GOOD DESIGN AWARD

キーワード
受賞年度
年度(から 年度まで)
特別賞
企業情報
CC

2013

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
救護施設 [ひのたに園]
事業主体名
滋賀県社会福祉事業団
分類
公共領域のための空間・建築・施設
受賞企業
伊熊昌治建築設計事務所 (東京都)
受賞番号
13G100934
受賞概要
2013年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

救護施設は生活保護法に基づき、精神・知的・視覚・聴覚等障碍者やDV避難者、ホームレス等多様な身体能力、様々な境遇を持つ入居者100人が、社会復帰を目指し生活を送る施設である。全国190箇所余り存在し、社会のセイフティネットとして機能する重要な場であるにも関わらず知名度が低い。今回は昭和45年の開設当初の必要な機能を廊下で繋ぐクラスタープラン型施設から、柱や光庭を配置した多様な居場所のある陽射しの豊かなオープンスペースを実現した。高齢化する入居者へも配慮しつつ、日常生活の連続性や人と人との交わりをテーマに様々な状態の入居者が他者を知覚し、意識しながら生活をすることができる場所となる。

プロデューサー

滋賀県社会福祉事業団

ディレクター

伊熊昌治建築設計事務所 伊熊昌治+高木恭子、キタイ設計 藤井正弘

デザイナー

伊熊昌治建築設計事務所 伊熊昌治+高木恭子、キタイ設計 藤井正弘、能勢建築構造研究所 松島洋介、京滋設計設備士事務所 小玉健生+田中春孝

詳細情報

http://www.sisyazi.jp/shisetu/index.php?id=21

利用開始
2012年4月1日
販売地域

日本国内向け

設置場所

滋賀県蒲生郡日野町松尾121

受賞対象の詳細

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

社会復帰の支援と高齢化する入居者の豊かな日常生活維持の二極化に対応する計画とした。食堂を分節する展示や家具は歩行の補助や広い窓枠での休憩等デザインによる自然な安全機能の確保を目指した。また大空間の視線に配慮し、高さの異なる窓や光を拡散する波板天井、既存居住棟からの渡り廊下から食堂、厨房外部への視線の誘導等、好みの「居場所」をみつけ、「多様な居場所」を楽しめる、刺激ある空間となるように計画を行った。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

施設配置において施設全体の中心にあった既存機能回復訓練棟を事務棟にコンバージョンし、見通しの良い透明な事務空間を計画した。敷地内、居住棟、新設サービス棟の出入管理の一元化を図った。建物の外形は外周通路を確保することからデザインを行い、外周を自由に散策できるようにした。一部はウッドデッキとし、外周通路に思い出のある既存樹木を極力保存し記憶の継承やお花見等のお祭りにも活用できる新たな「居場所」とした。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

大空間となる食堂は照明器具の配置をシステム化し、配線ダクトからのペンダント照明によって、タスク・アンビエント照明とすると共にレイアウトや雰囲気の変化に対応できる計画とした。また天井に外装材として用いられる反射性の高い亜鉛メッキ波板を使用し、大空間に人間的なスケールを導入すると共に自然光の乱反射が室内まで導かれ、外部の時間的変化を知覚できるようにし、省エネルギーへ配慮した計画としている。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

施設全体の配置計画の見直しと既存資産の有効利用のため、入口に近い築25年の鉄骨造平屋建ての既設体育館から事務棟へのコンバージョンを行った。天井・間仕切り壁を独立した鉄骨フレームで構成することで、構造・防災に配慮している。見通しの良い透明な事務空間や、散策路へ自然につながる開口部は支援員や来訪者、入居者同士の視線をつなげることで、「居場所」に連続性をつくると共に、避難の容易性を確保している。

ユーザー・社会に伝えたいこと

平準化しがちな福祉施設、特に建築計画として確立されていない施設づくりにおいて、社会復帰への支援のあり方や日常生活の充実等支援員との詳細な打ち合わせに基づいてデザインを進めた。フラットな大空間を分節した多様な居場所の利用計画や、高効率・省エネルギー対策を積極的に取りいれた設備計画は、新しい時代の福祉施設の在り方として、入居者、支援員全員がプライド持って生活・運営していく為に重要な要素となると考える。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

救護施設ひのたに園
救護施設ひのたに園
Ikuma+Takagi Architects Office

審査委員の評価

救護施設の改築。廊下と部屋のクラスター型の居住棟に接続するサービス棟として、規模や質の異なる空間がゆるやかにつながる複合オープンスペース型ともいえる構成をデザイン、多様な入居者の行為と関係性を細やかに受け止める場づくりを丁寧に実践していることが高く評価された。光庭は風や光の出入りに加え室内を重層的に感じさせる空間装置でもあり、街路空間のようなオープンスペースを創出している。

担当審査委員| 千葉 学   乾 久美子   高橋 晶子   安田 幸一  

ページトップへ