GOOD DESIGN AWARD

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CC

2014

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
合板 [あかね合板(APボード)が作り出すこれからの山のすがた]
事業主体名
三交不動産株式会社
分類
ビジネスモデル・ビジネスメソッド
受賞企業
三交不動産株式会社 (三重県)
宮川森林組合 (三重県)
株式会社エム・エス・ピー (三重県)
受賞番号
14G131090
受賞概要
2014年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

あかね材とは育成不適地に植えた樹勢が弱い杉が罹るスギノアカネトラカミキリの食害を受けた木材の名称で被害は全国に広がる。製材後しか被害は判らず手間をかけ育てた木材も食痕で価値を失いチップや燃料となる。近年発生領域は宮川森林組合の研究でほぼ特定可能となった。我々はあかね材の高付加価値利用を目指し構造用合板の製造を行い、適正な資金を山に還元し次代の山の健全化を推進している。50年後同じ過ちを繰り返さない様に母樹の記録が有る実生から育てた地域性苗木を植え生態系の回復を行うと共に、新たな森林経済の創生に努めている。この資金は三交不動産が発生させたCo2をJ-VER制度で相殺した資金も当られている。

プロデューサー

戸建事業本部 商品開発部 商品開発課

ディレクター

戸建事業本部 商品開発部 商品開発課

デザイナー

戸建事業本部 商品開発部 商品開発課

詳細情報

http://home.sanco.co.jp/

発売
2010年4月
価格

1,500 ~ 4,660円/枚 (構造体として販売)

販売地域

日本国内向け

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

あかね材の高付加価値利用を行い山に適正な資金を還元し、次代に繋ぐ健全な山を作り出していく。

背景

三交不動産は三重県産材による構造体を供給している。製造は宮川森林組合と大台町と三交不動産の第三セクター工場で行われる。山から用材供給は豊富だがその活用を妨げるのがアカネ虫による食痕である。県を挙げあかね材の啓蒙活動やブランド化による認証制度を行っているが、その広がりはまだ限定的である。外観に影響されず高付加価値製品である構造用合板原料にあかね材を使用する事であかね材の活用領域を広げていきたい。

デザイナーの想い

今の山の景色は本来の景色では無い。戦後建築用材不足の折に、本来の山が持つ豊かな生態系による樹木を伐採し、人間に都合の良い樹種を植えた不自然な風景である。人間が自然に与えた不均衡な状態はアカネ虫被害という忠告を我々に返している。循環やサイクルという言葉は正しい言葉として使われるが現在の山を循環させてはならない。これからの社会情勢や山と人とのあり方を考え、山が本来持つ生態系を取り戻していく必要がある。

企画・開発の意義

手間と時間を掛けて育て商品価値が付いた頃に食害を受ける事で、山は大きな経済的打撃を被る。被害が予想される山での伐採→放置→腐朽→荒廃の負の連鎖を断ち、次へ山が踏み出せるだけの資金を山に返す事を行った。伐採後は50年後に同じ過ちを繰り返さない様に、治山治水目的、植林利用、景観資源等山域毎に山の機能の適正化を図りながら生態系の破壊や遺伝子撹乱を回避する地域性苗木を植え生態系を回復させている。

創意工夫

製材しなければその被害が確認出来ない。確認出来ても角材加工後では桂むき製造をする合板には利用出来ずチップや燃料になるしかない。この問題を解決したのは宮川森林組合による研究成果で有る。立地環境把握 毎木調査 樹幹解析等の調査結果をGISに入れ森林立地環境評価図を作成した所、本来の植性域には食害は少なく、他の樹種の植性域での植林木に食害が現れる適地適木の概念が導き出された。その環境評価図を基に現在の立木の用途を決めると同時に、治山治水目的、植林利用、景観資源等山域毎の次代の活用方法も決定している。再植林以外の山に対しては生態系の破壊や遺伝子撹乱を回避する地域性苗木の植林で本来の生態系に戻す活動を行っていく。併せて新たな森林産業の創生の為に観光や燃料や工業原料として森林資源活用にのりだした。また三交不動産が発生させたCo2をJ-VER制度で相殺した資金も当られている。

仕様

合板 1820mm×910mm×12mm・28mm 2000mm×1000mm×12mm・28mm

どこで購入できるか、
どこで見られるか

三交不動産株式会社 展示場
三交ホーム展示場案内

審査委員の評価

あかね材という名称の木材がある。育成不適地に植えた弱い杉が、スギノアカネトラカミキリという昆虫の食害にあった木材であり、被害は全国に広がる。あかね材か否かは製材後にしか判らず、あかね材の場合は食痕により価値を失いチップや燃料となる。これは手間と時間をかけて育てた商品価値が暴落するということであり、山は経済的打撃を受ける他、伐採/放置/腐敗/山の荒廃という負の連鎖の原因となる。それを断ち切るため本対象がプログラムされた。最終的な主旨は「現在の杉が大量に植えられた山は人工的/不自然な風景であり、次代に向けて生態系を取り戻す必要がある」というものであり、それは地域ごとの母樹から発芽させ育てた、地域性苗木を植えることで達成されていく。将来的にはそれら樹木の用途が生まれ、また景観資源となって地域の経済価値を生んでいく。このプロセスを実現するための資金源として、あかね材を合板として商品化し高付加価値利用をする試みが開始された。結果、チップとして処理されるのに較べ、多くの資金を山へ還元することに成功している。研究データに基づく実行プログラムと経済的好循環の実現、さらに本来の山の姿を復元することによる新たな森林経済の創世活動として高く評価した。

担当審査委員| 暦本 純一   江渡 浩一郎   中川 淳   日高 一樹   松下 計  

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