GOOD DESIGN AWARD

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2013

GOOD DESIGN|グッドデザイン賞

受賞対象名
日本工業大学W2棟 [日本工業大学W2棟]
事業主体名
学校法人日本工業大学
分類
公共領域のための空間・建築・施設
受賞企業
日本工業大学 建築学科 吉村英孝研究室 (埼玉県)
受賞番号
13G100928
受賞概要
2013年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

W2棟は住空間や福祉空間を専門領域とした建築系学科の、実習室と研究室の一部を担う校舎である。建物全体の風の流れを考慮して、広く高い開放的な実習室を上階、低いある程度閉鎖的な研究室を下階とし、工房のように作業空間に執務空間が内包され、キャンパスに学生の活動が溢れるような構成とした。実習科目において内壁や天井といった内皮を製作する余地を残し、部材を露出することで部位の順列や材の取合い、配線/配管の系統が理解できる。凹部や隙間、目地といった副次的に生み出される小さな空隙を再利用し、部材と部材の取合いを施工順序も含めて再検討することで、建築の成り立ちを知るための「生きた教材」となることを目指した。

プロデューサー

日本工業大学 生活環境デザイン学科

ディレクター

日本工業大学 吉村英孝研究室 吉村英孝

デザイナー

ルートエー 高木俊+小林太加志アトリエ 小林太加志+立花美緒設計事務所 立花美緒+日本工業大学上田学研究室 上田学+金箱構造設計事務所 金箱温春+スタジオランプ一級建築士事務所 後藤智久

利用開始
2013年5月1日
販売地域

日本国内向け

設置場所

埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4-1

受賞対象の詳細

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

W2棟は、福祉空間と住空間を専門領域とする学科の校舎であり、これからのバリアフリーデザインを創出する為の実習設備を備えている。例えば、介護者と要介護者双方にとって利用し易い補助具の位置や形状を検討する為のトイレや浴室、高さが可変なキッチン設備があり、車椅子や寝台での生活も実体験することができる。また建築の配管や配線を露出させることで、設備の更新を容易にし、使用状況の変化にも対応できるようにした。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

工学系建築分野の教育/研究の空間では、粗々しい実験室や作業場のような製作の場と、オフィスのような研究/執務の場といった分離された異なる空間の質を学生が行き来している。福祉や住空間に関わる実習室であるW2棟では厳密な区画が不要なことから、研究室と実習室が合わさった開放的な工房のような佇まいを目指した。このことで棟全体の空気の流れを作ることが可能となり、空調に頼らない教育/研究空間の在り方を示した。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

建築を構成する部材のほとんどを露出したW2棟では、これまで仕上げ材に覆い隠され施工関係者以外にほとんど知られることのなかった安全上/施工上良く設計された数多くの建築部品のデザインを発掘し、見える状態にした。この校舎はそうした小さな部品の偉大なデザインの集積であり、これは日本の建設産業に関わるものづくりの先進の技術力を示すもので、部品の開発に携わったたくさんの人々の成果でもあると考えている。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

W2棟は、大学における校舎をある時代の完結した技術の結晶としてだけではなく、新しい技術や知見の生産され続ける場として、いわば生きた教材として生き続ける事を目的として設計された校舎である。その実現の為に、空気の流れを生む形態や開口、自然光の積極的な利用とともに、高機能新技術製品の使用、設備の更新、増設、変更の簡便さ、内部空間からの容易な仕組みの理解が得られるような設計がなされている。

ユーザー・社会に伝えたいこと

東日本大震災に前後してこの校舎の設計は始まりました。節電のために空調は使わず、照明も部分的にしか点灯させない生活の中で、(それまで当たり前であった、)私達の暮らしていた現代日本の空間の「質」のデザインが、何かを覆って見えなくしてしまっていることに気づきました。W2棟では、これまで建築空間の表面に出ることの少なかった、たくさんの部材や材料の見せ方を整理することの中にデザインの可能性を発見しています。

どこで購入できるか、
どこで見られるか

日本工業大学宮代キャンパス

審査委員の評価

大学の実験室棟らしい風情の実験室棟だが、実に丁寧な設計がなされている。建築科にとって校舎そのものが教材になるべきであるという考えから構造や設備のほとんどをあらわしにしているのだが、教材としてのわかりやすさや、教材だからこそごく普通の設備や構造の取り合いであったとしても美しくあるべきだという信念から、鉄骨や設備の取り合いのディテールの構築に時間がかけられている。当たり前なものでつくられていつつも、当たり前でないような空間の質を達成しているところが高く評価された。

担当審査委員| 千葉 学   乾 久美子   高橋 晶子   安田 幸一  

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