GOOD DESIGN AWARD

キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2013

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
風評被害払拭プロジェクト [福島県いわき市「見せる課」設置による風評被害払拭プロジェクト]
事業主体名
いわき市
分類
公共のためのメディア・ソフトウェア・コンテンツ
受賞企業
いわき市 (福島県)
株式会社電通 (東京都)
受賞番号
13G141139
受賞概要
2013年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

福島第一原発での事故以来、その南側に位置するいわき市の農作物に風評被害が発生。それに対しいわき市は、独自に放射性物質の検査を実施して公表するなど、情報を隠すのではなく、積極的に開示する(=見せる)ことで消費者に判断を委ねてきました。そして2012年10月、いわき市はその姿勢をより明確化するコミュニケーション窓口として、市役所に日本初となる「見せる課」を設置。同課を中心に、風評被害の解決に向けた包括的な取り組みをデザインしました。農業に水産業・観光業を加え、いわきに関するあらゆる情報を網羅的に開示。この取り組みは、行政における組織横断的なチャレンジとして評価され、話題になりました。

プロデューサー

いわき市見せる課

ディレクター

株式会社電通 菅本英克

デザイナー

いわき見える化プロジェクトチーム

詳細情報

http://misemasu-iwaki.jp/

「見せます!いわき情報局見せる課」(通称、見せる課)が誕生した日
2012年10月1日
販売地域

日本国内向け

受賞対象の詳細

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

【風評被害に関する不安や疑問解消の「場」を提供】見せる課は、メディアや専門家によって意見が異なる「放射性物質による汚染」という不安に対し、いわき市の農産物・水産物・観光についての不安や疑問を解消する場所になりました。人々は市役所に置かれた「見せる課」の窓口やウェブサイトを訪れたり、バスツアー等に参加することで、自分の頭でいわきの風評に対する事実を理解し、判断ができるようになりました。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

【風評からくる不安解消にかかるコストを低減】原発事故以来、情報の真偽が見えない不安から、人々は必要以上に国産農作物を敬遠するなど、震災前にはなかったコストを生活上に発生させていました。見せる課ではいわきのものをむやみに避けたりするのではなく、十分な判断材料をもとに買う/買わないを判断するという、当たり前のことができるように情報の収集・提供を行ない、事実を「見せて」ゆくことでその解消を図りました。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

【風評による農業・水産業・観光業の機会損失を低減】原発事故以来、厳しい状況におかれたいわきの農産物や水産物、観光に関する情報を積極的に開示し、判断を消費者に委ねてきました。見せる課は独自に検査した放射性物質の検査結果を日々ウェブで開示すると同時に、首都圏のスーパーに特設売場を設置したりするなど、常に「判断材料とセットにした販売促進施策」を提供することで風評被害の解消を図っています。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

【原発事故における風評被害解消の先駆的事例】原発事故による風評被害は、資本主義国では日本が初めて直面する問題でした。それに対してお願いや同情でなく、ましてや情報を隠すのでもなく、ありのままの情報を積極的に開示することで風評被害を払拭していったいわき市の事例は、絶対に起きてほしくはありませんが、今後地球上で同様の事故が起きた時の先行事例としての活用が期待できると考えています。

ユーザー・社会に伝えたいこと

風評被害というが、買わない消費者は加害者なのか。十分な情報を与えられないまま食材選びを強いられる消費者もまた被害者なのではないか。我々はここからスタートした。震災が奪った「自ら判断し選択するという当たり前の行動」を取り戻すため、全ての情報をひたすら「見せる」。この目的のもと、官民を一枚岩にする、社会問題解決のデザイン。これは「いわきモデル」とでも呼ぶべき、風評被害払拭に向けた世界初の試みである。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

福島県いわき市内各所
いわき見える化プロジェクト 見せます!いわき情報局
見せます!いわき情報局Facebook

審査委員の評価

原発事故の影響で風評被害に苦しむいわき市が、放射線量などの情報を隠すのではなく、積極的に開示することが有効だと判断し、「見せる課」というキーワードのもとコミュニケーションを統合し、質の高い情報発信を実現した点を高く評価する。「透明性」の重要性を主張することは簡単だが、実現は容易ではない。ましてや公共機関ではなおさらである。いわき市は日本で初めて「見せる課」を部署として発足し、スローガンだけで終わらないよう農業・水産業・観光業を横断する具体的な活動を実施してきた。風評被害という未経験の社会課題に対し、官民が協力して解決を図ったことが、今後のよき手本となることを期待する。

担当審査委員| 中谷 日出   池村 明生   林 千晶   吉田 順一  

ページトップへ