GOOD DESIGN AWARD

キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2014

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
家具転倒防止器具 [スーパータックフィットMNT]
事業主体名
三菱地所レジデンス(株)+野村不動産(株)+東京建物(株)
分類
ビジネスモデル・ビジネスメソッド
受賞企業
三菱地所レジデンス株式会社 (東京都)
野村不動産株式会社 (東京都)
東京建物株式会社 (東京都)
受賞番号
14G131091
受賞概要
2014年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

「住宅内での安全確保に資することが、住まいの提供者としての責務である」と考えた住宅デベロッパー3社が、一般家庭における普及を目的として、家具転倒防止器具を共同開発。技術メーカーの協力の下、固定が容易な粘着ゲル、長さ調節が可能な耐震バンドを採用し、様々な「人・場所・家具」に対応可能で、誰にでも取り付け易い商品を開発した。開発過程では実際の地震波を再現した振動実験を、大学の協力を得て約100回に亘り行い、住宅での実用性を高めるための検証を実施した。なお、地震波については、第三者評価機関の協力を得て選定した。導入にあたっては、新築マンション購入者への配布等、各社の顧客接点を活用した普及を図っている。

プロデューサー

三菱地所レジデンス(株) 商品企画部 榎並秀夫+野村不動産(株)住宅事業本部商品開発部 三井宏友 +東京建物(株) 住宅商品管理部 小間泰

ディレクター

三菱地所レジデンス(株) 商品企画部 石川博明+野村不動産(株) 住宅事業本部住宅建築部 鈴木哲行+東京建物(株) 住宅商品管理部 高三潴亮助

デザイナー

三菱地所レジデンス(株) 商品企画部 中川裕史+野村不動産(株) 住宅事業本部商品開発部 曽田朋恵+東京建物(株) 住宅商品管理部 高三潴亮助

配布開始
2014年1月
販売地域

日本国内向け

仕様

■耐震バンド2本=材質:ポリエステル(ベルト部分)、ポリアセタール(バックル部分)、アルミ(金具部分)/伸縮範囲:約200mm〜330mm■粘着ベース4個=材質:粘着エラストマー(粘着部分)、高剛性ABS樹脂(構造部分)/寸法:70mm×50mm(粘着部分)■LK-GT(滑り止め器具)2個材質:ABS樹脂+アクリル樹脂/寸法65X65mm■その他対荷重量(目安):バンド1本あたり60kg

受賞対象の詳細

背景

東京消防庁は、近年の地震による負傷の3〜5割が家具類の転倒落下等に拠るものと発表している。一方、流通する家具転倒防止器具のうちネジ止め式は、取り付けが難しく、設置する壁には下地補強が必要となる。ポール式は、家具の高さによって設置が限定される等の課題を抱えている。より広く普及するためには、これらの課題を経済性をふまえて解決し、高齢化が進む中、老若男女誰もが取り付けできる器具を開発する必要があった。

デザインコンセプト

「住戸内減災」の為に住宅デベロッパーが開発した様々な「人・場所・家具」に対応可能な家具転倒防止器具。

企画・開発の意義

家具転倒防止器具は東京消防庁も普及を促進しているが、現在流通する商品の多くは、取付けの難しさや、壁や家具の条件によって設置が限定される等の課題を抱えており、更なる普及の為にはこれらの課題を解決することが必要と考えた。そこで住宅デベロッパー3社が、技術メーカーや大学、第三者評価機関の協力の下、実際の地震波を再現した振動実験を行う等、商品開発を主導し、導入にあたっては、顧客接点を活用した普及を図った。

創意工夫

■器具の固定が容易な粘着ゲルや長さ調節ができる耐震バンドを採用し、設置する人や家具の大きさを問わず、取付けを可能にした。また、器具の固定にネジ止め式ではなく粘着ゲル式を用いることで、下地補強がされていない壁面など様々な設置場所への取付けを可能にした。■技術メーカーの協力により、粘着ゲル、耐震バンド等、揺れを吸収し、直接的に家具に伝えない素材を採用することができた。■家具転倒率の高い地震波による振動台加振実験を、千葉科学大学の協力を得て約100回に亘り実施し、家具転倒の危険性を低減する為のデータを集積した。なお地震波については、第三者評価機関の協力を得て設定を行った。また、住宅用壁紙を用いた壁面に器具を接着したうえで加振実験を行う等、住宅デベロッパーとして実用性の高い実験を行った。■住戸内減災は住まいの提供者の責務であると考え、3社共同開発とし、商品の質の向上と効果的な普及・促進を図った。

デザイナーの想い

防災・減災に取り組むべき住宅デベロッパーとして、建物本体や防災用品等ソフト面での工夫に加え、多くの報告がされている家具転倒被害対策は責務であると考えた。普及・普遍化に向けた促進と、地震に「耐える」「強度を発揮する」に留まらない、揺れを「吸収する」「逃がす」といったデベロッパーならではの視点、および実際の生活者の視点を活かした実用性のある商品開発のために、3社共同での開発を実施した。

審査委員の評価

地震による負傷者の約半数は家具類の転倒落下等に拠るものであると、東京消防庁は発表している。しかし流通する家具転倒防止器具のうちネジ止め式/ポール式には、使用できる壁の位置や家具の大きさが限られるという問題があった。そこで開発されたのが本対象である。最大の特徴は、器具の固定に粘着ゲルを用いたことだ。これによりあらゆる壁に誰もが簡単に取付けることを可能とした。またゲルと繋がる蝶番と耐震バンドの3つの要素が、それぞれ地震の衝撃を吸収する。これまでの地震に耐える/強度を発揮する方法だけではなく、揺れを「吸収し逃がす」という発想は住宅デベロッパーならではのもので、さらに同業3社の共同開発である点が興味深い。関連会社ではない他社同士が「住戸内減災は住まいの提供者の責務」という共通の意識/目的を持ち、ノウハウを持ち寄ることで従来品を凌駕していくというのは、新たな商品開発の形態を提示している。[return]この発明手法は需要を前提としているため、居住者へ普及するまでのプロセスも明快である。問題提起から解決まで一貫しており、新たなチームワークの商品開発方法として高く評価した。

担当審査委員| 暦本 純一   江渡 浩一郎   中川 淳   日高 一樹   松下 計  

ページトップへ