GOOD DESIGN AWARD

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CC

2014

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
伝統工法の継承 [木組耐力壁が繋ぐ大工の技能]
事業主体名
東日本ハウス株式会社
分類
ビジネスモデル・ビジネスメソッド
受賞企業
東日本ハウス株式会社 (岩手県)
受賞番号
14G131102
受賞概要
2014年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

多くの住宅会社が採用する構造体プレカット加工は著しい進化を遂げ、一度もノミを使うことなく住宅を完成する事が出来る。木組や継手の良さを将来に受け継ごうとする動きが有るにも拘らず現在の大工がそれに触れるきっかけさえ無く、職能自体の根幹さえ失われ将来の担い手の減少へと繋がっている。当社は古来から伝わる木材加工技術を後世に伝える為に木組耐力壁を開発した。合決という最も初歩的な継手技術であるがノミさえ使った事のない若い大工にとっては今まで経験の無い技術の習得と木組みの素晴らしさを心と体に刻む事が出来る。量産性の高い住宅を供給する会社として現実的に普及可能な技術レベルで伝承技術を若い大工に受け継いでいく。

プロデューサー

東日本ハウス株式会社 商品開発部

ディレクター

東日本ハウス株式会社 商品開発部

デザイナー

東日本ハウス株式会社 商品開発部

発売
2011年4月
価格

120,000円/枚

販売地域

日本国内向け

仕様

木造軸組構造用耐力壁

受賞対象の詳細

背景

木造軸組工法に於いて仕口や継手の伝統技術継承の必要性は語られて久しいが、それを実施出来る者は一部に限られる。効率化を求める余りプレカット加工は建築をプラモデルの様にした。大工たるべきプライドさえ失われ将来の担い手さえ危ぶまれる。顧客に対して風が通り、光が差し込む快適な居住空間を作る木組耐力壁はノミさえ揮った事のない若い大工に伝統に触れるきっかけを作り出し、将来の担い手を作り出せると考えた。

デザインコンセプト

失われつつある優れた木材加工の伝統技術をその技能を持つ棟梁が若い大工に伝えるきっかけとなる構造体。

企画・開発の意義

木組耐力壁は現在の木造軸組工法が失いつつある高い靭性や、周囲の環境を取り込む開放空間造りを継承し、日本の気候風土に合った快適な居住空間を作り出している。併せて、技能者としての職能と、効率化が求められる実現場との乖離に対し、量産性の高い住宅を供給する会社として現実的に普及可能な技術レベルの木組耐力壁から展開を開始し、将来的にその距離を縮めて行こうと考えている。

創意工夫

一般に考えうる構造はすべてプレカット加工機により高い精度で加工がなされる。大工は技能者としての職能を発揮させる場を失ってしまった。そこで現代のプレカット加工機で加工出来ない人の触覚や木の特性を見分ける力を要する技術を使い、その作りあげる環境が住む人の暮らしを豊かにするものは何かという考えからこの格子耐力壁が作られた。1mモジュールを3等分し上下に各2本の横桟を持つ最小限の木組による耐力壁は光が差し込み、風が通りぬける開放的な空間を作りだす。木組が持つ高い靭性は巨大地震時に於いても倒壊する事無く生存空間を作り出す。現状のプレカット加工機による加工精度で初期剛性を上げる事が難しい木組の組手部分の最終調整は大工に委ね最大の強さを発揮させる。仕口継手の中でも初歩的な合決ではあるが、プレカット組立しか経験の無い若い大工に伝統技術に触れる最初の機会を与える。このきっかけが大工の職能継承へ繋がる。

デザイナーの想い

近年のプレカット技術の向上により、一度もノミに触れる事無く完成してしまう建物が増えている。その結果大工の大工たるべき職能さえ脅かしそのプライドさえ失われつつある。拘りのある業者は一部に限られ、多くはさらに効率化を進めプラモデル化を加速している。この木組耐力壁は仕口の初歩の合決で有るがノミさえ使う事の無くなった若い大工達に伝統技能に触れるきっかけと大工のプライドを取り戻している。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

東日本ハウス株式会社 全国支店 営業所

審査委員の評価

住宅業界において構造体プレカット加工は著しい進化を遂げ、一度もノミを使うことなく住宅を完成させることができる時代となった。大工の伝統技術/専門性は失われつつあり、将来の担い手の減少へと繋がっている。そこで技術継承とプライド復興のため本対象のプログラムが生まれた。木組耐力壁である理由は、現代のプレカット加工機では再現できない人の触覚や木の特性を見分ける力を要する技術であること。また住み手の暮らしを豊かにするものであること、というふたつの条件を満たすモノとして開発された。木組耐力壁は合決という技法で作られる最も初歩的な継手技術であるが、ノミさえ使ったことのない若い大工にとっては未経験の技術習得が必要となり、木組みの素晴らしさに触れるきっかけとなる。無論ただのトレーニング活動ではなく、量産性の高い住宅会社として現実的に普及可能な技術レベルをスタートラインとして設定している。先端技術は困難を容易へ変換し、一方で専門性を排除する。その結果として生じる職業意識やスキルの損失は看過できない問題である。市場から乖離することなく、職の誇りに着目/復興させるバランスの取れたプログラムとして高く評価した。

担当審査委員| 暦本 純一   江渡 浩一郎   中川 淳   日高 一樹   松下 計  

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