GOOD DESIGN AWARD

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CC

2014

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
公共利用の歩行補助車 [自立歩行圏形成のための歩行補助車「まちなかウォーカー」]
事業主体名
富山大学/三協立山株式会社
分類
身の回り・ライフスタイル用品
受賞企業
三協立山株式会社 (富山県)
受賞番号
14G020127
受賞概要
2014年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

長寿化に伴い、身体機能が低下し自立した生活が難しくなる「虚弱」状態が長期にわたる高齢者が増えており、その期間の生き方や支え方が重要な課題となっています。富山市は、路面電車やバスなどの公共交通の活性化を軸に「歩いて暮らせる人間中心の快適なまち」づくりに取組み、買い物や医療をはじめとする生活サービス施設が充実した”まちなか”への住み替えを推奨しています。この公共利用の歩行補助車は、高齢者の「自力で歩く」という行為にこだわり、生き生きとした日常生活や人との交流を楽しむことができる生活圏の形成を目指し、富山市と連携して開発しました。街に住む高齢者、街を訪れる高齢者に気軽に安全に利用してもらいます。

プロデューサー

富山大学 芸術文化学部 准教授 河原雅典

ディレクター

三協立山株式会社 技術統括室環境技術推進課 川添晋

デザイナー

三協立山株式会社 三協アルミ社 商品企画部デザイン課 吉峯俊輔 / 三協マテリアル社 商品設計部商品設計課 大塚敬成 / 三協マテリアル社 製品技術部製品技術課 川﨑弘士

詳細情報

http://hokoken.org

利用開始
2014年6月
販売地域

国内・海外共通仕様

仕様

市街地や公共施設における高齢者の自立歩行補助を目的に開発された本製品は、200mm径のタイヤとアルミニウム押出材のフレームによって段差に強く取り回しのよい走行性と、低重心で倒れにくい安定性を実現。また公共用に欠かせない省スペース性として前後スタッキングできるのが大きな特徴である。外出中の休息やコミュニケーション時に有効となる大型座面と背当てクッションで快適性も高めた。

受賞対象の詳細

背景

高齢化問題は地方ばかりでなく都市部でも進展しています。足腰の機能低下により歩行が不自由になったことで外出意欲が低下している高齢者に対し、まちなかの「賑わい」を生かして、健康増進要因である「外出」と「交流」の促進を引出すための工夫や環境整備が重要です。「環境未来都市」に選定され公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりを標榜する富山市と連携し「高齢者も街に出て楽しめるコミュニティづくり」を目指します。

デザインコンセプト

高齢者の歩行能力を補完し安全を保ちながら、男女を選ばないスマートなスタイルと収納性を兼ね備えた歩行車

企画・開発の意義

介護保険制度を利用し歩行車を購入またはレンタルして使用する人は増えていますが、まちなかで見掛けることはほとんどありません。それは歩行車を電車やバスに乗せる事が困難なため杖で代用したり、街への外出自体を控える方が多いためと考えます。バス停や電停、商店街や高齢者マンションなどに、誰でも使える公共の歩行車を配備することで、高齢者の「外出」と「交流」を促し、健康増進とまちなかの賑わい再生に寄与します。

創意工夫

富山市は街中心部を路面電車が走っています。歩行車にとって路面電車の線路の溝や段差は障害ですが、富山市はこの路面電車などの「公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり」を標榜しており共存は不可避です。そこで、車輪の径を大きくしながらも低重心のアルミフレーム構造とすることで転倒し難い安定した走行性を確保しました。また、買い物の荷物を入れる収納部は前方と座面下に設置、前方のバッグは腰を屈めなくても使える高さとし、座面下のバッグは防犯性が高く財布などの貴重品を入れるのに重宝します。歩き疲れたときにチョット腰掛けたり、座っておしゃべりをするための座面の高さや広さは先に行なった社会実験での利用者の意見を活かすとともに、立上がる動作をサポートする立上がりグリップも設置しました。さらに公共スペースにステーションを設置し保管するので、スタッキング収納ができる構造とし省スペース化を実現しました。

デザイナーの想い

先の社会実験の男性(70歳代)のアンケートに「使えば楽だと分かっているがカッコ悪くて使えない」という声がありました。公共利用を謳う以上、女性だけでなく男性も使いたくなるデザインを追及しました。まちなかの風景に溶け込み「歩いて暮らせる人間中心の快適なまち」づくりのシンボルとしてこの取組みを全国に広げて欲しいと願うと同時に、東京オリンピック・パラリンピックのような機会での活躍を願っています。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

三協立山株式会社へ直接お問合せ下さい。※公共使用の歩行車で個人ユーザーへの販売は想定していません

審査委員の評価

地方都市に見られる車異存の社会に対し、富山市が取り組む公共交通を軸に歩いて暮らせるまちづくりの一環として、この取組みも公共交通と呼べる。3本のアルミフレームによるシンプルな作りで、安定性も高くすっきりした印象となっている。スタッキング時の姿も美しい。高齢者のための歩行補助車として地元の大学と企業によりよく議論が尽くされた印象を受ける。今後はこの車両の周辺も含めたシステムのデザインとしての完成度に期待したい。

担当審査委員| 渡辺 弘明   川島 蓉子   工藤 青石   寺田 尚樹  

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