GOOD DESIGN AWARD

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CC

2013

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
休憩所 ストリートファニチャー [震災がれき大谷石の再利用による休憩所]
事業主体名
宇都宮大学
分類
公共領域のための空間・建築・施設
受賞企業
宇都宮大学 (栃木県)
受賞番号
13G100935
受賞概要
2013年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

東日本大震災により栃木県では約20万トンのがれきが発生し、そのうちの約半数が石蔵や石塀の倒壊による大谷石のがれきであった。その一部は一般に無償譲渡されたが、多くは処理業者により回収され粉砕処理された。こうした調査をもとに、大谷石のがれき約150本を引き取り、宇都宮大学構内に休憩所を設計施工した。「小さな蔵・大きなベンチ」をコンセプトに、大谷石蔵の景観を引き継ぎ、人々の居場所となっている。震災の記憶を留めながら、大谷石の再利用方法を提示し、街なかの景観形成のプロトタイプになることを意図した。

プロデューサー

安森亮雄

ディレクター

安森亮雄

デザイナー

安森亮雄、佐原謙介

詳細情報

http://archi.ishii.utsunomiya-u.ac.jp/plan/yasumori/index.html

利用開始
2013年4月
販売地域

日本国内向け

設置場所

栃木県宇都宮市陽東 7-1-2 宇都宮大学陽東キャンパス

受賞対象の詳細

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

大谷石のがれきを再利用するにあたり、大谷石特有の暖かみを活かしつつ、がれきのサイズの違いやエッジの欠けた丸みを許容するために、大きな目地の「透かし積み」のデザインとした。また、大谷石を彫り込むことで喫煙スペースの灰皿を設置した。こうした工夫を施した4つの大谷石のベンチが切妻屋根を囲むことで、身体に優しく落ち着きのある居場所を形成している。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

大学構内のオープンスペースで不足していた学生や教職員の居場所を形成し、キャンパス生活における多様なコミュニケーションを誘発している。こうした休憩所のプロトタイプが街なかの広場やバス停などに展開することにより、衰退しつつある地方都市の中心市街地において、都市の景観と歩行者の居場所が形成され、活気ある次世代の街づくりに寄与することが期待される。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

大谷石のがれきは、東日本大震災による石蔵や石塀の倒壊だけでなく、所有者の世代交代や使用機会の減少による石蔵の解体により、恒常的に発生している。その多くは粉砕処理されるが、古い大谷石には良質なものが多く、再利用の仕組みが必要とされている。こうした地域の素材を、セルフビルド可能なストリート・ファニチャーとして再生する方法を提示し、ストック型社会における資源循環型の産業の可能性を示した。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

東日本大震災の大谷石のがれきを再利用することにより、震災の記憶を留めるとともに、地域特有の資源の循環を試みた。また、大谷石を用いた建築文化の継承による景観形成の提案となっている。こうした社会的かつ文化的な価値を提示し、持続可能社会における建築像の一端を示した。

ユーザー・社会に伝えたいこと

現代のデザインは、つくる前からできあがった後までを通し、取り巻く状況や関与する人々を含めた「デザインの前後左右」の全体として捉えられます。そうした持続的で横断的な繋がりによって、都市スケールの「風景」と身体スケールの「人の居場所」を同時に生み出すような建築を創造したいと考えています。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

宇都宮大学陽東キャンパス(栃木県宇都宮市陽東7-1-2)
宇都宮大学安森研究室 YASUMORI Lab.

審査委員の評価

大谷石の産地ならではの取り組み。東日本大震災で発生した大谷石のがれきを再利用し、キャンパス内の居場所を学生が中心となって設計施工したもので、小振りで素朴ながら大谷石の質感が身体にやさしいストリート・ファニチャーとなっている。屋根などのデザイン詳細には異論もあったが、大谷石、ひいては地域への愛が感じられることが評価された。

担当審査委員| 千葉 学   乾 久美子   高橋 晶子   安田 幸一  

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