GOOD DESIGN AWARD

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2013

GOOD DESIGN|グッドデザイン金賞

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受賞対象名
幼稚園 [あさひ幼稚園]
事業主体名
公益財団法人 日本ユニセフ協会
分類
公共領域のための空間・建築・施設
受賞企業
株式会社手塚建築研究所 (東京都)
受賞番号
13G100916
受賞概要
2013年度グッドデザイン賞受賞概要

受賞対象の概要※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

概要

東日本大震災の津波で立ち枯れした巨大な杉並木を使って建設した幼稚園である。再利用というとリサイクルと結び付けられがちだがもっと遥かに大きな意味を含んでいる。南三陸の人々は海と共に生きてきており津波との縁を切ることはできない。建築で津波を防ぐことはできないが建築は言い伝えを残すことができる。この幼稚園は2尺角の柱から床板手すりに至るまで南三陸の津波の歴史と共に生きた杉でできている。元々材木ではないので板の幅も不揃いでキツツキの巣もそのまま残っているが全て南三陸の歴史である。想定寿命は長い。次の津波が来るであろう400年後まで生きながらえ語り部として津波の記憶を子孫に伝えて貰いたいと願っている。

プロデューサー

株式会社手塚建築研究所 手塚貴晴、手塚由比

ディレクター

株式会社手塚建築研究所 手塚貴晴、手塚由比

デザイナー

株式会社手塚建築研究所 手塚貴晴、手塚由比

詳細情報

http://www.tezuka-arch.com/

利用開始
2012年7月
販売地域

日本国内向け

設置場所

宮城県本吉郡南三陸町

受賞対象の詳細

デザインについて

「身体・人間」の視点からみて、応募対象が提供できること

津波によって子供たちの遊び場はなくなった。この建物は実に単純な正方形の周りに回廊を巻いただけの平面計画であり、子供たちは一日中その回廊を駆け巡り、時には縁の下へ潜り込む。建物自体が子供たちにとってみれば遊具なのであり、子供たちの遊び場を提供した。

「生活」の視点からみて、応募対象が提供できること

建築をもって自然の巨大な力を押しとどめる事はできないが、数百年後の子々孫々へと津波の恐ろしさを語り伝える事はできる。巨樹は枯れたが死してなお数百年後の子孫の尊い命を救う語り部となってくれればと願い、気候風土に呼応し生木を使った合理的な嵌合結合を試した。

「産業」の視点からみて、応募対象が提供できること

建設地となった南三陸は仙台から石巻を超え牡鹿半島の少々北に位置する典型的な三陸海岸の街である。いうまでもなく今回の大津波は街全体を襲った。高台に建設された園舎は南三陸の復興のシンボルとなり、町の人々に愛される建物となっている。

「社会・環境」の視点からみて、応募対象が提供できること

今回の津波では無数の巨樹が塩枯れの憂き目に会っているが、これは三陸の先祖の植えた財産である。有難く押し頂き大切に活用すべきであり、立ち枯れして伐採した杉の木を余すことなく活用した。

審査委員の評価

東日本大震災の津波を被って立ち枯れした杉木立が、幼稚園へと姿を変えて蘇った計画である。樹が様々なかたちに加工され、それらが積み重なるようにして生まれた空間は素朴で力強い。その一つ一つの部材は、杉木立を愛していた地域の人たちひとりひとりの想いを象徴するようでもあり、心打たれる。建築の価値は、できあがった空間の善し悪しだけではなく、むしろその背後に脈々と流れる壮大な物語にこそあるということを、改めて思い知らされる。

担当審査委員| 千葉 学   乾 久美子   高橋 晶子   安田 幸一  

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