GOOD DESIGN AWARD

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2014

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
住宅分譲地 [分譲地「桜苑」]
事業主体名
敷島住宅株式会社
分類
住居に関するサービス・システム
受賞企業
敷島住宅株式会社 (京都府)
受賞番号
14G131088
受賞概要
2014年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

「桜苑」は関西近郊に残る農村集落の周囲に存在する耕作放棄地を開発した小規模住宅地である。里山の自然破壊等の環境負荷は少なく、人口減少、高齢化に悩む農村集落に若い世代が入る事で職業や世代構成の多様化が図れる上、一定の経済規模となる事で既存商店の復活や建築条件緩和による店舗付住居の推奨により街は活性化する。新たな入居者は農家とのふれあいや祭りや行事への参加により地域の伝統文化の担い手となる。団地内の理想郷を追い求めた大規模分譲地が高齢者孤島となる中、桜苑は人と文化のつながりにより、新たな入居者の幸せのみならず既存集落の人々も幸せにし、その街にしか無い価値を生み出す持続可能な分譲地開発である。

プロデューサー

敷島住宅 新商品プロジェクトチーム 植木慎也

ディレクター

敷島住宅 新商品プロジェクトチーム 吉原幹人

デザイナー

敷島住宅 新商品プロジェクトチーム 黄瀬雅之 萩原利昭 加藤武司 松本裕介

発売
2002年9月
販売地域

日本国内向け

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

新たに住宅地に住む人、近接の集落に住む人双方の幸せを実現し、その地の歴史や文化をも継承する住宅地。

背景

昭和30年代より同様の住宅地開発を行ってきたが当初の開発思想に特段の意思は無い。しかし、高齢化社会を迎え高度成長期に開発された大規模住宅地が空家の増加や老齢化に悩む現実に対し、当社の住宅地には多様な年代層が街に活気を与え、時を重ねる毎に隣接する集落と文化、環境、経済で一体化しその地の歴史を継承している現実が有った。この手法が持続可能社会の街づくりの可能性の一つと感じ企画を構築し継続実施している。

デザイナーの想い

整備された町並、しがらみの無い自由な暮らし、サラリーマン家庭のユートピアだった新興住宅地は現在限界集落化しつつある。桜苑を取り囲む環境は多様な世代や職業、昔からの決まりごと等、少し厄介でめんどうな事がある。しかし人と人の繋がりの大切さが判った現在、この様な人の繋がりが地域社会の価値となる。この価値は日常の暮らしや生きる喜び、伝統行事や非常時の共助等あらゆる局面でその地域に住む人々を助けて行く。

企画・開発の意義

高齢の農業従事者が多い伝統集落の人と若年サラリーマン家庭が多い新規入居者という異なる生活環境の人々が共に暮らす事で刺激あふれる繋がりを持ち、今まで無縁であった歴史や文化行事に参加し「受け継がれてきた歴史」と繋がる喜びを感じ、将来その歴史や社会を後世に伝えていく。その結果、当社の住宅地に住む人だけでなく、近接する伝統集落に住む人の幸せも同時に実現し、その街にしかない個性的な価値を作り出している。

創意工夫

里山を壊し新たな住宅地開発するのではなく、伝統集落に寄添う耕作放棄地を開発し、新旧住民の人口バランスを考えた30棟程度規模の小規模住宅地を作ることで一定規模の経済圏を確保し既存店舗の活性化や新規出店で街を活性化させ、祭りや地域貢献活動を通じ多様な職業や年代層の人々がふれあいその地に伝わる伝統を継承する社会を作りだす。一方では伝統集落の人にとって住宅地開発や新規参入者への警戒心は高く、新規参入者は伝統集落でのしがらみの強い社会に警戒感を持つ。その双方の警戒を早期に取り払う為に新規自治会の設立をせず既存集落の自治会への参入を勧めたり消防団活動への参加を促す。さらに建築条件を緩くし店舗付住宅を奨励する事で新旧住民のふれあう機会の多い街づくりで早期の融合を図っている。幸運にも接骨院 理髪店 居酒屋 透析医院 菓子屋など多くの会話を生む店舗に恵まれ人々の交流の機会を作り出している。

仕様

都市近郊伝統集落寄添型小規模分譲地

どこで購入できるか、
どこで見られるか

敷島住宅株式会社 本支店

審査委員の評価

都会ではあらゆるスペースを圧縮して、人々は密集している。一方地域は限界集落化し、誰も住めないほどの過疎化を迎えている。この社会問題にひとつの可能性を見出したのが「桜苑」である。新規の宅地開発は、特定エリアの土地を開拓/整備するところから始まる。対して「桜苑」は伝統集落に寄添う耕作放棄地を開発し、新旧住民の人口バランスを考えた30棟程度の小規模住宅地を作ることから始まる。無論、ただ人口密度の低い土地に住めばいいというコンセプトではない。新規自治会の設立はせず、既存集落の自治会/消防団活動への参加を推奨し、建築条件を緩和することで店舗併用住宅を誘致、新旧住民の交流機会を作り、早期コミュニティの融合を図っている。これらにより一定規模の経済圏を確保し、既存店舗/新規店舗で街を活性化させ、多様な職業や年齢層が地域そのものを継承していくことを目的としている。すでに22カ所で展開されているプログラムであり、実際に新旧住民のコミュニティを成立/街ごとに異なる個性が創出されている点から、持続可能な地域社会を実現するコミュニケーションデザインとして高く評価した。

担当審査委員| 暦本 純一   江渡 浩一郎   中川 淳   日高 一樹   松下 計  

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