GOOD DESIGN AWARD

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特別賞
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CC

2014

GOOD DESIGN|グッドデザイン・地域づくりデザイン賞

受賞対象名
景観保全プロジェクト [石積み学校]
事業主体名
石積み学校
分類
公共向けの活動・取り組み、社会貢献活動
受賞企業
石積み学校 (徳島県)
受賞番号
14G141170
受賞概要
2014年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

「石積み学校」とは、石積み技術を持つ人・習いたい人・直してほしい田畑を持つ人の3者をマッチングし講座を開催する仕組み。修復出来なくて困っている人の田畑で、実際の修復作業を通じて技術を習うことで、技術の継承と修復のボランティアを同時に行う複合的な目的を持つ。受講生は受講料を払って参加し、この収入で講師料や事務局の必要経費等をまかなう。これにより小さな経済を生み、持続可能性のあるシステムとしている。幾世代にもわたって農民の間に伝えられてきたが現在はほぼ途絶えている石積みの技術を新しい形で継承することで、中山間地の資源であり文化である棚田や段畑の風景を技術の面から支えようとするものである。

プロデューサー

徳島大学大学院 ソシオテクノサイエンス研究部 真田純子

ディレクター

徳島大学大学院 ソシオテクノサイエンス研究部 真田純子

デザイナー

徳島大学大学院 ソシオテクノサイエンス研究部 真田純子

詳細情報

https://www.facebook.com/ishizumischool

利用開始
2013年3月5日
価格

3,000円 (1回の講座参加費)

仕様

石積み技術の継承と石積み修復のボランティア。1回の講座開催は10〜15人程度、2日間で幅10〜15m×高さ2m程度の箇所を修復する。参加費は2日間で3000円。

受賞対象の詳細

背景

石積みによる棚田や段畑は地域の景観資源や文化となっており、景観計画で保全するよう決められているところもある。しかし代々農民の間に伝えられてきた石積みの技術は80歳前後より若い背世代にはほとんど継承されておらず、保全計画の運用が難しいという実態もある。そのため、各地の石積みはコンクリートに変わったり、崩れたままになったりしているところも多い。そこで、技術の継承と修復の手伝いを行う必要があると考えた。

デザインコンセプト

技術の継承と同時に困っている人の修復の手伝いも目的にいれ、かつ持続可能性を持つシステムにすること。

企画・開発の意義

棚田や段畑の風景の景観的な価値のみならず技術に注目し、農村で代々引き継がれてきた空石積みの技術を継承することに価値を置いた。また本プロジェクトによって、これまで単に農地の擁壁としか考えていなかった地域の人々にも景観的に地域の資源であると認識してもらうことを狙っている。石積み学校を運営するシステムに少額ではあるがお金の流れを入れることで、この技術が田舎での生業になり得ることを提案しようとしている。

創意工夫

・石積み学校の展開範囲を設定するにあたり石積み技術の基礎的なルールを調べた結果、石の性質や形状が異なっていても構造に関わる基本的な積みの技術は共通していることがわかった。そのため、石積み学校は全国的な範囲で展開できるシステムであることを確認した。・石積み学校の開催形式を「事務局企画」「地元団体が誘致」「研修(団体での申し込み)」ど多様性を持たせ、開催しやすくした。・石積み学校の存在や仕組みを広く知ってもらうため、開催の情報を出すFacebookページを作成し、それを宣伝するための媒体を作成した。これを単なる石積み学校の紹介に終わらせず、技術をまとめた冊子とし、これに石積み学校の情報を載せる形とした。結果的に冊子そのものに情報としての価値を持たせられたため、全国各地から冊子の送付希望が寄せられ、Facebookページの閲覧数も増え、コンスタントに参加者や教室提供者を集められることとなった。

デザイナーの想い

中山間地の農村が活性化するためには、そこにある景観的資源などを積極的に保全・活用していく必要がある。一般的に行われるオーナー制では耕作面の保全は出来るが基盤の保全までは対応出来ないため、いずれ棚田や段畑の風景は崩れて、中山間地の文化や資源は失われる。保全のルールを作ったとしても技術の継承がされなければ運用は出来ない。技術を継承することで、中山間地の集落を活性化させ次世代に継承していく一助としたい。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

徳島県吉野川市美郷、徳島県三好市池田
石積み学校

審査委員の評価

石積みによる棚田や段畑は地域の資源でもあり、美しい景観を構成する要素である。しかしながら現実は高齢化や資金の問題などで放置され、崩壊していく例が少なくない。この「石積み学校」はそうした問題に対して、石積み技術を持つ人、習いたい人・直してほしい人の3者をマッチングし講座を開催する仕組みである。習いたい人が講師料を払うので持続性が期待できる。参加者全員が知らず知らずのうちに技術習得や達成感を味わい、いつの間にか田畑の保持、景観の保全が出来るという非常に上手い仕組みである。高齢過疎、中山間地域の保全の在り方に一石を投じている。

担当審査委員| 南雲 勝志   石川 初   林 千晶   横川 正紀  

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