GOOD DESIGN AWARD

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CC

2014

GOOD DESIGN|グッドデザイン・ベスト100

受賞対象名
美術館 [アーツ前橋]
事業主体名
前橋市
分類
公共用の空間・建築・施設
受賞企業
前橋市 (群馬県)
水谷俊博建築設計事務所 一級建築士事務所 (東京都)
株式会社エイトブランディングデザイン (東京都)
受賞番号
14G110949
受賞概要
2014年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

前橋の中心繁華街にある長年空きビルの状態であった旧デパートをコンバージョンし、街へつながる拠点として生まれ変わらせた美術館。旧施設の記憶を大切にしながら、全く新しいイメージが共存する、市民に親しまれる施設とした。「まちの散歩道のような美術館」とし、「プロムナード」と呼ばれる回遊空間を中心に、多彩なヴォリュームの空間が連続しながら施設全体を繋げることで、街から人々が気軽に散策しながら美術館の中へ中へと導かれていく。施設内の様々な大きさの窓や、あえてむき出しで残した既存建物の多様な姿が他の美術館ではみられない魅力を創出し、ぐるりと施設を巡る間に美術や建築自身の魅力、人々の活動に出会うことができる。

プロデューサー

前橋市

ディレクター

水谷俊博建築設計事務所 水谷俊博

デザイナー

水谷俊博建築設計事務所 水谷俊博、水谷玲子、平田悠+株式会社エイトブランディングデザイン 西澤明洋、柴田和花子

詳細情報

http://artsmaebashi.jp/

利用開始
2013年10月26日
設置場所

群馬県前橋市千代田町5-1-16

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

街の多様性と記憶を繋げ、散歩道のようにぐるりと回遊しながらアートや人々に出会い、まちへと広がる美術館

背景

他の地方都市同様、県庁所在地である前橋市においても中心市街地の衰退は著しく、百貨店や商業施設の大半が2000年代半ばまでに撤退した。本事業はその中で中心的存在であった民間大型商業施設(1987年開業)が2006年に閉店した後、中心市街地の再生を目指し市が建物を購入。7年にわたり美術館整備を進め、2011年に全国公募型の公開設計競技で設計者を選定、コンバージョンにより美術館として施設の再生を行った。

デザイナーの想い

地域市街地再生へ向けた先駆的な処方箋としての役割も期待され、様々な意味で街と美術館を繋げていくことを大切に考えた。その際、空間やプログラムをシンプルに純化したり、系統的かつ階層的なデザインコンセプト等でコントロールすることをあえてやめ、多様なデザイン要素を各々の特性を大切にしながら汲み取り、ジャスのモードのように繋げている。その結果、今までにない街と繋がる美術館のデザインが提示できていればと思う。

企画・開発の意義

各地方が多くの改修時期を迎える公共施設を抱える中で、本事業は既存施設のコンバージョンにより建物の長寿命化を図り(イニシャルは新築と比較し4分の3程度削減)、街から続く回遊性というデザイン面の刷新を行うことで、建物の記憶を留めながら新たな発信拠点を誕生させている。界隈にはアートスペースやギャラリーが増える動きがあり、建築の街への広がりが、衰退する地方都市を再生する一つのあり方の可能性を提示している。

創意工夫

「まちの散歩道のような美術館」として、「プロムナード」と呼ばれる回遊空間を中心に、多彩なヴォリュームの展示室が連続しながら施設全体を繋げている。街から人々が気軽に散策しながら美術館の中へ中へと導かれていき、施設内の様々な大きさの窓を通して歩きながら多様な景がのぞき見えたり、立ち現われていく。あえてむき出しで残した既存建物の躯体等建築要素の多様な姿が他の美術館ではみられない魅力を創出し、ぐるりと施設を巡る間に美術や建築自身、人々の活動に出会うことができる。また、外観はまちとの重要なインタフェースと考え、既存施設の外形を場所の記憶としてとどめながら新しいまちの顔としての表情づくりをおこなっている。既存躯体に手を加えることなく、構造負荷の低い特注のパンチングメタル素材を開発、採用し、地域に根差した新たな景観を再生することにより、文化拠点としてまちに繋がっていくような施設になることを目指している。

仕様

規模 敷地面積:2,629.69㎡ 建築面積:1,923.16㎡ 延床面積:5,517.38㎡(地下1階:2,164.86㎡ 1階:1,746.12㎡ 2階:1,606.40㎡) 建蔽率:73.13%(許容:90%) 容積率:485.41%(許容:600%)  階数:地下1階地上9階のうち地下1階、地上1・2階部分 構造 主体構造:鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造 杭・基礎:直接基礎

どこで購入できるか、
どこで見られるか

群馬県前橋市千代田町5-1-16
アーツ前橋
水谷俊博建築設計事務所
EIGHT BRANDING DESIGN

審査委員の評価

歴史遺産として高く評価された建築を保存・改修して美術館にコンバージョンされることは今までにも頻繁に行われてきたが、アート前橋は慣れ親しんできた日常の空間を非日常の空間へとコンバージョンした秀作である。ふつうの市民も通い慣れた場であるため親しみも湧く。柱梁という主要構造体には手を加えずにフロアレベルを上手くスキップさせ、躍動的な回遊空間に生まれ変えている。ゴムを利用したサイン計画も楽しいサステナブルなデザイン要素として効いている。

担当審査委員| 安田 幸一   高橋 晶子   廣村 正彰   山梨 知彦  

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