GOOD DESIGN AWARD

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2013

GOOD DESIGN|グッドデザイン・地域づくりデザイン賞

受賞対象名
歴史的登り窯の再生 [三津谷煉瓦窯再生プロジェクト]
事業主体名
三津谷煉瓦窯再生プロジェクト実行委員会
分類
街づくり、都市づくり
受賞企業
NPO法人まちづくり喜多方 (福島県)
喜多方煉瓦會 (福島県)
受賞番号
13G110960
受賞概要
2013年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

喜多方に現存する、地域独特の景観形成に寄与している瓦や煉瓦を生み出して来た、明治中期開業の登り窯が、時代の淘汰に会い、風前の灯火となっているところを、市民有志の手で、活きた産業遺産として再起を図っているプロジェクト。小学生から90代の高齢者まで、男女を問わず誰でも参加でき、協働によって高度な作業を行いながら、街の中で実際に使用される、質の高い煉瓦を生み出している。フラットなコミュニティでの事業の推進を重視し、五感を駆使した身体機能の回復や、伝統技術の習得と非日常の体験を融合した、教育や観光的視点を持った、市民主導型の地域づくりプロジェクト。

プロデューサー

三津谷煉瓦窯再生プロジェクト実行委員会 喜多方煉瓦會

ディレクター

三津谷煉瓦窯再生プロジェクト実行委員会 喜多方煉瓦會

デザイナー

三津谷煉瓦窯再生プロジェクト実行委員会 喜多方煉瓦會

活動開始
2008年9月
販売地域

日本国内向け

設置場所

福島県喜多方市岩月町宮津字火付沢

受賞対象の詳細

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

素地の準備、施釉、薪割、窯詰め、焼成と全ての作業が、生身の身体を駆使して行われ、しかも高度な熟練の域に達するためには、人間としての五感を研ぎ澄ませながら、諸作業の経験を積み重ねる必要があります。現代の日常生活の中では、なかなか得られないこれらの体験を、老若男女を問わずに、しかも参加者個々のペースに合わせて、提供することが出来ます。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

土、水、木、火という、身の周りで使用されている、あらゆる素材の根源というべきものに、直接触れる機会をもたらすと共に、手の延長たる最小限の道具の使用方法の習得ができます。小学生から90代の高齢の方まで、さらに男女の区別なく参加でき、共同作業によって高度な仕事をこなし、質の高い製品を窯から取り出す時の喜びを共有することが出来ます。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

往時の煉瓦と比べても遜色のない製品を、焼き上げることが出来るところまで、技術的に成長し、窯の改修も年々進めてきた結果、一回の焼成により生み出される煉瓦の個数を、安定して確保できる目処も立ちました。さらにこれまでに焼成された煉瓦が、街の各所で使用されており、地域住民の目に留まる機会も増えました。今後は、歴史的建造物の補修に使用するなど、景観の保全に寄与出来る場面も増えてくると思われます。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

登り窯から生み出される、瓦や煉瓦は、究極のエコマテリアルといえます。多少の化石燃料は使用しますが、圧倒的に身体による作業が幅を占めます。焼成時の燃料として使う薪も、製材所から出る端材や、松くい虫によって枯れた近隣の赤松も使用する等、コスト削減と持続可能性を追及しています。製品は百年以上に渡って使用され、やがては土に返ります。このような循環型の製品思想について、学習の場を提供する事も可能です。

ユーザー・社会に伝えたいこと

時代の淘汰の中で駆逐された地場産業が、本来担っていたヒューマンスケールでの技術継承の在り方を、今再び見直す時期が来ていると思います。テクニカルな理論だけではなく、何故この技術がこの地域にとって必要なのか、必用だったのか、そして技術のもたらした効果が、地域の精神性にどのような影響を及ぼしたかという、バックグラウンドへの思考の展開が重要だと考えています。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

福島県喜多方市岩月町宮津字火付沢にある三津谷の登り窯
ふくしま観光ジャーナル取材記事 生きた産業遺産「三津谷の登り窯」(1)
ふくしま観光ジャーナル取材記事 生きた産業遺産「三津谷の登り窯」(3)

審査委員の評価

かつて地域独特の景観形成の中心的存在であった登り窯が経済の衰退と共に忘れられようとしていた。有志が集まりもう一度この登り窯と共に地域を元気にしようという運動が起きる。自分たちで苦労して技術を習得しながら、もの作りの難しさと楽しさを習得する。やがてそれを販売し、活動の糧とするまでになる。地域の魅力は地域ならではの素材と技であり、その継続が歴史をつくる。忘れかけた本質を改めて思い起こさせてくれた取り組みである。

担当審査委員| 南雲 勝志   廣村 正彰   横川 正紀  

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