GOOD DESIGN AWARD

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CC

2013

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
産婦人科診療所 [あいレディースクリニック]
事業主体名
あいレディースクリニック
分類
公共領域のための空間・建築・施設
受賞企業
矢作昌生建築設計事務所 (福岡県)
あいレディースクリニック (沖縄県)
株式会社大興建設 (沖縄県)
受賞番号
13G100933
受賞概要
2013年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

沖縄県沖縄市の産婦人科診療所である。特徴的な外観は花ブロックと呼ばれる沖縄の伝統的な穴あきコンクリートブロックで構成されている。古くさいものとして扱われていた花ブロックをオリジナルでデザインし、現代的に再解釈することで、沖縄の風土になじみつつも、明るく風通しのよい、女性が安心して出産・育児をすることができるクリニックを目指した。花ブロックにより、強烈な沖縄の日射や台風を調整し、柔らかな採光・通風を確保することができる。さらに、プライバシーの確保などレディースクリニックならではの問題にも対応している。

プロデューサー

矢作昌生建築設計事務所 矢作昌生

ディレクター

矢作昌生建築設計事務所 矢作昌生

デザイナー

矢作昌生建築設計事務所 矢作昌生+山口瞬太郎

利用開始
2012年10月
販売地域

日本国内向け

設置場所

沖縄県沖縄市美里4丁目17-7

受賞対象の詳細

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

沖縄の強い日射や国道からの騒音を軽減し、プライバシーを確保するための花ブロックにより、内外の環境を調停している。また、産婦人科の長い待合時間を癒しに変えるための材料の選定や空間の配慮、産前〜出産までの緊張や不安を緩和し、悩み相談を促進するための動線のコントロールなどの空間的な配慮を行うことで、安心して出産できるクリニックとした。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

躯体は鳥居型のRCラーメン構造となっている。東西のスラブを支える細い無垢のスチールの柱(100×100〜200)により室内の開放性が高まり、軽やかな空間となっている。また、柱が小さいことで、躯体が室内空間や駐車場部分の邪魔をすることなく自由なプランニングが可能になっている。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

短い工期のため、RCラーメン構造と乾式工法を組み合わせた。躯体工事を追いかける形で内装工事を進めることで工期を短縮した。また、鉄骨柱・型枠・セパレータ・サポートを工場で製作し、現場に持ち込んだため、1層分の配筋から型枠工事、配筋検査、打設を1週間で行うことが可能になった。また、躯体は上階ほど柱梁が細くなるため、下階の型枠をカットし、再度上階の型枠として用いることで、コストの削減にも貢献した。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

全国的に産婦人科医の不足から母児のリスクが高まっている現状がある。沖縄県では高い出生率に伴いシングルマザーの増加、育児放棄や児童虐待がある。この問題を踏まえ産婦人科に求められるのは、出生のみにとどまらない総合的なケア施設の必要性である。本件では、産前〜出産までの緊張や不安の緩和、産後の回復のための配慮、外的環境からの負担を軽減する為に現代的な感覚と伝統的な空間構成を融合させている。

ユーザー・社会に伝えたいこと

沖縄県では高い出生率と離婚率に伴いシングルマザーの増加、育児放棄や児童虐待がある。この問題を踏まえ産婦人科に求められるのは、出産のみにとどまらない総合的なケア施設の必要性である。「お母さんの幸せ、それは家族の幸せ」は、このクリニックの掲げる理念である。出産におけるストレスを建築的な操作で軽減し、より沖縄の風土になじんだ心地よい空間で、幸せに出産してもらえることを目指した。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

沖縄県沖縄市美里4丁目17-7
あいレディースクリニック

審査委員の評価

沖縄で古くから使われている穴あきコンクリートブロックを新たにデザインしてファサードに使ったレディースクリニックである。地域性が失われていく現代において、伝統的な素材の新たな可能性を見いだそうとする姿勢は高く評価したい。またこうして生み出されたファサード越しに室内に届く木漏れ日のような光は美しく、優しい。ここで治療や診察を受ける患者の皆さんは、この光によってずいぶん癒されるのではないか。素材と空間、そしてプログラムが幸せな出会い方をしたプロジェクトである。

担当審査委員| 千葉 学   乾 久美子   高橋 晶子   安田 幸一  

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