々の暮らしの中で紡がれてきた記憶を模型の上に保存・継承していくことを目指した複合的な復興支援プロジェクトです。

プロデューサー

槻橋修

ディレクター

槻橋修 + 神戸大学槻橋研究室

デザイナー

久野紀光・清水裕二・鈴木伸治・曽我部昌史・中村勇大・福屋粧子・古谷誠章・宗本晋作 + 他、全25大学・31建築系研究室・グループ

詳細情報

http://losthomes.jp

2011年3月25日開始、6月以降、岩手・宮城・福島の被災各地の模型制作と展覧会、WSを順次開催中
2011年6月28日
設置場所

2014年6月現在46地域の模型制作、東京・神戸・盛岡等にて7回の展覧会、被災地21地域でWS開催

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

街は記憶でできている。街が失われても、街に宿っていた記憶を取り戻し、共有することから再生がはじまる。

背景

東日本大震災により、特に岩手・宮城・福島の太平洋沿岸部に位置する街や集落ではその景色が一変してしまうほどの甚大な被害を受けた。急ピッチで復旧が進められる中、かつてのふるさとを思い出せなくなっている被災者も多い。また福島第一原発事故によって住み慣れた街から避難を余儀なくされた人々も先が見えない避難生活を送る中で、ふるさとの風景はひとびとの心の拠り所となっている。

デザイナーの想い

復元模型には子供から高齢者まで、素人から専門家まで、震災前を知らない人々にも、かつての街の豊かさを伝える力がある。私達は復興の現場において、世代や立場を超えてひとつの地域を再生していくプラットフォームを構築したい。ふるさとの記憶を模型の上にみいだすことにより、被災した方々に街を再び主体的につくっていくきっかけを見いだしてもらいたい。そして未来の世代にふるさとの豊かさと震災の記憶を継承していきたい。

企画・開発の意義

大災害からの復旧・復興では社会の活動を再生し、インフラや住宅を新たに建設することに大きなエネルギーが費やされるが、一方で私たちが失ったものについて、理解し共有するための支援が必要である。一度時間を巻き戻し、街を復元する。そしてそれらがすべて失われてしまったことを今一度、理解する。時間がかかったとしても、それは社会にとって治癒のプロセスではないか。街の復興、人々の心の再生はそこからしかはじまらない。

創意工夫

①思いを持つ全国の建築学生が、被災地との関わりを持つ“きっかけ“となるツールとして「模型」に着目した。制作過程で被災した土地への理解を深め、そこから地域とのコミュニケーションを図ることができる。②WSにおいて、住民の方々は自らの内にある街の姿を復元模型に重ね合わせ、学生たちとまたは住民同士で語らいながら街の記憶を呼び起こしていく。また模型というモノが媒介となることで、話し手の緊張を和らげる効果もある。③模型の縮尺は住み慣れた街を俯瞰し、覗き込んで街並みを想起しやすい1/500とし、各模型のサイズは1m四方に統一することによって、被災地の多様性やそれぞれの街に宿っていた記憶の固有性が鮮明に表現されるように工夫した。規格の単純明快さが、より多くの建築学生と被災地住民のプロジェクトへの参加を可能とし、ムーブメントの持続に寄与している。

仕様

[縮尺1/500復元模型制作]全25大学の31研究室・グループの協力により、2014年6月現在までに46の被災地の復元模型を制作。[復元模型ワークショップ開催]46の内、21地域にて震災以前の街の記憶を模型の上に記録する住民参加型のワークショップを開催(総来場者数約8,000人)。[復元模型展覧会開催]盛岡・東京・大阪・神戸などにおいて、復元模型展覧会を開催(総来場者数約21,000人)。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

WS・展覧会を各地にて開催しており、当プロジェクトHPおよびFaceBookにて随時告知しています。
「失われた街」模型復元プロジェクトHPページ

審査委員の評価

地域の住民が共同で参加する仕組みとしての模型の利用、ワークショップの手法などが、記憶を保存する活動としてだけでなく、消えた街を弔い、災害を乗り越えて先へ歩みを進めるための手続きのデザインとしても高く評価されました。

担当審査委員| 南雲 勝志   石川 初   林 千晶   横川 正紀  

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