GOOD DESIGN AWARD

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CC

2013

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
禅堂 [長楽寺禅堂]
事業主体名
(宗)長楽寺 代表役員 中野重孝
分類
公共領域のための空間・建築・施設
受賞企業
株式会社竹中工務店 (宮城県)
受賞番号
13G100944
受賞概要
2013年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

福島市内に位置する四百年の歴史を持つ曹洞宗寺院、長楽寺の坐禅堂の計画。既存の本堂や樹木などの境内の景観との調和を図りながら、伝統建築を構成する高床式架構、大屋根、自然通風などの要素を現代に置換し、静謐で高い精神性を持つ空間を創出している。2階の坐禅堂を内包した白い漆喰のボックスを大きくはね出すことで、1階に緑を取り込んだ開放的な広間を確保している。屋根はシャープな先端部を持つ深い軒をつくることで陰影のある表情を生み出している。2階坐禅堂は、閉じた空間でありながら、ハイサイドライトや床面換気口から光や風が取り込まれ、静けさの中に自然の息づかいと時の移ろいが感じられる。

プロデューサー

宗教法人長楽寺 代表役員 中野重孝

ディレクター

株式会社竹中工務店 東北支店 設計部 桑原 裕彰、葛 和久

デザイナー

株式会社竹中工務店 東北支店 設計部 佐藤忠明、阿部克紀

竣工
2010年8月10日
販売地域

日本国内向け

設置場所

福島市舟場町3-10

受賞対象の詳細

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

閉じた空間である坐禅堂を2階に浮かべ、その下に開いた空間である広間を設けている。坐禅堂は正面に正方形の窓が一つ開けられただけの極めてシンプルな構成としている。正面の窓と左右のハイサイドライトからは周囲の緑が垣間見え、自然の息吹と移ろいを感じられる。床面の換気スリットから空気を取り入れてゆるやかな自然換気を行い、静謐で緊張感の漂う空間で集中して坐禅を行うことができる。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

人々の絆を深める場として1階の広間は内部と外部が一体となった開かれた集いの場としている。大きな軒下空間のように水平方向に視線を抜きながらも、樹木や生垣に囲われた奥行感のある領域をつくり、開放感と落ち着きを与えている。夏季は上部の白いボックスの庇効果で日射負荷を低減し、木陰のような涼しさをもたらしている。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

2階の漆喰のボックスはRC壁梁とPC鋼線内蔵のスラブを箱状にして剛性を高め、約12mはね出している。1階端部にある2本の120φの鉄骨無垢柱は、はね出し部のクリープと振動防止のために設けている。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

これまでに現代名僧墨蹟展、東日本大震災一周年慰霊追悼の現代アート展など坐禅堂以外の用途にも度々活用されており、文化芸術の振興に貢献している。竣工後、半年して発生した東日本大震災にもクラック一本入ることなく建ち続け、被害を受けた本堂に代わる仮本堂として使用され、活動を継続させた。

ユーザー・社会に伝えたいこと

本施設の建立により、四百年の歴史を持つ長楽寺が、福島市民の精神的な支えと文化活動拠点としてより一層親しまれる存在となり、さらに後世に発展していくこと。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

福島県福島市舟場町3-10

審査委員の評価

地方都市に建つ歴史ある寺の座禅堂である。120mm直径の鉄骨無垢柱2本に支えられた真っ白な漆喰仕上のボックスは、まるで宙に浮いているようにつくられていることに先ずは驚かされる。その高い技術に裏打ちされた「必要なもののみが存在することの豊かさ」を充分に表現している。1階部分の広間は緑の風景の中に溶け込んでいて、周囲に開き、逆に2階のボックスの中では周囲が完全に閉じられ自己に集中できる空間構成となっている。様々な角度からよく考えられた建築であり、審査会でも高く評価された。

担当審査委員| 千葉 学   乾 久美子   高橋 晶子   安田 幸一  

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