GOOD DESIGN AWARD

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2013

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

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受賞対象名
丹生川ダム [丹生川ダム]
事業主体名
岐阜県、高山市
分類
社会基盤、プラットフォーム
受賞企業
岐阜県 (岐阜県)
高山市 (岐阜県)
株式会社クレアリア (東京都)
受賞番号
13G110949
受賞概要
2013年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

丹生川ダムは、人々を苦しめてきた洪水被害の防止や農業用水・水道用水の確保などを目的とするダムで、岐阜県高山市に建設された。周囲を豊かな自然環境に囲まれており、特にダムより上流部は風光明媚な木地屋渓谷として市民に親しまれている。ダム堤体の下流面は三枚の導流壁が下部に絞り込んだ形状となっており、我が国でも初めてのデザインにより、全体としてやわらかな表情を呈している。また、ダムの上流面は緩やかな曲線と円柱を基調として、湖水を包み込む優しい雰囲気をかもしだしている。ダムサイト周辺は複数の視点場設計を行い、ダム湖面・ダム堤体・ダムサイト広場と周辺の自然環境が一体となった新たな景観の形成に成功している。

プロデューサー

岐阜県、高山市、丹生川ダム景観検討委員会

ディレクター

篠原 修(GSデザイン会議)

デザイナー

高須 祐行(クレアリア)トータルコーディネイト 一丸 義和(国際石油開発帝石)堤体デザイン 川村 宣元(川村宣元建築事務所)建築デザイン 吉谷 崇 (設計領域)広場デザイン

詳細情報

http://www.pref.gifu.lg.jp/kendo/michi-kawa-sabo/kasen/anshin/gifudam/nyukawa.html

竣工、供用開始
2012年6月7日
販売地域

日本国内向け

設置場所

岐阜県高山市丹生川町折敷地

受賞対象の詳細

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

ダムは巨大構造物で人を寄せ付けない雰囲気がある。その巨大構造物と人間をつなぐため、ダムの付加構造物をそのバッファーとし、来訪した人々が直接接する道路やダムサイト広場の舗装材や手すりなど、特にヒューマンスケールと安全を意識したデザインとした。ダム管理所は、自然素材をふんだんに用いることで親しみを持たせ、また直接屋上に上り本施設全体を見渡せる場を提供しており、ダムと人をつなぐ施設として位置づけた。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

ダム建設によって流域の人々は洪水の恐怖から解放され、安全・安心が確保された。また、貯められた水は、農業用水や水道用水として生活者へ供され、ダムからの放流水を用いた発電を計画し、エネルギーの有効活用を図る予定である。一方で、ダム湖にあった旧居住者に対しては住んでいた故郷を偲んでもらうため、ダム湖を望むダムサイト広場に「五味原ふるさと公園休憩所」を整備し、コミュニティの場を確保した。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

丹生川ダムが建設された荒城川沿いには、多くの人たちが住まい、多様な産業を営み、地域経済を形成している。本施設は、こうした地域経済をいつ襲ってくるか分からない洪水の被害から守ることが使命であり、地域産業の発展に大きく寄与していると言える。また、人々が集うダム管理所では、地場材料の檜を小幅板にして天井に用いたり、杉板を型枠として用いコンクリートに杉模様を付けるなど、地場材料活用の可能性を示した。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

ダム本来の目的である「安全安心」を力強い造形を施した堤体下流面でイメージさせる一方、上流面では四季折々に水辺に映る山々の景色とダム構造物が同化するよう、優しい曲線で包んだ造形とした。また、地域に愛され、観光客に訪れてもらう新たな機会を創出するため、ダム堤体内部の社会見学や、周辺の自然に直接触れていただくエコツアーを企画するなど、来訪者にダムデザインを楽しみつつ、「癒し」を提供する場を目指している。

ユーザー・社会に伝えたいこと

ダム上流域の美しい木地屋渓谷に加え、存在感のあるダム堤体や満々と水を湛えたダム湖、来訪者の活動拠点となる広場が整備されたことにより、高山市の郊外に新たな観光レクリエーション、憩いの場が形成された。巨大スケールのデザインだけでなく、触れてもやさしい鋳鉄製の手すりや、親しみのある地場産の石材を使うなど、ディティールまで拘ったデザインは市民に長く愛される施設でありたいと願っている。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

岐阜県高山市丹生川町折敷地
岐阜県のダム事業

審査委員の評価

かつて公共事業の悪の根源のように言われたダム建設。しかし水害の防止や治水、利水など有効利用など無くてはならない機能を有している。要は単に巨費をつぎ込むのではなく、いかにそれが我々にとって大切なものかを示す必要がある。このプロジェクトは周囲の景観との調和したダム湖やダム本体のデザインのみならず、環境への配慮や管理事務所、広場など関連施設の丁寧なデザインとトータルなデザインコントロールが同時に計られている。

担当審査委員| 南雲 勝志   廣村 正彰   横川 正紀  

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