GOOD DESIGN AWARD

キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2013

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
佐野の庫裡 [種徳院庫裡改修]
事業主体名
種徳院
分類
公共領域のための空間・建築・施設
受賞企業
種徳院 (栃木県)
東京大学 生産技術研究所 川添研究室 (東京都)
ケイ・エス・ティ・ワールド株式会社 (福井県)
受賞番号
13G100945
受賞概要
2013年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

栃木県佐野市の種徳院にある庫裡の一部改修計画。従来お寺は人々に分け隔てなく開かれた場所であったが、現代のまちにおける寺院のあり方は異なりつつある。小さく間仕切られていた部屋を一体的な、廊下・縁側を合わせた『内側の縁側空間』として、人が共に過ごせる空間として改修した。かつて、佐野市周辺では「飛駒和紙」という和紙の生産が盛んで、障子などの建材として使用されていたが、現在ではごくわずかしか生産されていない。我々はこの途絶えてしまった地域の文化を、計画する建築というプロセスの中で再生したいと考え、壁全面が和紙で構成できる『吹付け和紙』という技術を使い新しい建材として実現した。

プロデューサー

川添善行(東京大学生産技術研究所 講師)

ディレクター

原裕介(東京大学生産技術研究所 特任助教)

デザイナー

本多敦(東京大学生産技術研究所 特任研究員)

利用開始
2012年11月
販売地域

日本国内向け

設置場所

栃木県佐野市

受賞対象の詳細

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

お寺に訪れる方は、長く滞在される方もいれば、要件を終えすぐに帰られる方もおり滞在時間が様々である。この空間では部屋をつなぐ廊下と南側の窓際にある縁側を合わせて「部屋の内側を向いた縁側空間」を作り出し、人々が好きな場所で腰をかけられるように計画した。ときには関係者を招いてワークショップやライブも行われ、多様な活動に対応できる空間となっている。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

従来お寺は多くの人々に分け隔てなく開かれた場所であったが、今日では祭事で訪れる程度の場所となっている。改修前の庫裡は暗く、玄関に大きな段差があったり来客の方が心地よく滞在出来る場所ではなかったが、改修後は明るく広い空間となり、縁側で集まっておしゃべりができるような、地域の人々に開かれた場所となった。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

このプロジェクトでは「吹付け和紙」という新しい技術を使用している。和紙の原液に少量の特殊なゲルを配合することで、壁面全体を和紙で仕上げることが可能となり、さらには平面だけではなく立体物も制作することが出来る。伝統的な和紙とは別に、現代の新しい解釈で作られた和紙が、途絶えゆく和紙の文化をつないでいく一つの力になればと思う。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

飛駒和紙が特産品であった佐野の原風景一つは楮畑と和紙の職人である。工業化による大量生産、高齢化の波に押され衰退していくことでその原風景は失われつつある。新しい価値のある和紙製品・技術が生まれることで、和紙の使用量が増へ、楮の畑が増へ、雇用や和紙職人が増えていき、原風景である楮畑と和紙の職人が守れればと考えた。

ユーザー・社会に伝えたいこと

産業の衰退に関してデザイナーとして提案できることは沢山あると思う。このプロジェクトの場合は新しい技術を伝え、新たな活用法を通して生産や雇用に繋がる事を考えた。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

栃木県佐野市種徳院
種徳院

審査委員の評価

庫裡を一部改修するというプロジェクト。縁側を室内にとりいれたような平面計画となっている。注目すべきは和紙を利用した壁面の仕上げだ。漉く前の和紙の原料を吹き付け用のガンで扱える粘度に調整し、壁面や開口部のアクリルに吹き付けている。目地無し壁面を構成できる材料として新しい和紙のあり方を指し示しているところが高く評価された。目地無しになり、かつよい風合いにできる建材は少ない。この吹き付け和紙の展開を期待したい。

担当審査委員| 千葉 学   乾 久美子   高橋 晶子   安田 幸一  

ページトップへ