GOOD DESIGN AWARD

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CC

2014

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
保育所 [しぜんの国保育園(スモールビレッジ)]
事業主体名
社会福祉法人東香会
分類
公共用の空間・建築・施設
受賞企業
ナフ・アーキテクト&デザイン有限会社 (東京都)
受賞番号
14G110932
受賞概要
2014年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

様々な世代や文化の人々が集まって交流できる、小さな村のような保育園。敷地は前面道路から下ってゆく雑木林の斜面で、下った先に平場の園庭がある。その斜面に7つの建物と、長いスロープをつくった。スロープは山の遊歩道のようなカーブを描きながら建物同士をつなぎ、木々の間を通り抜け、緩やかな勾配で前面道路と園庭を結んでいる。園庭側の建物には異年齢で様々な活動ができる保育室があり、前面道路側の建物には事務室や遊戯室(シェアオフィス・コミュニティカフェ・タウンホールとして園外からの利用者も想定)がある。周辺に残る里山の自然・食育・芸術を取り入れながら、地域に開放されたバリアフリーな保育環境づくりを目指した。

プロデューサー

しぜんの国保育園 園長 齋藤紘良

ディレクター

ナフ・アーキテクトアンドデザイン有限会社 代表 中佐昭夫

デザイナー

ナフ・アーキテクトアンドデザイン有限会社 代表 中佐昭夫、青木大輔

詳細情報

http://www.naf-aad.com/works/2006/006.html

利用開始
2014年4月1日
販売地域

国内・海外共通仕様

設置場所

東京都町田市忠生2丁目5番地3

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

コンセプトは「スモールビレッジ」。園児が自然・食・芸術に触れ、地域社会と関わる小さな村のような環境。

背景

いまも周辺に里山が残っている東京都町田市忠生で、開園35年を迎える「しぜんの国保育園」が、老朽化によって建て替えを行うことになった。これまで培われてきた、自然・食育を保育に取り入れる特長を受け継ぎながら、近年問題になっている待機児童解消のために定員を増やすこと、将来の少子化時代においてもその定員を維持できるような、保育園としての魅力や地域施設としての利用価値を備えることが求められていた。

デザイナーの想い

多様性に富む自然に囲まれていること、様々な世代や文化の人々が交流することを想定し、建物はむしろシンプルな方がいいと考えた。雑木林だった斜面の敷地には木を幾つか伐採せずに残してあり、それを避けるため、また、風通しや採光を確保するために建物を分棟で配置している。その建物同士を緩やかなスロープで結び、8mの高低差がある前面道路から園庭まで、階段やエレベーターを使わず往復できるようにしている。

企画・開発の意義

子供が家庭で生まれ、地域の中で学び育つことを本来とするならば、保育園もそれを目指す方が自然ではないかと感じている。児童福祉法で定義される保育園は「保育に欠けるその乳児又は幼児を保育する」場所だが、女性の労働参加が促されるこれからの社会に、その定義を越えた枠組みの保育園(家庭の代わりとなり、老若男女が行き来し、教育・文化・地域交流がある場所)を、「スモールビレッジ」というコンセプトで提案した。

創意工夫

異年齢で様々な活動を行う3・4・5歳の保育室は、内部を「音楽」「ごっこ」「アトリエ」「ラボ」「建築」「図書」に区分している。その活動内容を充実させるため、保育園の事務室をシェアオフィスとし、それぞれの活動に携わる専門家(芸術家)が保育園自体を拠点として使えるようにしている。メインエントランスには、園児の父母や地域の住人が気軽に立ち寄れるコミュニティカフェを設け、その隣にある遊戯室をタウンホールとして地域に開放し、公民館のような使い方が出来るようにしている。保育園の周囲には里山があり、日頃から畑でとれた作物を園児が加工して給食に使ったり、木の実で作品を作ったりしている。それらを受け継ぎ、建て替え後の保育へ発展的に生かすため、園児と保育士を交えたワークショップを建て替え前の1年間で継続して行い、保育室での活動に対応した什器開発や、建物各部の仕上げ材および設備機器選定に反映させた。

仕様

構造:鉄骨造一部鉄筋コンクリート造 階数:地上2階地下1階 敷地面積:2432.63㎡ 建築面積:1236.60㎡ 延べ面積:1398.80㎡

どこで購入できるか、
どこで見られるか

東京都町田市忠生2丁目5番地3
社会福祉法人 しぜんの国保育園
ナフ・アーキテクト&デザイン有限会社 しぜんの国保育園

審査委員の評価

高低差のある雑木林の斜面地形をうまく使った保育園である。年齢毎に分棟した小さな家サイズの建屋群をカーブしたスロープでつなぎとめ、既存施設とも一体感が生まれている。スロープが建築内部を突き抜けていくユニークな動線計画はバリアフリー建築でもあり、また地域にも開放されていることなどのプログラムも含め、新しい保育施設のあり方を提唱している秀作である。

担当審査委員| 安田 幸一   高橋 晶子   廣村 正彰   山梨 知彦  

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