GOOD DESIGN AWARD

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特別賞
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CC

2014

GOOD DESIGN|グッドデザイン金賞

受賞対象名
高所作業用ランヤード [剣フック]
事業主体名
株式会社基陽
分類
開発・生産・製造用の機器・設備
受賞企業
株式会社基陽 (兵庫県)
受賞番号
14G070583
受賞概要
2014年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

建築業界は全産業の中でも依然として墜落・転落死亡事故の割合が60%と高く、墜落防止ロープは必携であるが高所での移動中のフック架け替え時に発生する落下事故が無くならない。このフックは架け替えのし易い構造を目指し、全体を大きくすること無く開口部のみを広げる工夫を施した。指の形を模した外れ防止レバーはすべり防止にも役立つと共に握ったときの安定感を増した。これら形状の工夫により開口部を従来市場にある製品に対して116%広げることに成功。この形状を鍛造アルミニウムのフックに用いることで従来フックの67%に軽量化。素材の良さをマットブラック塗装で表現し美観に富む製品となっている。

プロデューサー

藤田尊子

ディレクター

藤田尊子

デザイナー

藤田尊子

詳細情報

http://www.kh-kiyo.com/kh/archives/570

発売予定
2014年6月
価格

12,000円

販売地域

日本国内向け

受賞対象の詳細

デザインコンセプト

コンパクトでありながら、架け替えし易い開口部の広い超軽量アルミ鍛造フック

背景

一般的にフックが掛けられる足場用のフレーム(足場単管)の直径は48.5mmだが、市場のフックの開口部は55mmが一般的。握る指の厚みの15mmを差し引くと指が引っ掛かってしまい外しにくい。外すときは体重は後ろに傾くので、指に神経が集中するほど危険が増す。高所作業時の架け替えによる墜落事故はフックの形状の根本的な見直しが重要であるとの考えで研究開発に至る。

デザイナーの想い

外しにくいから2丁を持つことは正しい解決ではない。フックは使用しやすい形状へ改善されるべきものである。そして使用者が人間である以上そこには安全性だけではなく優しさ、暖かさも内包する製品こそが大きな付加価値をもたらす。軽量化も重要ではあるが、必要な部分は厚みを増すことで精悍さと強靭さを共存させている。使う人が使って良かっただけではなく、所有する喜びを感じてもらえることに注力した。

企画・開発の意義

架け替えが容易な形状であり墜落のリスクを大幅に減少させると共に、大幅な軽量化にも着手。その全てを機能として終わらせるのではなく、指の形をそのまま残し、細身の形状を鍛造技法のメリットである立体形状にして補強、塗装もアルミニウム独特のマットブラック加工により高いクオリティーを感じて頂けるフォルムと質感に仕上がっている。

創意工夫

架け替えしにくい構造のまま、2丁掛けを推し進める業界の流れに、根本は架け替えのし易いフックではないかと考え、フックに存在する2つのレバーの形状を模索した。目指したのは、美しいフォルムを備え、かつ小型化・軽量化を目差す反面、相反する事象である、開口部のより広いフックの完成である。その結果、指の形をそのまま残したデザインは、開口部65mmを実現し、指の厚みを差し引いても足場用フレームの直径を優に越える形状となった。指の形を残した理由は他にもある。一つは滑りにくく握りやすいこと。握りはじめと握り締めたときでは手の形は異なる。その際にもしっかり指一本一本に力が加わることは重要である。そしてもう一つは暖かさ。冷たい幾何学的な形状の中に人体の一部の形状を模すことで優しい温かみを感じて頂きたかったのである。

仕様

開口部が70mmと広く取り外す際に指が挟まれることなく、ストレスの無い着脱が可能な構造である。また素材は鍛造アルミを使用し32%以上も軽量化。鍛造品であることでの自由成型から細身でありながら安定感のあるデザインを形成。素材自体の持つ風合いから、マットブラックに仕上げることができ、質感のある高級仕上げを実現している。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

ホームセンター、作業用品販売店、金物屋

審査委員の評価

高所建設現場で働く人たちの命を守る安全帯。しかし、実はこの安全帯を外すときに、落下事故が一番起きやすいという。このフックは、高所での事故をなんとか減らしたいという思いから、「外れにくさ」ではなく「外しやすさ」を追求し開発された。スムーズな取り外しの機構と、開口部の拡張を実現し、また素材においてはアルミの鍛造で、色はマットなブラックというこだわりがなされ、命を守る道具としてだけでなく、一日中身につけるものとしての美的な側面まで意識されたプロダクトとなっている。機能面から精神的な部分にいたるまで、建設業界を下から支えるデザイン姿勢を高く評価したい。

担当審査委員| 安次富 隆   内田 まほろ   重野 貴   田川 欣哉  

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